「CPUクラスター」の版間の差分

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'''CPUクラスター'''とは、[[ARM]]で採用されている複数のCPUコアをまとめた制御単位である。
 
'''CPUクラスター'''とは、[[ARM]]で採用されている複数のCPUコアをまとめた制御単位である。
  
ARMでは「省電力で稼働する」「フルパワーで稼働する」などの制御は、コア単位ではなく、CPUクラスター単位で制御を行うことになる。
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== 概要 ==
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ARMでは「省電力で稼働する」「フルパワーで稼働する」などの制御は、コア単位ではなく、CPUクラスター単位で行われる。
  
 
1つのCPUクラスターは2コアから8コア程度で構成される。
 
1つのCPUクラスターは2コアから8コア程度で構成される。
  
[[スマホ]]などの[[カタログスペック]]には「8コアCPU搭載!」と書かれていても「高性能4コア+省電力4コア」という構成の場合は「最大4コアしか動かない」という制御の製品も多々存在する。それどころか「高性能2コア+高性能2コア+省電力2コア+省電力2コア」というクラスタ構成で最大2コアしか動かない製品もあるぞ。
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== 制御方針はメーカー任せ ==
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Androidを搭載したスマホでは同じCPUを搭載した機種でもメーカーごとにCPUクラスターの制御が異なる。CPUクラスターの制御方針はQualcommやMediaTekなどのCPUメーカーではなく、スマホメーカーが決める。
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同じCPUを搭載したスマホでもメーカーの設計方針によりCPUクラスターの制御は以下のような感じで異なってくる。
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* このスマホは省電力設計なので常に1クラスターしか動かない
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* このスマホは[[ゲーミング]]なので常に全クラスターがフルパワー
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もうひとつ注意点がある。
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メーカーごとに[[サーマルスロットリング]]の制御が異なるのである。
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* 高温時は1クラスターのみ稼働、かつ省電力モード
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* 高温時は1クラスターのみ稼働、かつ高性能モード
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* 高温時も全クラスター稼働、高性能モードで限界に挑戦する
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これが落とし穴であり、いわゆる有名所のベンチマークソフトでは見落とされる点である。
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[[サーマルスロットリング]]は「一定時間の高負荷状態を維持しないと発生しない」ので計測が短時間で終わってしまうような[[ベンチマーク]]では再現できないのである。
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これらを正確に計測するにはCPUとGPUが負荷100%状態で何十分も連続稼働させるようなベンチマークアプリが必要だが、そんなものみたことあるだろうか?
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つまり[[スマホ]][[カタログスペック]]や[[ベンチマーク]]だけで性能を推測するのは不可能である。
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店頭で無駄に負荷が高い3Dゲームあたりを[[インストール]]させてもらいゴリゴリ動かして自らの目で判断することを推奨する。

2019年11月8日 (金) 06:03時点における最新版

CPUクラスターとは、ARMで採用されている複数のCPUコアをまとめた制御単位である。

概要[編集 | ソースを編集]

ARMでは「省電力で稼働する」「フルパワーで稼働する」などの制御は、コア単位ではなく、CPUクラスター単位で行われる。

1つのCPUクラスターは2コアから8コア程度で構成される。

制御方針はメーカー任せ[編集 | ソースを編集]

Androidを搭載したスマホでは同じCPUを搭載した機種でもメーカーごとにCPUクラスターの制御が異なる。CPUクラスターの制御方針はQualcommやMediaTekなどのCPUメーカーではなく、スマホメーカーが決める。

同じCPUを搭載したスマホでもメーカーの設計方針によりCPUクラスターの制御は以下のような感じで異なってくる。

  • このスマホは省電力設計なので常に1クラスターしか動かない
  • このスマホはゲーミングなので常に全クラスターがフルパワー

もうひとつ注意点がある。 メーカーごとにサーマルスロットリングの制御が異なるのである。

  • 高温時は1クラスターのみ稼働、かつ省電力モード
  • 高温時は1クラスターのみ稼働、かつ高性能モード
  • 高温時も全クラスター稼働、高性能モードで限界に挑戦する

これが落とし穴であり、いわゆる有名所のベンチマークソフトでは見落とされる点である。 サーマルスロットリングは「一定時間の高負荷状態を維持しないと発生しない」ので計測が短時間で終わってしまうようなベンチマークでは再現できないのである。

これらを正確に計測するにはCPUとGPUが負荷100%状態で何十分も連続稼働させるようなベンチマークアプリが必要だが、そんなものみたことあるだろうか?

つまりスマホカタログスペックベンチマークだけで性能を推測するのは不可能である。 店頭で無駄に負荷が高い3Dゲームあたりをインストールさせてもらいゴリゴリ動かして自らの目で判断することを推奨する。