MITライセンス

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MITライセンス (英語:The MIT License)とは、マサチューセッツ工科大学(MIT)を起源とする代表的なフリーソフトウェアライセンスである。

概要[編集 | ソースを編集]

MITライセンスはBSDライセンスをベースに作成されたBSDスタイルのライセンスの一つであり、2条項BSDライセンスとほぼ同じような内容である。MITライセンスはGPLなどとは異なり、コピーレフトではなく、オープンソースであるかないかに関わらず再利用を認めている。

MITライセンスは、MITが音頭を取って結成されたXコンソーシアムによって、表向きはX Window Systemのために作成されたものである。このためMIT/X11 LicenseX11 Licenseなどとも呼ばれることがある。

なお、Xコンソーシアムの実体は反コピーレフト団体であり、MITライセンスの裏の顔はGPL撲滅のために作られたものであるとGNUプロジェクトの指導者であるリチャード・ストールマンは主張している[1]

原文[編集 | ソースを編集]

The MIT License (MIT)

Copyright (c) <year> <copyright holders>

Permission is hereby granted, free of charge, to any person obtaining a copy of this software and associated documentation files (the "Software"), to deal in the Software without restriction, including without limitation the rights to use, copy, modify, merge, publish, distribute, sublicense, and/or sell copies of the Software, and to permit persons to whom the Software is furnished to do so, subject to the following conditions:

The above copyright notice and this permission notice shall be included in all copies or substantial portions of the Software.

THE SOFTWARE IS PROVIDED "AS IS", WITHOUT WARRANTY OF ANY KIND, EXPRESS OR IMPLIED, INCLUDING BUT NOT LIMITED TO THE WARRANTIES OF MERCHANTABILITY, FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE AND NONINFRINGEMENT. IN NO EVENT SHALL THE AUTHORS OR COPYRIGHT HOLDERS BE LIABLE FOR ANY CLAIM, DAMAGES OR OTHER LIABILITY, WHETHER IN AN ACTION OF CONTRACT, TORT OR OTHERWISE, ARISING FROM, OUT OF OR IN CONNECTION WITH THE SOFTWARE OR THE USE OR OTHER DEALINGS IN THE SOFTWARE.

[2]

和訳[編集 | ソースを編集]

The MIT License

Copyright (c) <year> <copyright holders>

以下に定める条件に従い、本ソフトウェアおよび関連文書のファイル(以下「ソフトウェア」)の複製を取得するすべての人に対し、ソフトウェアを無制限に扱うことを無償で許可します。これにはソフトウェアの複製を取得するすべての人に、使用(use)、複写(copy)、変更(modify)、結合(merge)、掲載(publish)、頒布(distribute)、サブライセンス(sublicense)の発行、および/またはソフトウェアの複製を販売する権利、およびソフトウェアを提供する相手に同じことを許可する権利も無制限に含まれます。

上記の著作権表示および本許諾表示を、ソフトウェアのすべての複製または重要な部分に記載するものとします。

ソフトウェアは「現状のまま」で、明示であるか暗黙であるかを問わず、何らの保証もなく提供されます。ここでいう保証とは、商品性、特定の目的への適合性、および権利非侵害についての保証も含みますが、それに限定されるものではありません。 作者または著作権者は、契約行為、不法行為、またはそれ以外であろうと、ソフトウェアに起因または関連し、あるいはソフトウェアの使用またはその他の扱いによって生じる一切の請求、損害、その他の義務について何らの責任も負わないものとします。

要約[編集 | ソースを編集]

  1. このソフトウェアを誰でも無償で無制限に扱って良い。ただし著作権表示および本許諾表示をソフトウェアのすべての複製、または重要な部分に記載しなければならない。
  2. 作者または著作権者はソフトウェアに関してなんら責任を負わない。

主な採用事例[編集 | ソースを編集]

MITライセンスは、数あるライセンスの中でも非常に制限の緩いライセンスであり、ライセンス感染も発生しないため、商用利用・非商用利用を問わず、さまざまな用途に広く使われるであろうクラスライブラリを中心に採用されている傾向が強い。

一方で開発リソースが分散しても混乱を招くだけで特に良いことなどないプログラミング言語自体のコンパイラインタプリタランタイムライブラリ)などでの採用事例は少ない。

関連項目[編集 | ソースを編集]

参考文献[編集 | ソースを編集]