フェアユース

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フェアユース英語:fair use)とは、アメリカ合衆国などの先進各国の著作権法で定められた「公正な利用」と呼ばれるもので、一定条件をクリアすることで著作権侵害にならないとする規定のことである。なお、日本の著作権法には存在しないものである。

概要[編集 | ソースを編集]

著作権所有者の許可なく著作物を使用できるかどうかのルールは国によって異なる。たとえば米国では、解説、批評、研究、教育、ニュース報道での使用はフェアユースと見なされる。考え方は似ていますが、仕組みが若干異なるフェアディーリングを定めた国もある。

裁判所では、それぞれのケースの事実に基づいて、フェアユースかどうかを判断する。YouTubeニコニコ動画著作権で保護された素材を含む動画アップロードする前に、専門家から法律上のアドバイスを受けることをおすすめする。

基本的に「非営利目的の歴史資料」などは問答無用でフェアユースとなる。たとえばインターネットアーカイブが収集および公開しているデータはフェアユースであるとされる。インターネットアーカイブではMS-DOS向けのゲームエミュレーター付きで公開しているが、これもフェアユースであるとされる。

フェアユースの4要素[編集 | ソースを編集]

著作物の利用がフェアユースになるか否かについては少なくとも以下のような4要素を判断指針とする。 一般的に「批評」「解説」「ニュース報道」「教授(教室での利用のための複数のコピー作成行為を含む)」「研究」「調査」などを目的とする場合は、よほどの事がないかぎり以下の4条件に該当するためフェアユースを認められる。

下で示された4要素はあくまで例示に過ぎず、5つ目以降の要素を検討することも認められている。

利用の目的と特性[編集 | ソースを編集]

大雑把にいえば「営利」か「非営利」かという条件である。 その利用が「変形的」であるかどうか、つまり新しい表現や意味がオリジナルのコンテンツに追加されているかどうか、あるいはオリジナルのコンテンツのコピーにすぎないかどうかという点を重視する。営利目的での利用の場合はフェアユースと見なされる可能性が低くなる。

著作物の性質[編集 | ソースを編集]

大雑把にいえば「ドキュメンタリー」か「フィクション」かという条件である。 事実に基づくドキュメンタリー作品である場合は、フィクション作品に比べフェアユースであると認められる可能性が高くなる。

著作権で保護されているその作品全体に対する利用部分の比率[編集 | ソースを編集]

大雑把にいえば「追加した部分の量」が半分以上かという条件である。 オリジナルの作品から引用するコンテンツがごく一部である場合は、コンテンツの大半を引用する場合に比べフェアユースであると認められる可能性が高くなる。 ただし、ごく一部の利用であっても、それが作品の「本質的」な部分である場合は、時としてフェアユースではないと判断されることもある。

著作物の潜在的市場または価値に対する使用の影響[編集 | ソースを編集]

大雑把にいえば「風評被害」にあたるかという条件である。 オリジナルの作品から受けることができる利益を損ねるような利用はフェアユースであると認められる可能性は低くなる。 ただし政治思想的な意味を込めた風刺画はパロディであるとしてフェアユースと認めることもある。

各国の法制[編集 | ソースを編集]

日本[編集 | ソースを編集]

2010年に麻生太郎がフェアユースを作ると宣言したが法学界の猛反対により頓挫した。

イギリス[編集 | ソースを編集]

アメリカのフェアユースと非常に似ている。しかしイギリスでは、その範囲を教育などの非営利に特化し、営利目的は一切認めないという規定になっている。

イスラエル[編集 | ソースを編集]

イスラエルでは2007年にアメリカとほぼ同じ条件で導入された。

関連項目[編集 | ソースを編集]

参考文献[編集 | ソースを編集]