ストラクチャードライト

ストラクチャードライトとは、深度センサーの距離計測の方式のひとつで、プロジェクタから被写体に格子やストライプなどの光(目に見えない赤外線など)を投影し、その変形をカメラで撮影・解析することで計測する方式です。

初代Kinectに採用された方式です。

原理とシステム構成 編集

プロジェクタで投影したパターン光が被写体の凹凸で変形し、その変形パターンを同期カメラでキャプチャします。 パターンの変形情報と装置間の幾何情報(基線長)から三角測量により各画素の深度(Z座標)を計算します。

パターン投影手法 編集

  • グレイコード法:複数ビットのパターンを連続投影し、パタン識別を高精度化
  • 位相シフティング法:正弦波状の周期パターンを段階的にずらして複雑形状を高精度に計測
  • バイナリパターン:高速スキャン用途で単純なオン/オフパターンを利用

これらを組み合わせることで、被写体表面の形状だけでなく、色や反射率情報(RGBカラー)を同時に取得することも可能です。

利点 編集

高い空間分解能

パターンの歪みをピクセル単位で解析するため、サブミリメートル~ミリメートルオーダーの詳細形状取得が可能。

自由度の高いパターン設計

グレイコードや位相シフト、バイナリパターンなど複数手法を組み合わせることで、被写体や用途に応じた最適化が行える。

表面欠損点が少ない

ToFやステレオ法に比べて遮蔽や低反射部が「見えない点」になりにくく、隅々まで検査・モデリングしやすい。

カラー情報との同時取得

RGBプロジェクタ+カメラを使えば、形状だけでなく色・反射率マップも同時に記録できる。

欠点 編集

動的シーン計測の限界

数十~数百ミリ秒の複数フレームを要するため、被写体が動くとアーチファクトや形状歪みが発生しやすい。

環境光の影響を受けやすい

パターンのコントラストが低下すると深度精度が落ちるため、屋外や強い周辺光がある環境では制約が大きい。

測定距離・視野のトレードオフ

高精度を狙うほど投影パターンの解像度を上げる必要があり、近距離では優れる一方、数メートル先まで延ばすと計測誤差が拡大する。

システム構築コスト・複雑さ

キャリブレーションや光学アライメントの手間が大きく、プロトタイプから量産機までの立ち上げに専門知識と時間を要する。