差分
編集の要約なし
「お子様」というよりハッキリ「幼児」と言ったほうがいいだろう。「シャトル」が狙ったターゲットはPCエンジンがなかなかファミコンから奪取できなかった小学生低学年以下の幼児層だった。PCエンジンは当初から低年齢層をターゲットにしていたフシはあるのだけど(立ち上げ時のソフトが「カトちゃんケンちゃん」とか「ビックリマンワールド」だったぐらいで)、高性能で高価格、ゲームセンターのアーケードゲームの移植に優れたヘビーゲーマー向けマシンという性格が強くなり、低年齢層はあまり寄り付かないのが実態だったのだ。それならばコムズかしいコア構想など切り捨てて価格を下げ、幼児にも親しみやすい玩具性を持たせようと「シャトル」を送り出したわけだ。
幼児向けのPCエンジンソフトも末期のSCD時代までチラホラとは出ているのだが、いずれもとても売上がよかったとは思えない状況だ。幼児向けソフトの極北はNHKエンタープライズから出た「にこにこぷん」(’91)なのは間違いないが、そのころはやはり値段を下げた「コアグラフィックスII」がメイン本体の時期で、「シャトル」などとうに市場から消えていた。ほかはアニメキャラクターを使ったHuCARDソフトにかなり低年齢向けと思えるものが多く、1994年年末なんて時期に出た最後のHuCARDソフト「21エモン・めざせホテル王」(’94)までその系譜が続いているが、市場ではほとんど存在感がなかったというのが実態だろう。