Mono

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Mono(モノ)は、GNOMEプロジェクト創設者のミゲル・デ・イカザが開発した、Ecma標準に準じた.NET Framework互換の環境を実現するためのオープンソースソフトウェア群、またそのプロジェクト名である。

現在はXamarin社が開発、販売、サポート業務を行っている。

共通言語基盤 (CLI) の実装やC#コンパイラなどが含まれる。

動作プラットフォーム

Monoはマルチプラットフォームであり、LinuxFreeBSDMac OS XSolarisWindowsで動作する。

その他にも、特定プラットフォーム向けに特化したサブプロジェクトも存在する。

プロジェクトの目標

マイクロソフトFreeBSDWindowsMac OS Xで動作するシェアードソースCLIというCLIの実装を公開しているが、マイクロソフトのシェアードソースライセンスは商用利用が禁止されているなど、コミュニティにとって十分とはいえない。MonoプロジェクトはPortable.NETプロジェクトとさまざまな点で共通した目標を掲げている。

Monoプロジェクトの公式発表ではないが、その主導者であり「C++はクソ、C言語最高」と言わんばかりにGObjectやGTK+などを推し進めていたミゲル・デ・イカザ氏の言葉として「Cでプログラミングするには人生は短すぎる」という標語が掲げられている。

Monoランタイム

Monoのランタイム(Mono Runtime Environment)は多くのプロセッサで動作するJITコンパイラを搭載している。JITコンパイラアプリケーションの実行中に共通中間言語CIL) コードをネイティブコードに変換し、それらをキャッシュする。実行前にネイティブコードに変換し、キャッシュしておくことも可能である。

JITコンパイラが対応するプロセッサはx86、SPARC、PowerPC、ARM、System/390(32および64ビット)、AMD64、IA-64、64ビットモードSPARCである。それ以外のシステムでは、ネイティブコードに変換するのではなくインタプリタによって逐次バイトコードが実行される。ほとんどの状況で、JITコンパイラによる方法はインタプリタよりもパフォーマンスの点で勝っている。

またマイクロソフト純正の.NET FrameworkではサポートされていないSIMDへの対応など、Mono独自の革新的な機能の取り込みも積極的に行われている。

歴史

2000年12月にEcma Internationalにより.NET Frameworkドキュメントが公開されると、Monoプロジェクトの創始者であるミゲル・デ・イカザは.NET技術に興味を魅かれた。バイトコードインタプリタを調べてみると、彼はメタデータに関する仕様が存在しないことに気がついた。

2001年2月、彼は.NETメーリングリストにおいて不足している情報を公開するよう求め、同時にC#の習得のため、C#で書かれたC#コンパイラの開発に着手した。

2001年4月、Ecma Internationalは不足していたファイル形式を公開し、デ・イカザは世界最大のGNOMEの祭典であるGUADEC(2001年4月6日~4月8日)において彼の開発したC#コンパイラのデモンストレーションを行った(それは自分自身の解析が可能であった)。

同時期、GNOMEの事実上の開発母体であったXimian社では、生産性を向上するためのツールを開発するための会議が内部的に行われていた。実現可能性の調査の結果、そのような技術は構築可能であるという結論に至り、Ximianは他のプロジェクトからスタッフを集め、Monoチームを結成した。しかしXimian内部だけで.NETと同等のものを作るには人材が不足していたため、Monoをオープンソースプロジェクトとした。これは2001年7月19日、オライリーカンファレンスによって発表された。

それから3年近く経った2004年6月30日、Mono 1.0がリリースされた。

プロジェクト名の由来

monoはスペイン語で猿を意味するため、Monoのロゴには猿が描かれている。猿に関する名称はXimianの他のプロジェクトにも見られる。 Mono FAQでは、名称の由来に関する質問に対して「我々は猿が好きなのです。」 (We like monkeys.) と回答している[1]


関連項目

外部リンク

参考文献