視覚が認識できる平均フレームレート

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アイルランド国立大学ゴールウェイ校(NUIG)のケビン・ヒーリー(Kevin Healy)氏は、100種以上の生物を対象に「時間知覚」の能力を調査した。本研究は2022年12月20日に開催されたイギリス生態学会の年次総会(BES Annual Meeting 2022)で発表された。

https://www.britishecologicalsociety.org/events/bes-annual-meeting-2022/

主な動物の時間知覚
動物 フレームレート
ヒトデ 0.7Hz
ヒト 65Hz
75Hz
96Hz
すずめ 146Hz
とんぼ 300Hz

すべての動物が速い時間的知覚を持つわけではない。それはエネルギー的にコストがかかり、目の網膜細胞につながったニューロンが充電できる時間が限られているからだ。急速な視覚を必要としない動物は、このエネルギーを成長や生殖など他の必要なことに使っている。

この研究では「網膜電図(ERG)」という装置を使い、両目の眼球に電極をぶっ刺して、光を明滅させ、視神経が情報を送る速度を記録し、その結果、動物が光の点滅速度をどれだけ速く感知できるかを測定した。これは臨界フリッカー融合周波数として知られている。

なお、あくまで「平均」であり「最大値」ではない点に注意する必要がある。アスリートのような超人であればもっと上を狙えるし、老人であればもっと下の可能性もある。サッカーのゴールキーパーはより高い速度で変化を見ることができ、コーヒーを飲むと一時的にこの速度が少し上がることを示唆する研究もある。

ディスプレイの性能

この研究から一般的なテレビPC向けディスプレイリフレッシュレートである60Hzでは足りないことがわかります。一方でゲーミングディスプレイの144Hzや240Hzなどは過剰であることもわかります。

理想的な数値は、平均値の65Hzを超え、かつ映画の24Hzとテレビの60Hzの最小公倍数である「120Hz」だといえます。120Hzは人間には少々オーバースペックですが、24Hzや60Hzをアップスケーリング処理する際に120Hzであれば整数倍になるのでコンピューターに優しいという特徴があります。

またスマホのように処理能力や消費電力などの制約がある場合は「90Hz」または「75Hz」がバランス的に理想的であると思われます。

関連項目

外部リンク