ワンオペ

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ワンオペ英語:one man operation)とは、ワンマン・オペレーションの略で、1人で1つの業務を担当することをいう。つまり人材の冗長化や業務のバックアップが行われていない状態をさす。

概要[編集 | ソースを編集]

このワンオペが世間で注目されたのは、ゼンショーホールディングスの牛丼専門チェーン店「すき家」での過酷な事例であるため、外食チェーン店などで人手が不足する深夜などの時間帯を中心に、従業員を1人しか置かず、全ての労働をこなす行為をさすことが多い。

また、このワンオペはIT土方の世界でも古くから恒常化している形態である。これは人件費の関係でペアプログラミングRAIDプログラミングのような人的リソース冗長化を行っておらず、担当者1人しか業務内容を把握しておらず、故障などが発生すると引き継ぎができず、連鎖的に破綻する状態である。プログラミングの世界では作業内容がシンプルな外食チェーンとは異なり、故障した人材が行っていた業務内容を引き継ぐのに必要な労力が非常に大きいため、ひとたび事故が発生すると即座にデスマーチに突入することが多い。

この現象は1975年にIBMの偉い人が発表した「人月の神話」や「銀の弾丸などない」に書かれているものそのものである。

主な事例[編集 | ソースを編集]

すき家すき家[編集 | ソースを編集]

2014年に全国の加盟店の大半で、ワンオペによる深夜の労働体系が敷かれていたことが発覚[1]。一例として、ある大学生はメディアのインタビューに対し、ワンオペの影響で9時間にわたり休憩をとらないまま1人勤務に就いたとの経験を告白した[2]

また従業員に対するアンケートによれば、「回転(24時間以上の連続勤務を週数日間連続でこなしてしまう)により、居眠り運転による事故を起こした」「年末に親に会い、20㎏もやせてみていられない。やめてくれと頼まれた」などといった意見が寄せられ、中には月あたり500時間以上勤務したという事例や、2週間以上も自宅に帰ることができなかったという人もいたとされる[3]

これらの問題に対し、同社が組織した外部有識者らで構成する第三者委員会から「法令違反」とする指摘があったことから、ワンオペを取り入れていた多くの店では2014年10月以後、深夜0時から5時の営業を停止する[1]か、2人以上の従業員を配置しローテーションを図る[4]ことにより、ワンオペを「できるだけなくす」としている。

関連項目[編集 | ソースを編集]

参考文献[編集 | ソースを編集]

  1. 1.0 1.1 すき家が深夜営業中止 全体の6割、1167店で(サンケイスポーツ、2014年9月30日付、2015年2月11日閲覧)
  2. すき家バイト「ワンオペ体験」告白 「調理方法が分からずヤフー知恵袋で調べた」(弁護士ドットコム、2014年10月15日付、2015年2月11日閲覧)
  3. 「20キロ痩せた」「24時間連続勤務」…すき家元社員が明かした勤務実態(サンケイスポーツ、2014年8月2日付、2015年2月11日閲覧)
  4. すき家、深夜営業を再開へ…人手確保にめど(サンケイスポーツ2015年1月23日 2月11日閲覧)