Wikipedia Zero
概要
Wikipedia Zeroは、ウィキペディアを運営するウィキメディア財団が、新興国におけるウィキペディアへの無料アクセスを実現するために立ち上げたプロジェクトで、ウィキペディア財団と各国の携帯電話キャリアが業務提携をすることで実現している。ウィキペディア財団と業務提携を結ぶ携帯電話キャリアの回線から「m.wikipedia.org」または「zero.wikipedia.org」にアクセスした場合にデータ通信料すらも無料でウィキペディアを利用できることになる。
新興国では携帯電話は唯一の通信インフラであるため先進国以上に普及しているが、そのほとんどがプリペイド式携帯電話であり、ほぼ通話専用でパケット通信についてはほぼ利用されていない。そのような環境の人々に対して「すべての人に無料で知識を」というウィキメディア財団の理念の下、2012年にアフリカのウガンダから開始され、その後、アジアではマレーシア、インドネシア、パキスタン、スリランカに展開されている。現在では世界17ヶ国、約5億人がウィキペディアに携帯電話から無料でアクセス可能となっている。
なお、通常版と異なり、編集にはユーザー登録が必須であり、匿名での編集はできない。
公式アプリ
これらの国々ではスマートフォンなどでChromeやSafariなどのブラウザを立ち上げて、GoogleやYahooなどの検索エンジンを経由して(ここが有料なため)、Wikipediaにたどり着くというのは非常に難しいルートである。
そこでウィキペディア公式アプリ「ウィキペディアモバイル」がiOS[1]やAndroid[2]向けの公式アプリとして発表され、これを利用する方法が推奨されている。
これらは当初PhoneGapを利用して開発されていたが、新興国向けのスマートフォンの性能を考慮すると中間コードでは非常に重たいという現実に直面し、2014年6月にAndroid版が、2014年8月にiOS版が、ネイティブコードで全面的に書き換えられた。