ページ「カタログスペック」と「DockPort」の間の差分
(→関連項目) |
(ページの作成:「'''DockPort'''(読み:どっくぽーと)とは、VESAが策定するDisplayPortの公式拡張規格で、映像信号専用であったDisplayPort...」) |
||
1行目: | 1行目: | ||
− | ''' | + | '''DockPort'''(読み:どっくぽーと)とは、[[VESA]]が策定する[[DisplayPort]]の公式拡張規格で、映像信号専用であった[[DisplayPort]]に、[[USB]]互換のデータ通信と電源供給を搭載したものである。 |
+ | <ref>[http://news.mynavi.jp/articles/2014/01/09/ces07/ CES 2014 - AMDが次期SoC「Mullins」で採用するThunderboltライクな新I/O「DockPort」 - VESA標準のDP拡張規格]</ref> | ||
+ | <ref>[http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/event/20140110_630308.html 【AMDブース編】モバイル向けRadeon R9/R7/R5 M200とMantle対応Catalyst 14.1 ~VESAが策定したDockPortの意外な正体とは]</ref> | ||
== 概要 == | == 概要 == | ||
− | + | DockPortは、[[DisplayPort]]の[[インターフェース]]を利用して、[[USB]]互換のデータ通信と電源供給を搭載したものである。 | |
− | + | DockPortはもともと[[AMD]]によって開発されていた開発コード「[[Lightning bolt]]」の名前で知られていたものである。2013年11月に[[AMD]]が開催したイベント「APU開発者会議」のなかで、その技術と権利を[[VESA]]に譲渡し[[標準規格]]化を行い、「DockPort」という名称にするとが発表された。 | |
− | + | 似たような規格としては、[[インテル]]と[[アップル]]が[[DisplayPort]]を非公式に拡張し、[[PCI Express]]互換のデータ通信を搭載した[[Thunderbolt]]が有名である。 | |
− | == | + | == 利点 == |
− | + | 2014年1月時点での[[USB]]は電源供給がとても強力([[USB PD]]、最大100W)であり、たとえば[[電源]]と[[USBハブ]]を兼ね備えた[[液晶ディスプレイ]]にDockPortケーブル1本を接続するだけで、ディスプレイ出力も、データ転送も、電源供給もまとめて利用できる優れものである。 | |
− | |||
− | + | DockPortは、[[VESA]]および[[USB]]の掟に従い[[ロイヤリティフリー]]である。製品開発に際して[[ライセンス契約]]などを個別に行う必要がなく、誰もが自由にDockPort関連製品の開発を行える。ロイヤリティフリーという[[USB]]の掟は、[[USB]]が[[IEEE1394]]を圧倒した最大の理由であると言われている。 | |
− | |||
− | == | + | また、DisplayPort下位互換であるため、DockPortディスプレイなどで映像出力だけであれば既存の[[DisplayPort]]でも利用できる。 |
− | + | ||
+ | == 欠点 == | ||
+ | DockPortのデータ通信プロトコルは[[USB 3.0]]であり、したがってデータ転送速度は[[USB 3.0]]と同じである。[[Thunderbolt]]と比べると約半分程度と遅いという欠点がある。 | ||
+ | |||
+ | なお、映像信号は[[DisplayPort]]互換部分で送受信されるためこの制限を受けない。現状の[[USB 3.0]]でも[[HDD]]や[[SSD]]くらいしか拡張された通信速度の恩恵を受けておらず、あまり大きな問題になりそうにはない。 | ||
== 関連項目 == | == 関連項目 == | ||
− | * [[ | + | *[[Thunderbolt]] |
− | * [[ | + | *[[USB]] |
+ | *[[USB PD]] | ||
== 参考文献 == | == 参考文献 == |
2014年1月15日 (水) 04:27時点における版
DockPort(読み:どっくぽーと)とは、VESAが策定するDisplayPortの公式拡張規格で、映像信号専用であったDisplayPortに、USB互換のデータ通信と電源供給を搭載したものである。 [1] [2]
概要
DockPortは、DisplayPortのインターフェースを利用して、USB互換のデータ通信と電源供給を搭載したものである。
DockPortはもともとAMDによって開発されていた開発コード「Lightning bolt」の名前で知られていたものである。2013年11月にAMDが開催したイベント「APU開発者会議」のなかで、その技術と権利をVESAに譲渡し標準規格化を行い、「DockPort」という名称にするとが発表された。
似たような規格としては、インテルとアップルがDisplayPortを非公式に拡張し、PCI Express互換のデータ通信を搭載したThunderboltが有名である。
利点
2014年1月時点でのUSBは電源供給がとても強力(USB PD、最大100W)であり、たとえば電源とUSBハブを兼ね備えた液晶ディスプレイにDockPortケーブル1本を接続するだけで、ディスプレイ出力も、データ転送も、電源供給もまとめて利用できる優れものである。
DockPortは、VESAおよびUSBの掟に従いロイヤリティフリーである。製品開発に際してライセンス契約などを個別に行う必要がなく、誰もが自由にDockPort関連製品の開発を行える。ロイヤリティフリーというUSBの掟は、USBがIEEE1394を圧倒した最大の理由であると言われている。
また、DisplayPort下位互換であるため、DockPortディスプレイなどで映像出力だけであれば既存のDisplayPortでも利用できる。
欠点
DockPortのデータ通信プロトコルはUSB 3.0であり、したがってデータ転送速度はUSB 3.0と同じである。Thunderboltと比べると約半分程度と遅いという欠点がある。
なお、映像信号はDisplayPort互換部分で送受信されるためこの制限を受けない。現状のUSB 3.0でもHDDやSSDくらいしか拡張された通信速度の恩恵を受けておらず、あまり大きな問題になりそうにはない。