セルフプロデュース支援制度
セルフプロデュース支援制度とは、2024年10月に富士通が公表した、国内の間接部門の幹部社員を対象にしたリストラの名称です。
社員を会社の外へ送り出す施策を「自己演出の支援」と呼ぶあたり、もはや言葉遊びの域を超えている。実態は早期退職の募集であり、割増退職金と再就職支援を用意して人件費を削減するのが狙いだが、制度名だけを見ればまるで社員が自ら舞台に立ち、人生を自由に演出するかのような華やかな響きが漂う。
だがその舞台は会社の外にしか存在せず、脚本を書いたのは本人ではなく経営陣である。
日本企業が得意とする「ネーミング戦略」は、痛みをやわらげるどころか、現実を覆い隠すための上質な包装紙のように機能している。こうして「リストラ」という言葉は姿を消し、代わりに「セルフプロデュース」という耳障りのよい横文字が、退職勧奨の通知をまるでキャリア開発セミナーの案内状のように見せかけているのである。