「G-SYNC」の版間の差分
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従来の[[GPU]]の描画処理は、[[ディスプレイ]]の[[VSYNC]]のタイミングで描画を行うか、[[ディスプレイ]]の[[VSYNC]]を無視して描画を強行するかの二択であった。 | 従来の[[GPU]]の描画処理は、[[ディスプレイ]]の[[VSYNC]]のタイミングで描画を行うか、[[ディスプレイ]]の[[VSYNC]]を無視して描画を強行するかの二択であった。 | ||
− | 前者の[[VSYNC]]を待つ方法では、[[GPU]]が次の[[ | + | 前者の[[VSYNC]]を待つ方法では、[[GPU]]が次の[[垂直帰線期間]]が来るより先に処理を終えていると「何もせず待つ」という無駄な空回りとなり、GPUは100%の性能を発揮できなくなる。逆に次の[[垂直帰線期間]]までに[[GPU]]の処理が間に合わなければ[[フレームドロップ]]というスキップ処理を挟み画面がカクカクになる。なお、[[フレームドロップ]]処理を実装していない[[ファミコン]]などの古い[[ゲーム]]では[[スローモーション]]になったりしていた。 |
「ゲーム向け」をうたう[[ディスプレイ]]の中には、[[フレームドロップ]]が発生してもその影響を和らげるために、[[VSYNC]]の間隔を一般的な60Hzではなく、その2倍の120Hzや、それ以上と短くしている製品も多い。これなら万が一[[フレームドロップ]]が発生しても1/2のカクカクで抑えられる。だが完璧な解決方法とは言いがたい。 | 「ゲーム向け」をうたう[[ディスプレイ]]の中には、[[フレームドロップ]]が発生してもその影響を和らげるために、[[VSYNC]]の間隔を一般的な60Hzではなく、その2倍の120Hzや、それ以上と短くしている製品も多い。これなら万が一[[フレームドロップ]]が発生しても1/2のカクカクで抑えられる。だが完璧な解決方法とは言いがたい。 | ||
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− | G-SYNCでは[[GPU]]が[[フレームバッファ]]を完成させたタイミングを[[ディスプレイ]] | + | G-SYNCでは[[GPU]]が[[フレームバッファ]]を完成させたタイミングを[[ディスプレイ]]が検知して画面のリフレッシュ(描画)を行う。つまり[[垂直帰線期間]]が60Hzや120Hzといった一定間隔で実行されるのではなく、GPUからの依頼で実行されるようになる。ただそれだけである。当然、[[GPU]]も[[ディスプレイ]]も対応品が必要となるが、原理としては至って単純明快である。 |
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2023年11月1日 (水) 08:51時点における最新版
G-SYNC(読み:じーしんく)とは、NVIDIAが提唱したディスプレイの垂直帰線期間を従来の固定値から、GPUの指示で動的に制御するようにしようというシステムのことである。
概要[編集 | ソースを編集]
G-SYNCはNVIDIAがカナダのモントリオールで現地時間2013年10月18日に開催したプレスイベント「NVIDIA Editor's Day」にて、同社CEOのジェン・スンファン氏が提唱したものである。[1]
従来の垂直同期の問題点[編集 | ソースを編集]
従来のGPUの描画処理は、ディスプレイのVSYNCのタイミングで描画を行うか、ディスプレイのVSYNCを無視して描画を強行するかの二択であった。
前者のVSYNCを待つ方法では、GPUが次の垂直帰線期間が来るより先に処理を終えていると「何もせず待つ」という無駄な空回りとなり、GPUは100%の性能を発揮できなくなる。逆に次の垂直帰線期間までにGPUの処理が間に合わなければフレームドロップというスキップ処理を挟み画面がカクカクになる。なお、フレームドロップ処理を実装していないファミコンなどの古いゲームではスローモーションになったりしていた。
「ゲーム向け」をうたうディスプレイの中には、フレームドロップが発生してもその影響を和らげるために、VSYNCの間隔を一般的な60Hzではなく、その2倍の120Hzや、それ以上と短くしている製品も多い。これなら万が一フレームドロップが発生しても1/2のカクカクで抑えられる。だが完璧な解決方法とは言いがたい。
ならば後者の垂直帰線期間を無視して描画を強行する方法がいいかと言うと、GPUに休み時間を与えず100%フル稼働させることができるが、今度はディスプレイが画面を描き変えている途中で「描くものを変えろ」と指示することになり、1つ前のフレームと描画中のフレームが混ざり合ってチグハグな画面になるティアリングという現象が発生する。
G-SYNCの提唱する解決案[編集 | ソースを編集]
G-SYNCではGPUがフレームバッファを完成させたタイミングをディスプレイが検知して画面のリフレッシュ(描画)を行う。つまり垂直帰線期間が60Hzや120Hzといった一定間隔で実行されるのではなく、GPUからの依頼で実行されるようになる。ただそれだけである。当然、GPUもディスプレイも対応品が必要となるが、原理としては至って単純明快である。
そもそも垂直帰線期間が固定値なのはブラウン管ディスプレイの光線銃が物理的に動く速度の名残であり、電圧を掛ければ一気に画面が描き変わる液晶ディスプレイ全盛の御時世では固定である必要性などない。今までは互換性の名の下に、ただただ惰性で固定値となっていただけである。
G-SYNCを使えばGPUの性能を100%発揮しつつ、ティアリングも発生しない。
対応製品[編集 | ソースを編集]
ただしG-SYNCはG-SYNCに対応したディスプレイでなければ使えない。2014年中頃には登場する予定で、発表時点で既にASUSやBenQ、PHILIPS、ViewSonicなどの主要なディスプレイメーカーが対応に名乗りを上げている。