Write once, Run away

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Write once, run away(読み:らいと・わんす・らん・あうぇー)とは、「書いたら逃げろ」という意味のIT土方用語である。

概要[編集 | ソースを編集]

とりあえず動いてはいるが、ちょっとした要因で簡単ぶっ壊れるであろうシステムを納品した際には、お金を貰ったらトラブルが発生する前に売り逃げしろという意味である。

不毛な価格競争の末に真っ先に削られるのは「普段は目に見えない項目」である。 たとえばパソコンに付属するキーボードひとつとってもカタログスペックに数字として載らないため今では粗悪品ばかりになった。マザーボードコンデンサも一定期間で安定して壊れる安物になった。

これらと同様に価格競争をやりすぎたシステム開発案件で真っ先に削られるのは安全対策である。

表面的に動いてさえいれば完成という激安システム。 住宅をはじめとした建築業界であれば法規制もあり手抜き工事として訴訟になることもあるが、IT業界には法規制もなにもないのでやりたい放題。 契約書にも小さな文字で免責事項として書かれているので残念賞。

システムが壊滅的に壊れれば業務が止まる。 システムが乗っ取られれば情報流出などで信用問題に発展する。 そしてその結果として倒産することもある。

これらの大惨事になる大前提で、顧客に説明せず、安物を売り逃げするのである。

安物を求める顧客も悪いが、安物しか売れない無能な営業が一番悪いと言われている。

削られやすい項目[編集 | ソースを編集]

ハードウェア[編集 | ソースを編集]

ハードウェアで言えばバックアップが手抜きだったり、無停電電源装置矩形波出力UPSだったり、そもそもサーバー冗長構成になっていなかったりなどがこれに該当する。

ハードウェアが新しいうちはまず問題になる事はなく、老朽化した時に一気に問題が噴出する。つまり「売り逃げしやすい部分」であるといえる。

ソフトウェア[編集 | ソースを編集]

ソフトウェアで言えばプログラム内部のエラー処理コーディング量を減らすため省略しまくり、単体テストなども一切行っておらず、そもそも紙切れ1枚程度の簡単な仕様書すら存在しないなどがこれに該当する。売り逃げされた後に顧客が何かしようにも「設定はハードコーディングされてて手も足も出ない」とかもザラにある。

運用保守[編集 | ソースを編集]

運用面でいえば売り逃げする大前提なので保守契約なども結ばれていないことが多い。保守などそもそも最初から計画されていないので、セキュリティパッチなど何それ、インターネットに公開しているECサイトブログウェブサイトひとつとってもサーバー構築時から放置され、ハッカーどころかボットによるクラッキングもやりたい放題という状況がこれに該当する。

特に問題になったのは「WordPressMovable Typeでウェブサイトを構築して納品したら終わり」というパターンである[1]。 WordPressやMovable Typeのは有名であるがゆえにボットも多いのに放置プレイする者が後を絶たず、2013年には経済産業省の関連組織である情報処理推進機構(通称:IPA)が異例の警告を発表した[2]

関連項目[編集 | ソースを編集]

参考文献[編集 | ソースを編集]