不当廉売

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不当廉売(読み:ふとうれんばい、英語: dumping)とは、不当に安い金額で商品を販売し、市場の健全な競争を阻害する行為のことであり、独占禁止法に抵触する犯罪のことである。

概要[編集]

不当廉売とは、チキンレースのような不毛な価格競争を行うことを言う。その結果、その分野には正常にお金が回らなくなり、就業者が激減するなどの悪影響を及ぼし、最終的に製品の進化が止まることになる。当然のように不当廉売は健全ではないので独占禁止法によって厳しく規制されている行為である。

大企業の場合[編集]

本来は資金力の豊かな大企業が貧乏な中小企業兵糧攻めにする行為である。耐久力に任せ激安価格を提示しつづけ、市場を支配したのちに大幅な値上げ(いわゆるボッタクリ価格)、という手法は一時期レンタルビデオ業界で大流行した。最近では酒販業界においても大手小売店による過剰な安売りが問題視されている[1]

中小企業の場合[編集]

だが、近年では大企業が相手にしないような小規模な案件を巡り、零細企業間での不毛な価格競争が問題となることが多くなりつつある。「市場を支配するため」という明確な意志をもった大企業の場合と異なり、中小企業の場合は単純に「正常な見積ができない」「安全対策を省略する」などの経営者や営業担当者が無能であるがために発生している問題である。知能指数の低い経営者はこれを「経営努力」などと勘違いしている傾向がある。そしてその無能共と価格競争を強いられたまっとうな会社が競争から脱落し、結果的に不当廉売の発生した業界をクソの山へと変貌させる恐ろしいものである。とくにIT企業に多いのが「Write once, Run away」という形態である。

不当廉売による問題点[編集]

手抜きの横行[編集]

不当廉売は手抜き工事の原因でもある。価格競争の末に本来は省略すべきではない顧客からは見えにくい部分を省略することで安価を実現していることが多い。

特に多いのがIT企業によるシステム開発設計テストなどを省略することで工期を短縮するパターンである。建築業界などであれば耐震偽装などで摘発される事案であるが、IT業界は法規制もないため売り逃げ上等でやりたい放題である。

また、サーバーなどの機材でも冗長化バックアップが手抜きされていることが多い。目に見えるRAIDだけ組んで実はRAIDカード電源スイッチ冗長化されていませんでしたというオチである。パソコンをはじめとしたコンピューター製品でも一般人がコンデンサの種類など解るはずもないのでアルミ固体コンデンサプロードライザではなく、アルミ電解コンデンサで代用して安価を実現している製品も多い。

ブラック企業の横行[編集]

不当廉売はブラック企業との関連性が極めて強く、ブラック企業の発生は不当廉売の結果として正常な人件費などを捻出できないことによるものがほとんどである。

たとえば、ソフトウェアの世界でいえば末端の開発会社にお金が到達しなくなり、研究開発費などが捻出できなくなり、またプログラマーなどが不足したりすることで、画期的な新しい製品の登場などが滞る。とくに医療などのニッチな分野ではこの傾向が強い。

なお、ブラック企業による不当廉売は、小売業と異なり、摘発された事例はない。

罰則[編集]

日本で不当廉売を行った者は、経営者などの個人には5年以下の懲役または500万円以下の罰金、法人には5億円以下の罰金となる。

関連項目[編集]

参考文献[編集]