空気読め

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空気読め(読み:くうきよめ)とは、対人関係や社会集団の状況における情緒的関係や力関係、利害関係など、自然言語では明示的に表現されていない、もしくは表現が忌避されている関係性の諸要素のことなどを示す日本の慣用である。

概要[編集 | ソースを編集]

大きく分類すれば次の4つの要素からなる、ともされる[1]

  1. 状況を把握する
  2. 言うべき相手を確認する
  3. 適切な言葉を選ぶ
  4. 適切なタイミングを選ぶ。

コンピューターを相手にプログラミングするという作業は明示的に定義する作業であるため、職業病の一種として基本的に職業プログラマーは空気を読まない。とくに明示的さこそ正義であるという教典に基づくPascalの流れを汲むプログラミング言語を主力として使用しているプログラマーでは顕著であり、空気を読む奴は二流であるとされる。

しかしながらシステムエンジニアの場合は空気を読まないと客先などで嫌われるので注意しよう。プログラマーとして戦力外通告をうけシステムエンジニアに転身するものが多いが、空気を読むという能力が低いことからトラブルに発展するケースも少なくない。ただ空気を読みすぎて非現実な仕様で突き進みデスマーチに発展するという最悪のケースが多いのも事実である。

空気を読む危険性[編集 | ソースを編集]

アーヴィング・ジャニスは、ピッグス湾侵攻事件、ベトナム戦争の拡大政策、ウォーターゲート事件などの事例から、大統領とその側近がいかに優秀であっても、集団になると馬鹿げた意思決定をしてしまう現象(集団浅慮)を分析している。固定的な組織が似通った構成員により作られ、公平なリーダーシップがない状況で外部から強い圧力を受ける場合、全会一致の幻想を抱き、他人の勧告や他の情報を意図的に無視し、集団のコンセンサスを逸脱する議論に圧力をかける「全会一致への圧力」が生じるとする。

この結果、閉鎖的な仲の良い集団が、和を尊重しすぎるあまり、重大な意思決定に際して、不合理なリスキーシフトを起こす。リスキーシフトとは集団で討議したのち、意思決定がより危険性の高いものにシフトする心理法則・心理現象を指す[2]


関連項目[編集 | ソースを編集]

参考文献[編集 | ソースを編集]

  1. 内藤誼人『「場の空気」を読む技術』p.36-38
  2. 「日本的集団浅慮の研究・要約版」阿部孝太郎(小樽商科大学学術成果コレクション2006-12-25)[1]