「Wi-Fiルーターのスペック表の読み方」の版間の差分
Administrator (トーク | 投稿記録) (→結論) |
Administrator (トーク | 投稿記録) (→CPU) |
||
(同じ利用者による、間の5版が非表示) | |||
2行目: | 2行目: | ||
== CPU == | == CPU == | ||
− | + | ルーターの[[CPU]]は主に「ルーティングの性能」に関係します。 | |
CPUはWANとLANの変換の速度、大雑把にいえばインターネット回線側の性能をどこまで引き出せるかを決めるものです。逆をいえばLAN内部での通信にはほとんど影響を与えません。有線LANにも若干の影響を与えますが同一ネットワークで変換処理をしない場合はほとんど負荷になりません。 | CPUはWANとLANの変換の速度、大雑把にいえばインターネット回線側の性能をどこまで引き出せるかを決めるものです。逆をいえばLAN内部での通信にはほとんど影響を与えません。有線LANにも若干の影響を与えますが同一ネットワークで変換処理をしない場合はほとんど負荷になりません。 | ||
− | + | 2024年時点では[[家電量販店]]や[[アマゾン]]などで3000〜4000円程度で売られているWi-Fiルーターでも5Gbps前後のルーティング性能があります。ちなみにファイヤーウォールのルールを複雑に設定すると半分の2.5Gbps程度まで性能低下します。どちらにしろ一般的な1Gbpsのインターネット回線ではまったく気にする必要のない部品となります。 | |
一方でインターネット回線が10Gbpsの場合はその性能を引き出すのに最重要なパーツとなります。 | 一方でインターネット回線が10Gbpsの場合はその性能を引き出すのに最重要なパーツとなります。 | ||
43行目: | 43行目: | ||
重量が重いほど高性能です。 | 重量が重いほど高性能です。 | ||
なぜなら[[ヒートシンク]]が大きいからです。 | なぜなら[[ヒートシンク]]が大きいからです。 | ||
− | |||
重量が軽い、すなわちヒートシンクが小さいと[[CPU]]や[[Wi-Fiコントローラー]]がいくら高性能でもすぐに[[サーマルスロットリング]]を引き起こしてまったく性能がでません。 | 重量が軽い、すなわちヒートシンクが小さいと[[CPU]]や[[Wi-Fiコントローラー]]がいくら高性能でもすぐに[[サーマルスロットリング]]を引き起こしてまったく性能がでません。 | ||
49行目: | 48行目: | ||
Wi-Fiルーターの性能比較は「'''重量'''」で比べるのがもっとも簡単な方法です。 | Wi-Fiルーターの性能比較は「'''重量'''」で比べるのがもっとも簡単な方法です。 | ||
[[カタログスペック]]の一番下に小さく書いてある「寸法と重量」を見ましょう。 | [[カタログスペック]]の一番下に小さく書いてある「寸法と重量」を見ましょう。 | ||
+ | ほかの項目は見なくていいです。 | ||
+ | |||
+ | Wi-Fiルーターは'''重量が重いほど高性能'''です。 | ||
− | + | <amazon>WIFI ルーター 重さ</amazon> | |
==関連項目 == | ==関連項目 == |
2024年3月21日 (木) 08:51時点における最新版
まず昨今のWi-FiルーターはLinuxやFreeBSDなどを搭載したミニPCみたいなものがほとんどです。そのうえで各部品がどの性能に影響するかを見ていきましょう。
CPU[編集 | ソースを編集]
ルーターのCPUは主に「ルーティングの性能」に関係します。
CPUはWANとLANの変換の速度、大雑把にいえばインターネット回線側の性能をどこまで引き出せるかを決めるものです。逆をいえばLAN内部での通信にはほとんど影響を与えません。有線LANにも若干の影響を与えますが同一ネットワークで変換処理をしない場合はほとんど負荷になりません。
2024年時点では家電量販店やアマゾンなどで3000〜4000円程度で売られているWi-Fiルーターでも5Gbps前後のルーティング性能があります。ちなみにファイヤーウォールのルールを複雑に設定すると半分の2.5Gbps程度まで性能低下します。どちらにしろ一般的な1Gbpsのインターネット回線ではまったく気にする必要のない部品となります。
一方でインターネット回線が10Gbpsの場合はその性能を引き出すのに最重要なパーツとなります。
Wi-Fiコントローラー[編集 | ソースを編集]
Wi-Fiコントローラーは「無線LANの性能」に関係します。 Wi-Fiの通信速度はこの部品で決まります。 CPUがどんなに高性能でもここがポンコツだと性能がでません。
2024年時点のほとんどのWi-Fiルーターは内部にノートパソコン用などと同じミニPCI Expressカードを搭載しているだけです。
世の中にはWi-Fiルーターを分解し、ミニPCI ExpressのWi-Fiコントローラーを取り外してビデオカードを付けている変人もいます。
アンテナ[編集 | ソースを編集]
日本向けの製品は電波法で電波出力が決まっているのでアンテナを増強したところで誤差みたいなものです。 ほとんど性能に影響はありません。 そもそも電波が飛ばないと困っているなら安いメッシュルーターを大量導入した方が確実です。
フラッシュメモリ[編集 | ソースを編集]
Wi-FiルーターのフラッシュメモリはパソコンでいうHDDやSSDにあたる部品です。 ここが大きいとLinuxを入れて色々できますが、一般人はそんなことしないので32MBもあれば十分です。 Linuxを入れる人は128MBあると楽しくなり、256MBもあれば無敵です。
メモリ[編集 | ソースを編集]
ルーターはメモリを大量に必要とする製品ではありません。 純粋なルーターとして見た場合は128MBでまず困りません。
昨今のルーターでは「CPUにメモリも内蔵」という製品ばかりで基板上にはメモリチップがない製品がほとんどです。 そのためメモリ増設はハンダゴテやヒートガンを持ってしても無理です。
なお、昨今ではメモリが多いほど不安定な傾向があります。これは「メモリが多い=余計な機能が多い」ということを意味しており、結果としてその余計な機能が不安定さを引き起こしているためです。
重さ[編集 | ソースを編集]
Wi-Fiルーターの性能を決定づける最重要な要素は「重さ」です。 重量が重いほど高性能です。 なぜならヒートシンクが大きいからです。 重量が軽い、すなわちヒートシンクが小さいとCPUやWi-Fiコントローラーがいくら高性能でもすぐにサーマルスロットリングを引き起こしてまったく性能がでません。
結論[編集 | ソースを編集]
Wi-Fiルーターの性能比較は「重量」で比べるのがもっとも簡単な方法です。 カタログスペックの一番下に小さく書いてある「寸法と重量」を見ましょう。 ほかの項目は見なくていいです。
Wi-Fiルーターは重量が重いほど高性能です。