パンタグラフキーボード

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パンタグラフキーボード英語:Pantograph Keyboard)とは、菱形の収縮機構(パンタグラフ)をキーの支えとして用いるキーボードのことである。

なお、パンタグラフキーボードは日本独自の呼称(いわゆる和製英語)であり、海外では「シザーキーボード(Scissor switch Keyboard)」と言ったほうが通じる。

概要[編集 | ソースを編集]

左右2組の菱形の支えと、中央に反発力を得るための小さなラバードームを組み合わせてひとつのキーとしているものが一般的である。エンターキーなどの大きなキーの場合にはスタビライザーという曲がった針金でキーが斜めに押下され、入力が無反応になることを防いでいるものもある。

均等圧力[編集 | ソースを編集]

パンタグラフと呼ばれる菱形の屈折する柱を用いることで、キートップのどの部分を押しても接点に対し均等に圧力がかかり、正確な打鍵をすることができる。

浅いキーストローク[編集 | ソースを編集]

また、つぶれた菱形状という構造上の理由により、キーストロークは浅く、軽くなる傾向が強い。その特性から薄いことが求められるノートパソコンを中心に広く採用されている。

耐久性[編集 | ソースを編集]

パンタグラフキーボードは耐久性を確保することが難しい。多くのパンタグラフキーボードでは圧力均等化のためのパンタグラフ機構と、その内側に反発力を得るための小さなラバードームを組み合わせており、キーストロークにかかわる大部分をラバードームのみでまかなう。パンタグラフキーボードでは、劣化が激しいと言われるメンブレンキーボードと比べても、さらにラバードーム部分が小さく薄くなるため、その大きさ薄さに比例して劣化もさらに早くなってしまう。当然のようにコニックリング(円錐スプリング)を仕込んである静電容量無接点キーボードメカニカルキーボードの耐久性には遠く及ばない。

パンタグラフキーボードはどんなに大切に使っても3~6ヶ月も持てば良い方であり、プログラマーのように毎日朝から晩までキーボード打鍵し続けるような状況だと1~2ヶ月もすれば俗に言うベコベコな状態となる。

価格[編集 | ソースを編集]

パンタグラフキーボードは、メンブレンキーボードラバードームを削減して、代わりに補助軸を付けたようなものであり、構造が比較的単純であるため、その価格も安い製品が中心である。

一部のプログラマーの間では耐久性の高いRealforceHappy Hacking Keyboardなどの高級キーボードを1枚買うのではなく、収納性の良いパンタグラフキーボードをロット単位でまとめ買いしておき、2~3ヶ月程度で使い捨てるのが良いとする意見も少なからず見受けられる。

その他[編集 | ソースを編集]

一見するとパンタグラフキーボードに見えるが、実は静電容量無接点キーボードだというRealforceのOEM品があるらしい。詳細な構造は不明。

関連項目[編集 | ソースを編集]

参考文献[編集 | ソースを編集]