「ディープカラー」の版間の差分

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== 概要 ==
 
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ディープカラーは従来の[[トゥルーカラー]](1677万7216色)のように明確な規定はないが、一般的には各色10ビットや12ビットの[[RGB]]であることが多い。
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ディープカラーは従来の[[トゥルーカラー]](1677万7216色)のように明確な規定はなく、一般的には「各色が10ビットや12ビットや16ビット」の[[RGB]]」となっています。
最近では12ビットの整数どころか16ビットの[[半精度浮動小数点]]に対応したものも登場している。
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業務用ビデオカメラや一眼レフの[[RAW画像]]はほとんどディープカラーとなっている。
 
業務用ビデオカメラや一眼レフの[[RAW画像]]はほとんどディープカラーとなっている。
 
当然ながらこれらを「まともに」編集するにはディープカラー対応の[[液晶]]や[[ソフトウェア]]などが必要となる。
 
当然ながらこれらを「まともに」編集するにはディープカラー対応の[[液晶]]や[[ソフトウェア]]などが必要となる。
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また、アニメ調の映像では特定の色に極端に偏っていることが多いという特徴があります。
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たとえば赤に極端に偏った絵では8ビットでは256色しか表現できません。
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このような状況下でディープカラーを利用すると極めて滑らかなグラデーションを表現することができます。
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ディープカラーの形式は様々で、2000年中頃は「16ビット整数のうち10ビットだけ使用する」「16ビット整数のうち12ビットだけ使用する」という形式が乱立していました。16ビットのうち使用しているのは上位ビットなのか下位ビットなのかもビデオカードメーカーごとにバラバラでした。
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2010年頃になると[[マイクロソフト]]と[[AMD]]がゴリ押しした「10ビットの浮動小数点数が3つで30ビットRGB+未使用2ビット=32ビット」という形式と、同時期の[[NVIDIA]]が推した「16ビットの浮動小数点数が3つで48ビットRGB」という形式の一騎打ちになりました。結果は前者が勝利しました。
  
 
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一部の[[PC]]に搭載されている[[GeForce]]などの[[ビデオカード]]には「[[フルスクリーン]]でしかディープカラーを使えない」などの制約がある。「ゲームや動画再生はフルスクリーンが普通だから問題ないでしょ?」というものである。
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一部の[[PC]]に搭載されている[[GeForce]]などの[[ビデオカード]]には「[[フルスクリーン]]でしかディープカラーを使えない」などの制約がある。「[[ゲーム]]や動画再生はフルスクリーンが普通だから問題ないでしょ?」というものである。
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なんとこの制限は[[Quadro]]などの[[ワークステーション]]用の[[ビデオカード]]を買うと解除され、ウインドウ表示でもディープカラーが使えるようになる。
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2020年末のドライバアップデートでGeForceのウインドウ表示でも限定的ではあるがディープカラーを扱えるようになった。
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2021年時点で売られている「[[Radeon]]」を冠する[[ビデオカード]]はすべてディープカラーを扱える。[[AMD]]製品は基本的に[[CPU]]も[[GPU]]もケチくさい制限はない。
  
なんとこの制限は[[ワークステーション]]用の[[ビデオカード]]を買うと解除され、ウインドウ表示でもディープカラーが使えるようになる。
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2021年時点で売られている[[インテル]][[CPU]]に内蔵されている[[オンボードGPU]]もすべてディープカラーを扱える。
  
 
== Mac ==
 
== Mac ==
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ウインドウ表示でもディープカラーは問題なく使える。
 
ウインドウ表示でもディープカラーは問題なく使える。
  
つまり「[[Intel]]の[[オンボードGPU]]を積んだ[[Mac]]」と「[[NVIDIA]]の[[Quadro]]を積んだ[[Windows]]」では速度差を除けば機能的には同等であると言え、「[[NVIDIA]]の[[GeForce]]を積んだ[[Windows]]」は[[そびえ立つクソ]]であると言える。
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写真や絵を扱う前提の場合、「[[Intel]]の[[オンボードGPU]]を積んだ[[Mac]]」と「[[NVIDIA]]の[[Quadro]]を積んだ[[Windows]]」では速度差を除けば機能的には同等であると言え、「[[NVIDIA]]の[[GeForce]]を積んだ[[Windows]]」は[[そびえ立つクソ]]であると言えます。
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機能と速度と価格をすべて考慮すると「個人、かつ写真や絵を扱うのが主用途であればRadeonを買え」という結論になります。
  
 
== 関連項目 ==
 
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* [[トゥルーカラー]]
 
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* [[RAW画像]]
 
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2023年10月24日 (火) 03:11時点における最新版

ディープカラー英語:deep color)とは、コンピューターグラフィックスにおいて各色8ビットを超える色表現のことである。

概要[編集 | ソースを編集]

ディープカラーは従来のトゥルーカラー(1677万7216色)のように明確な規定はなく、一般的には「各色が10ビットや12ビットや16ビット」のRGB」となっています。


業務用ビデオカメラや一眼レフのRAW画像はほとんどディープカラーとなっている。 当然ながらこれらを「まともに」編集するにはディープカラー対応の液晶ソフトウェアなどが必要となる。

また、アニメ調の映像では特定の色に極端に偏っていることが多いという特徴があります。 たとえば赤に極端に偏った絵では8ビットでは256色しか表現できません。 このような状況下でディープカラーを利用すると極めて滑らかなグラデーションを表現することができます。

形式[編集 | ソースを編集]

ディープカラーの形式は様々で、2000年中頃は「16ビット整数のうち10ビットだけ使用する」「16ビット整数のうち12ビットだけ使用する」という形式が乱立していました。16ビットのうち使用しているのは上位ビットなのか下位ビットなのかもビデオカードメーカーごとにバラバラでした。

2010年頃になるとマイクロソフトAMDがゴリ押しした「10ビットの浮動小数点数が3つで30ビットRGB+未使用2ビット=32ビット」という形式と、同時期のNVIDIAが推した「16ビットの浮動小数点数が3つで48ビットRGB」という形式の一騎打ちになりました。結果は前者が勝利しました。

PC[編集 | ソースを編集]

GeForce[編集 | ソースを編集]

一部のPCに搭載されているGeForceなどのビデオカードには「フルスクリーンでしかディープカラーを使えない」などの制約がある。「ゲームや動画再生はフルスクリーンが普通だから問題ないでしょ?」というものである。

なんとこの制限はQuadroなどのワークステーション用のビデオカードを買うと解除され、ウインドウ表示でもディープカラーが使えるようになる。

2020年末のドライバアップデートでGeForceのウインドウ表示でも限定的ではあるがディープカラーを扱えるようになった。

Radeon[編集 | ソースを編集]

2021年時点で売られている「Radeon」を冠するビデオカードはすべてディープカラーを扱える。AMD製品は基本的にCPUGPUもケチくさい制限はない。

Intel[編集 | ソースを編集]

2021年時点で売られているインテルCPUに内蔵されているオンボードGPUもすべてディープカラーを扱える。

Mac[編集 | ソースを編集]

一部のMacに搭載されているRetina Displayはディープカラーが大前提となっている。 ウインドウ表示でもディープカラーは問題なく使える。

総評[編集 | ソースを編集]

写真や絵を扱う前提の場合、「IntelオンボードGPUを積んだMac」と「NVIDIAQuadroを積んだWindows」では速度差を除けば機能的には同等であると言え、「NVIDIAGeForceを積んだWindows」はそびえ立つクソであると言えます。

機能と速度と価格をすべて考慮すると「個人、かつ写真や絵を扱うのが主用途であればRadeonを買え」という結論になります。

関連項目[編集 | ソースを編集]