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比例

4,588 バイト追加, 2014年10月21日 (火) 13:57
ページの作成:「'''比例'''(読み:ひれい、英語:proportionality)とは、変数を用いて書かれる二つの量に対し、一方が他方の定数倍である...」
'''比例'''(読み:ひれい、[[英語]]:proportionality)とは、[[変数]]を用いて書かれる二つの量に対し、一方が他方の定数倍であるような関係の事である。

== 定義 ==
変数 ''x'' と ''y'' が 0 でない[[定数]] ''k'' を用いて
:<math> y = k \times x</math>
と書かれるとき、 ''y'' は ''x'' に'''比例'''する、''y'' は ''x'' に[[正比例]](せいひれい、英語:directly proportional)するという。

このときの[[係数]]
:<math> k = \frac{y}{x} </math>
を[[比例定数]](英語:proportionality constant) という。

特に比例定数 ''k'' の具体的な値に言及する必要の無いときなどは
: <math>y \varpropto x</math>
と、[[比例記号]] ∝(U+221D, 英語:Proportional to, IME変換は「ひれい」)を用いて書くこともある。

''y'' が ''x'' に比例しているときに ''x'' を ''y'' に関する[[式]]で表せば
:<math>x = \frac{1}{k} \,\, y</math>
となる。つまり ''y'' が ''x'' に比例するとき同時に ''x'' は ''y'' に比例し、その比例係数は ''y'' の ''x'' に対する比例係数の[[逆数]]である。このため、一方の変数が他方の変数に対して比例するというような言い方ではなく、 ''y'' と ''x'' は[[比例関係]]にあるなどということもある。

比例関係は[[同値関係]]の一つである。[[実数]]や[[複素数]]のように[[結合律|結合的]]な[[可除代数]]においては、比例による同値関係は 0以外の元を全て一つの類に分類してしまうが、(次元が 2以上の)[[線形空間]]に対しては[[幾何学]]が展開されるような豊かな構造をもつ同値類集合を形作る([[射影空間]]と呼ぶ)。

== 性質 ==
''x'' と ''y'' が正比例し、比例係数は ''k'' とする。
* ''x'' と ''y'' の[[比]]([[除法|商]])は一定である。(定義)
* ''x'' が ''a'' 倍になれば、''y'' も ''a'' 倍になる。(必要十分条件)
* 正比例という関係は[[一次関数]]の特殊な場合である。特に[[直交座標]]を取ってグラフにすれば、そのグラフは[[原点]]を通過する[[直線]]を描く。
** ''x''と''y''の[[相互相関関数]]は、比例係数の符号(<math>|k|</math>)に等しい。
** ''x'' が ''a'' 増えれば、''y'' は ''ka'' 増える。
** ''x'':''y''=1:''k''となる。

==''x''の関数との比例==
''y'' が ''x'' の[[逆数]]に比例する、つまり
:<math> y = k \times \frac{1}{x}</math>
とき、''y'' は ''x'' に[[反比例]]するという。このとき同時に、 ''x'' は ''y'' に反比例するともいえる。

''y'' が ''x'' の[[自乗]]に比例する、つまり
:<math> y = k \times x^2</math>
とき、''y'' は ''x'' に自乗比例するという。

''y'' が ''x'' の[[指数関数]]に比例する、つまり
:<math> y = k \times a ^ x</math>
とき、''y'' は ''x'' に指数比例する、''x'' は ''y'' に対数比例するという。ただし逆に、''y'' は ''x'' に対数比例する、''x'' は ''y'' に指数比例するということもある。

==比例関係の例==
* 長方形の[[面積]]は、縦の長さを一定にしたとき、横の長さに比例する。
* [[等速直線運動]]では、[[速さ]]が一定であるとき、移動[[距離]]は経過[[時間]]に比例する。
* [[抵抗器|固定抵抗器]]を流れる[[電流]]は、[[電圧]]に比例する。([[オームの法則]]より)
* [[圧力]]が一定であるとき、[[気体]]の[[体積]]は[[温度]](絶対温度)に比例する。([[シャルルの法則]])
* 物体が全て[[エネルギー]]に変換される時、そのエネルギーは物体の[[質量]]に比例する。([[相対性理論]]より)

== 固有の名前がついている比例係数 ==
* [[力学]]の[[係数]]
** [[摩擦力#クーロンの摩擦法則|摩擦係数]]
** [[反発係数]](はねかえり係数)
** [[ばね係数]](弾性係数)
* [[物性物理学]]の係数
** [[熱伝導率]]、電気伝導率([[電気伝導]]参照)など多数存在
* [[原子物理学]]の係数
** [[崩壊定数]]
** [[吸収係数]]
*その他
**[[リスク係数]](Risk factor)

など

== 関連項目 ==
* [[反比例]]
* [[一次関数]]
* [[線形代数]]、[[線形性]]、[[線形写像]]
* [[微分法|微分係数]]

==参考文献==
{{reflist}}

{{stub}}

{{DEFAULTSORT:ひれい}}
[[Category:比]]
[[Category:数学に関する記事]]
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