ジョン・マカフィー
来歴
イングランドの米軍基地でアメリカ兵の父とイギリス系の母の子として生まれ[1]、バージニア州セーレムで育つ[2]。1967年にロアノーク・カレッジで数学の学士号を取得し、2008年には名誉博士号を授与された。
1968年から1970年までニューヨークにあるNASAのゴダード宇宙科学研究所にプログラマーとして勤務。その後、UNIVACのソフトウェアデザイナー、ゼロックスのオペレーティングシステムアーキテクトを経て、1978年にコンピュータ・サイエンス・コーポレーションへソフトウェアコンサルタントとして入社。のち、ロッキードに勤務していた1980年代、自身のコンピュータがBrainウイルスに感染したのをきっかけにウイルス対策ソフトウェアの開発を始める。
1987年にアンチウイルス会社、McAfee Associates(マカフィーアソシエイツ)を設立。彼はシェアウェアビジネスモデルを用いてアンチウイルスソフトウェアを配布した最初の人物となった[3]。1989年にはロッキードを退職し、カリフォルニア州サンタクララの自宅でマカフィーの経営に専念し、同社をセキュリティ対策のリーディングカンパニーに育てた。1994年に持株を売却して退職した後、インスタントメッセージプログラムの先駆け的存在である[4]PowWow を開発したTribal Voiceなどの創業に関わった。
2009年8月に『ニューヨーク・タイムズ』紙は、ピーク時には1億ドルにまで達した彼の個人資産が、世界金融危機の影響で400万ドルにまで下落したと報じた[5]。
ヨーガのインストラクターでもあり[6]、ヨーガに関する本も数冊執筆している。
2012年11月12日、ベリーズ警察に殺人容疑で指名手配された[7]。
その後、2012年12月5日、グアテマラ市近郊のホテルに滞在していた際、不法入国容疑でグアテマラ警察に逮捕され[8]、アメリカに送還された。
2015年9月、次期アメリカ合衆国大統領選挙への出馬計画を公表した[9]。
殺人容疑
移住
マカフィーは2008年ごろから、イギリスの旧植民地であるベリーズのリゾート地・アンバーグリス・キー島に住んでおり、近隣住民からは、銃と若い女が好きな変わり者として疎まれていた[10]。
事件
2011年11月11日、マカフィーの隣に住むアメリカ人男性が自宅で首を撃たれて死亡しているのが発見され、以前より被害者と揉めていたマカフィーが重要参考人として指名手配された[11]。
この数か月前にもベリーズ警察は武器の不法所持と不法薬物の製造の件でマカフィーの身柄拘束と家宅捜索を行なっているが、マカフィー自身は重症の薬物依存者であったことを認めながらも1983年以降は薬物を断っており[10]、地元政治家への献金を拒んだための報復だと主張していた[11]。
被害者の隣人は生前、マカフィーの飼っている凶暴な犬や攻撃的な武装警備員についての苦情の手紙を市長に送り、地元当局に対策を求めていた[12]。
マカフィー容疑者は逃亡する前、飼い犬4匹がフォールさんに「毒を盛られた」としてこの4匹を射殺していた。 [12]。
捜査中は自宅敷地内で砂の中に体を埋め、息をするため頭だけ出して段ボールをかぶって隠れ、その後3週間に渡って20歳の恋人とベリーズ国内を逃走した。 [11] [13]
亡命
2012年12月、ベリーズの隣国であるグアテマラに亡命申請、グアテマラ市近郊のホテルに滞在していたマカフィー氏の身柄を確保し、不法入国の疑いでグアテマラの拘留施設に収監された[12]。
マカフィー氏は、不正な行為はしておらず、ベリーズの政治家への寄付を断ったことから容疑者扱いを受けるようになったと主張している。 ベリーズの首相はパラノイアの妄想であると反論した[10]。
外部リンク
脚注・出典
- ↑ Software pioneer McAfee files paperwork to run for presidentThe Hill, 09/08/15
- ↑ Marshall Cavendish Corporation (2007). Inventors and Inventions. 4. Marshall Cavendish. pp. 1030. ISBN 0761477675 .
- ↑ Brenoff, Ann (2009年1月29日). “John McAfee cuts price of Hawaiian home” (英語). ロサンゼルス・タイムズ. 2010年3月11日閲覧。
- ↑ http://www.technologyreview.com/Biztech/14405/
- ↑ Leonhardt, David; Geraldine Fabrikant (2009年8月20日). “Rise of the Super-Rich Hits a Sobering Wall” (英語). ニューヨーク・タイムズ. 2010年3月11日閲覧。
- ↑ http://www.aryoga.com/McAfee/AYC0309.htm
- ↑ GIZMODO (2012年11月13日). “マカフィー創業者が殺人容疑で指名手配”. ギズモード. 2012年11月13日閲覧。
- ↑ 『ウォールストリートジャーナル』(2012年12月6日)「マカフィー創設者、グアテマラで逮捕-不法入国容疑」
- ↑ マカフィー創業者、米大統領選に出馬へAFP, 2015年09月10日
- ↑ 10.0 10.1 10.2 Guatemala detains software guru McAfee, to expel him to BelizeReuters, Dec 6, 2012
- ↑ 11.0 11.1 11.2 殺人事件に関連して米マカフィー創業者を手配、米誌インタビューに「命をねらわれている」AFP, 2012年11月14日
- ↑ 12.0 12.1 12.2 12.3 グアテマラ、マカフィー容疑者の亡命を拒否 ベリーズに身柄引き渡しへAFP, 2012年12月07日
- ↑ 13.0 13.1 マカフィー容疑者、米国に送還 体験を「映画にする」とコメントAFP,2012年12月13日