MonoMac

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MonoMac(読み:ものまっく)とは、Xamarin StudioMonoおよびMonoDevelop)を用いてC#Mac OS X用の「ネイティブアプリケーション」の開発を可能にする統合プログラミング環境のことである。

概要

MonoMacはiOS向けのMonoTouchの技術をそのままMac OS Xに持ってきたものであるといえる。

2011年3月17日、MonoMac 1.0が公開された。今後、F#IronRubyIronPythonUnityScriptといったプログラミング言語のサポートを進めていくと説明されている。

ライセンス

有償版のみのMonoTouchとは異なりMonoMacは完全に無償で提供されている。 ただしMonoMacはライセンスGPLおよびLGPLが用いられており、開発したプログラムを配布する場合は必ずオープンソースにしなければならないという条件がついている。

そのままでは商用利用できない、ソースコードは公開したくない、という人のためにオープンソース化しなくてもよいというXamarin.Macという有償版も提供されている。 いわゆる資金源である。

Xcode連携

UI部分のデザインにはInterface Builderとの連携に対応しているため従来のXcodeを用いたMac OS Xアプリケーション開発と基本的に同様である。 ただしMonoDevelop経由でxibファイルを開きInterface Builderを起動すると、xibファイルが監視された状態となり、UIを編集し保存した瞬間にまるでVisual StudioWindows Formsをデザイン編集したときのように全自動で部分クラスが生成されるなど、その連携具合は手動でアウトレットを書かなければならないXcodeより遙かに優れている。

日本語周り

なお、2012年3月19日時点では、MonoDevelopでの日本語表示に一手間必要であり、また日本語入力は一切できない。アプリ中に出現する文字列は、多言語対応のためにもソースコードに直接日本語を埋め込まず、リソースで管理しましょうという思し召しに違いない。

2013年11月5日現在の最新バージョンでは日本語表示も日本語入力も問題なくできるようになっている。いつの間に対応したんだよ。

ネイティブコード

Monoと言えば.NET Framework互換のオープンソースプロジェクト、その.NET Frameworkと言えば中間コード仮想マシンをまず思い浮かべるだろうが、MonoMacが吐き出すのは生粋のネイティブコードである。

MonoMacではC#で書いたソースコードを、ほぼ人間の読めないObjective-Cソースコードに変換し(いわゆるトランスコード)、それをXcodeビルドする。なお、この一連の動作はMonoDevelopバックグラウンドで行うので開発者は気にする必要がない。また、このネイティブコード寄りな仕様の関係上、リフレクションなどの.NET Framework特有の一部機能は使えなくなっている。

C#ソースコードからObjective-Cソースコードに変換するという荒技は、かつてアドビアップルによるFlashによるiPhoneアプリ開発をめぐる紛争の末に制定されたApp Storeサードパーティ締め出し利用規約を強引に回避するために編み出した必殺技である。 [1]

利点

ガベージコレクションが強い

Objective-CSwiftガベージコレクションが腐っており実質的には存在しないと思った方がいいレベルの中で唯一まともそうなのがMonoMacであった。ほとんどのアプリはObjective-Cガベージコレクションでも問題ないが、ウェブカメラ動画を表示や録画、編集などを行うような高負荷かつメモリを喰いまくるアプリでは特に顕著であった。アップルのサイトで配布しているQTKitによるウェブカメラを制御するサンプルも、実は動きの速い動画を撮影し続けるとメモリリークして最終的にクラッシュするという[2]

欠点

APIが欠落している

Xamarin.Macが登場して以来、APIの更新が止まっており、日曜プログラマーには世知辛い雰囲気が漂っている。たとえばOS X MavericksQTKitが廃止されAV Foundationに移行したがMonoMacでは残念なことになっている。せめて2つ3つくらい前の古いバージョンはMonoMacとして公開してくれたりしないかな。

使い方

この他にも「Category:MonoMac」に色々あるかもしれない。

関連項目

参考文献

外部リンク