フリッカーフリー
概要
人間がフリッカーを認識できなくなる限界値は、一般人で「60-70Hz」、超人で「90-100Hz」と言われている。
とくにテレビの仕様が50Hzの国(PALまたはSECAM)では「フリッカーが目立つ」という問題があり、「フリッカーフリー」を掲げた100Hz駆動のハイエンドなテレビ製品が売られていた。
日本のように60Hzの国(NTSC)では、そもそも大多数の一般国民はフリッカーを認識できないため、近年までさほど商売ネタにされることはなかった。
パソコン用のディスプレイでは、「一般人の認識限界の70Hzより上」かつ「映画が採用する24Hzの倍数」ということで「72Hz」がよく使われた。最近では「テレビの60Hzと映画の24Hzの最小公倍数でフレーム補間がしやすい」というこで「120Hz」がよく使われている。
ぶっちゃけ、それ以上は「人間にとっては」無駄でありピュアオーディオやハイレゾオーディオと同じ世界である。なお「垂直同期信号を超高速で返すことでGPUを休ませない」という意味では240Hzや360Hzなども意味がある。
液晶ディスプレイ
かつて「液晶ディスプレイにはフリッカーは存在しない」と言われていた。バックライトが蛍光灯かつ常時点灯だった時代の話だ。
しかし近年の液晶ディスプレイは、バックライトにLEDを採用し、さらに高コントラスト比を実現するためにPulse Width Modulation (PWM)による輝度調整を搭載している。
LEDは密かに点滅している。その速度は電源周波数の2倍が基準で、60Hzの西日本では1秒間に120回、50Hzの東日本では1秒間に100回点滅している。
前述したように100Hz以上はまず認識できないので最高輝度のときはまったく問題ない。しかし、PWMでLEDの輝度設定を下げるということは「LEDの点滅速度を遅くする」ということであり、暗いシーンでは人間がフリッカーを認識できてしまう。