「3D CAD」の版間の差分

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3D CADとは、3次元の設計図を書くことを目的としたソフトウェアの総称である。
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'''3D CAD'''(すりでぃー・きゃど)とは、3次元の設計図を書くことを目的とした[[ソフトウェア]]の総称である。
  
 
== 概要 ==
 
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3DCADは3DCGのモデラーと非常に似ている。
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3DCADは[[3DCG]]のモデラーと非常に似ている。3DCGのモデラーでは一般的に細かい数値を気にせず粘土細工のように伸ばした潰したりしてモデリングするのに対して、3DCADは直線や円弧などを組み合わせてモデリングを行う。大雑把にいえば[[2DCG]]でいう[[Photoshop]]と[[Illustrator]]の違いとほぼ同じである。
3DCGのモデラーでは一般的に細かい数値を気にせず粘土細工のように伸ばした潰したりしてモデリングするのに対して、3DCADは直線や円弧などを組み合わせてモデリングを行う。
 
大雑把にいえば2DCGでいうPhotoshopとIllustratorの違いとほぼ同じである。
 
  
 
3DCGと3DCADには一長一短で適材適所がある。
 
3DCGと3DCADには一長一短で適材適所がある。
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このためゲーム開発向けの3Dモデラー製品では[[LightWave]]と[[LWCAD]]のように両方を用意しているものもある。
 
このためゲーム開発向けの3Dモデラー製品では[[LightWave]]と[[LWCAD]]のように両方を用意しているものもある。
  
また、最近流行りの[[3Dプリンター]]では3DCADは必須アイテムとなる。
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また、最近流行りの[[3Dプリンター]]では3DCADが必須アイテムとなる。
3Dプリンターだけ買っても3DCADを買って絵を描かなければ何もでてこない。
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実のところ[[3Dプリンター]]を買っても3DCADを買って絵を描かなければ何もでてこない。
ただし3Dプリンターに対応しない3DCAD製品が存在しているのも事実であり選定には注意を要する。
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3Dプリンターに対応しない3DCAD製品が存在しているのも事実であり選定には注意を要する。
  
 
== 主な製品 ==
 
== 主な製品 ==
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; 評価
 
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[[Fusion 360]]は基本的にパーフェクトな機能が揃っている。FBXなどのエクスポートにはクラウド経由で処理されメールでダウンロードURLが送られてくるという面倒さがある。
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[[Fusion 360]]は基本的にパーフェクトな機能が揃っている。FBXなどのエクスポートにはクラウド経由で処理されメールでダウンロードURLが送られてくるという面倒さがある。最終出力を細かく確認する作業には向かない。有償プランはこれ1本でアドビの全製品を使える「Creative Cloud
最終出力を細かく確認する作業には向かない。しかし個人利用は無償という3Dプリンターを趣味で使う者にとっては唯一の選択肢といえる非常にありがたい存在である。
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コンプリートプラン」より高額である。その一方で「個人利用は無償」という3Dプリンターを趣味で使う者にとっては唯一の選択肢といえる非常にありがたい存在である。
  
 
=== SketchUp Make ===
 
=== SketchUp Make ===

2018年3月9日 (金) 01:14時点における版

3D CAD(すりでぃー・きゃど)とは、3次元の設計図を書くことを目的としたソフトウェアの総称である。

概要

3DCADは3DCGのモデラーと非常に似ている。3DCGのモデラーでは一般的に細かい数値を気にせず粘土細工のように伸ばした潰したりしてモデリングするのに対して、3DCADは直線や円弧などを組み合わせてモデリングを行う。大雑把にいえば2DCGでいうPhotoshopIllustratorの違いとほぼ同じである。

3DCGと3DCADには一長一短で適材適所がある。 ゲーム開発を例にすると、人物像などは粘土細工系の3DCGが向いており、背景などの構造物は直線直角に強い3DCADの方が捗る。 このためゲーム開発向けの3Dモデラー製品ではLightWaveLWCADのように両方を用意しているものもある。

また、最近流行りの3Dプリンターでは3DCADが必須アイテムとなる。 実のところ3Dプリンターを買っても3DCADを買って絵を描かなければ何もでてこない。 3Dプリンターに対応しない3DCAD製品が存在しているのも事実であり選定には注意を要する。

主な製品

FreeCAD

  • 価格: 無償(オープンソース)
  • 3Dプリンタ: 対応
  • ゲーム開発: 対応
評価

まだ未実装の機能があるものの非常に良好。

Fusion360

  • 価格: Adobe製品が良心的に思えるくらい高い(なんと個人利用は無償)
  • 3Dプリンタ: 対応
  • ゲーム開発: 微妙
    FBXでのエクスポートがクラウド経由
評価

Fusion 360は基本的にパーフェクトな機能が揃っている。FBXなどのエクスポートにはクラウド経由で処理されメールでダウンロードURLが送られてくるという面倒さがある。最終出力を細かく確認する作業には向かない。有償プランはこれ1本でアドビの全製品を使える「Creative Cloud コンプリートプラン」より高額である。その一方で「個人利用は無償」という3Dプリンターを趣味で使う者にとっては唯一の選択肢といえる非常にありがたい存在である。

SketchUp Make

  • 価格: 無償
  • 3Dプリンタ: 非対応
    STLおよびFBXでのエクスポート不可
  • ゲーム開発: 非対応
    FBXでのエクスポート不可
    DAEの出力がインチ単位固定でミリメートルで作図すると浮動小数点誤差でポリコンの接続が破綻している
評価

出力形式が独自形式とDAEだけなのでGoogle Earthに建造物をつくる以外の用途では使い物にならない。操作性は初心者向けで非常に良好。

SketchUp Pro

  • 価格: 有償(10万円ちょいするが3D CADの中では圧倒的に安い)
  • 3Dプリンタ: 対応
  • ゲーム開発: 対応
評価

SketchUp Makeと違いまともに使えるレベルになっている。ゲーム開発に必須となるボーンには非対応であるため可動部を実装するにはBlenderなどで最終的な加工を要する。 価格も10万円ちょいと一見すると高いがアドビが良心的に思えるほど高額な製品しかない業界なので実は非常に安い。趣味で使うのに買う価値があるかというと微妙。

関連項目

参考文献