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ASP.NET MVCフィルターとは、コントローラークラスやアクションメソッド(コントローラークラスのメソッド)に、属性(Attribute)もちいて処理を挿入する機能のことである。

目次

使い道の例編集

アクションごとにユーザー認証処理が「されている」「されていない」などの処理を書いていたのでは面倒、かつ本流ではないソースコードが入りまくり見通しが悪くなるのでフィルター化しておくと便利だという。

たとえばEditアクションはログインしているユーザーのみ使えるとする場合は、以下のようにEditアクションにAuthorizeフィルター(アトリビュート)を付ける。

[Authorize]
public ActionResult Edit(int id)
{
    //...
    return View();
}

ASP.NET MVCでは上記のAuthorize属性をはじめ、OutputCache属性やChildActionOnly属性、HandleError属性など、さまざまなフィルターがあらかじめ用意されている。またフィルターは自作することも可能である。

フィルターの種類編集

ASP.NET MVCのフィルターは大きく分けて、承認フィルター、アクションフィルター、結果フィルター、例外フィルターの4つに分けられる。

承認フィルター編集

IAuthorizationFilterインターフェイスを実装し、認証に関わる処理を記述する。

アクションフィルター編集

IActionFilterインターフェイスを実装し、アクションメソッドの実行前後で行われるべき処理を記述する。

結果フィルター編集

IResultFilterインターフェイスを実装し、ActionResultの実行前後(ビューエンジンの実行前後)に行われるべき処理を記述する。

例外フィルター編集

IExceptionFilterインターフェイスを実装し、例外発生時に行われるべき処理を記述する。

フィルターの実行順序編集

承認フィルター
 ↓
アクションフィルター前処理
 ↓
アクションメソッド
 ↓
アクションフィルター後処理
 ↓
結果フィルター前処理
 ↓
ビューエンジン
 ↓
結果フィルター後処理

その他:例外フィルター

標準フィルター編集

ASP.NET MVCにはあらかじめいくつかフィルターが用意されている。なお、MSDNのドキュメントでは「実装例」と繰り返し書かれてる。

  • AuthorizeAttribute - 承認フィルター
  • OutputCacheAttribute - 結果フィルター
  • HandleErrorAttribute - 例外フィルター


独自フィルター編集

自前の独自フィルターを作成するには、基本的にFilterAttributeクラスを継承し、前述のフィルターの種類に応じたインターフェイスを実装する。

たとえば標準フィルターのAuthorizeAttributeであれば以下のようになっている。

[AttributeUsageAttribute(AttributeTargets.Class|AttributeTargets.Method, Inherited = true, AllowMultiple = true)]
public class AuthorizeAttribute
  : FilterAttribute,      // FilterAttributeを継承して
    IAuthorizationFilter  // IAuthorizationFilterを実装する
{
    //...
}

なお、一般的なアクションフィルターであればActionFilterAttributeクラスという便利クラスもあるので、そちらを継承して使った方が手っ取り早い。

public class LoggingFilterAttribute : ActionFilterAttribute
{
    // アクションフィルター前処理
    public override void OnActionExecuting(ActionExecutingContext filterContext)
    {
        filterContext.HttpContext.Trace.Write(
            "(Logging Filter)Action Executing: "
            + filterContext.ActionDescriptor.ActionName);

        base.OnActionExecuting(filterContext);
    }

    // アクションフィルター後処理
    public override void OnActionExecuted(ActionExecutedContext filterContext)
    {
        if (filterContext.Exception != null)
        {
            filterContext.HttpContext.Trace.Write("(Logging Filter)Exception thrown");
        }

        base.OnActionExecuted(filterContext);
    }
}

関連項目編集

参考文献編集