ポイントライトの減衰
目次
現実世界
現実世界の照明の減衰は逆二乗の法則に従っている。
attenuation = 1 / pow(x,2)
CGでの問題点
しかしコンピュータグラフィックス(CG)では少し厄介なことになります。
現実世界の照明の減衰は距離に応じて指数関数的に小さくなるため、 モデルとライトの距離がゼロ付近になると無限大(infinity)になり (浮動小数点数型がオーバーフローを引き起こし)、 そのまま計算を続けるとゼロ除算を引き起こし、 だいたいの場合は真っ暗になる。
この問題を近似解で解決する複数の方法が考案されている。
Unity
Unityのドキュメントによると標準パイプラインでは以下の数式を使っているらしい。
r = LightRange attenuation = 1 / ( pow( ( x / r ) * 5, 2) + 1 )
逆二乗曲線に似ているが、距離を「5」に固定し、LightRangeパラメータでスケーリングしている。 これは中央でちょうど1になるという素晴らしい特性を持っている。
Bakery
「Bakery - GPU Lightmapper」のパイプラインでは以下の数式を使っているらしい。 常に「+1」することでゼロ除算になることがないという。
attenuation = 1 / ( pow(x, 2) + 1 )
Frostbite
バトルフィールドシリーズで有名なEA DICEのゲームエンジン「Frostbite」のパイプラインでは以下の数式を使っているらしい。
s = LightSize = 0.01 = 1cm attenuation = 1 / pow(max(x, s), 2)
Bakery改
Bakery + Frostbite
s = LightSize attenuation = 1 / ( pow(x,2) + pow(s,2) )