「プログレッシブダウンロード」の版間の差分

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なお、[[JPEG]]や[[PNG]]、[[GIF]]などの画像データが[[モザイク]]状から徐々に完全体になるのもプログレッシブダウンロードである。[[JPEG]]の場合は保存時に[[プログレッシブJPEG]]形式で保存する必要がある。
 
なお、[[JPEG]]や[[PNG]]、[[GIF]]などの画像データが[[モザイク]]状から徐々に完全体になるのもプログレッシブダウンロードである。[[JPEG]]の場合は保存時に[[プログレッシブJPEG]]形式で保存する必要がある。
  
== プログレッシブダウンロードとストリーミング ==
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== ストリーミングとプログレッシブダウンロード ==
[[ストリーミング]]では送信者から受信者へ一方的に[[データ]]を送り付けることで実現している。通信経路で[[パケット]]をロスしたら無かったことにするという、いうなれば[[ストリーミング]]は[[テレビ]]や[[ラジオ]]などの一方的な配信を[[インターネット]]上に構築したものであり、[[ストリーミング]]は主に[[ライブチャット]]をはじめとした生放送系のシステムで使われる技術である。
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[[ストリーミングとプログレッシブダウンロード]]」のページを参照。
  
一方、プログレッシブダウンロードはあくまで送受信側が相互にコミュニケーションをとる一般的な[[ダウンロード]]処理であり、追っかけ再生を行うことで[[ストリーミング]]と同じような操作感を再現したものである。
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== 著作権問題 ==
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プログレッシブダウンロードの実態は通常の[[ダウンロード]]処理であり、ダウンロードが完了した部分から追っかけ再生を行うことで[[ストリーミング]]に近い感覚を実現しているものである。
  
たとえば動画配信において何らかの理由により一時的に通信が困難になったとすると、[[ストリーミング]]では[[パケットロス]]によりその期間の映像は失われるが、プログレッシブダウンロードでは通信が止まった部分から[[ダウンロード]]を再開することで完全な映像を見ることができる。
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プログレッシブダウンロードでは、一度[[ダウンロード]]した部分はローカル上の[[キャッシュ]]を利用することで通信することなく利用することもできる。
  
=== 著作権問題 ===
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そのことが原因で著作権の観点から見て、著作物をプログレッシブダウンロードした場合は建前上は見えないキャッシュファイルであることが多いが、現実的には全てのダウンロードが完了した時点で完全な[[ファイル]]として恒久的にアクセスできる状況にあるため問題となりつつある。
また、プログレッシブダウンロードの実態は通常のダウンロード処理であるため、一度[[ダウンロード]]した部分はローカル上のキャッシュを利用することで通信することなく利用することもできる。そのことが原因で著作権の観点から見て著作物をプログレッシブダウンロードした場合に建前上は見えないキャッシュファイルであることが多いが、現実的には通常のファイルとして恒久的にアクセスできる状況にあるため問題になりつつある。
 
  
=== 主なプロトコルと実装 ===
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== 主なプロトコルと実装 ==
 
プログレッシブダウンロードと[[ストリーミング]]はその特性の違いにより、[[ストリーミング]]は[[UDP/IP]]との相性が良く、プログレッシブダウンロードは[[TCP/IP]]との相性が良いと言われている。そのため[[TCP/IP]]上に構築された[[HTTP]]を使う[[ウェブ]]の世界では、その構築の容易さや、一般市販されている[[ルーター]]などでは初期設定で[[HTTP]]通信が許可されており[[ファイアーウォール]]など超えやすく、また圧倒的な勢力を誇る[[Adobe]]の[[Flash]]が標準でプログレッシブダウンロードに対応した[[クライアント]]としての機能を持っており簡単に実装できるという理由から、プログレッシブダウンロードが広く使われている。
 
プログレッシブダウンロードと[[ストリーミング]]はその特性の違いにより、[[ストリーミング]]は[[UDP/IP]]との相性が良く、プログレッシブダウンロードは[[TCP/IP]]との相性が良いと言われている。そのため[[TCP/IP]]上に構築された[[HTTP]]を使う[[ウェブ]]の世界では、その構築の容易さや、一般市販されている[[ルーター]]などでは初期設定で[[HTTP]]通信が許可されており[[ファイアーウォール]]など超えやすく、また圧倒的な勢力を誇る[[Adobe]]の[[Flash]]が標準でプログレッシブダウンロードに対応した[[クライアント]]としての機能を持っており簡単に実装できるという理由から、プログレッシブダウンロードが広く使われている。
  

2012年6月27日 (水) 15:20時点における版

プログレッシブダウンロード(英: progressive download)とは、静止画動画音楽などのファイルダウンロードしつつ、その一部を受信した時点で表示再生を行う手法のことである。

ストリーミングと非常に似ているため、疑似ストリーミングとも呼ばれるが、技術的にまったく異なるものである。

プログレッシブダウンロードは、YouTubeニコニコ動画FC2動画などの動画配信サイトが採用している方式である。なお、ニコニコ生放送FC2ライブはプログレッシブダウンロードではなくストリーミングである。基本的に生放送系はストリーミング、録画系はプログレッシブダウンロードと思って間違いない。

なお、JPEGPNGGIFなどの画像データがモザイク状から徐々に完全体になるのもプログレッシブダウンロードである。JPEGの場合は保存時にプログレッシブJPEG形式で保存する必要がある。

ストリーミングとプログレッシブダウンロード

ストリーミングとプログレッシブダウンロード」のページを参照。

著作権問題

プログレッシブダウンロードの実態は通常のダウンロード処理であり、ダウンロードが完了した部分から追っかけ再生を行うことでストリーミングに近い感覚を実現しているものである。

プログレッシブダウンロードでは、一度ダウンロードした部分はローカル上のキャッシュを利用することで通信することなく利用することもできる。

そのことが原因で著作権の観点から見て、著作物をプログレッシブダウンロードした場合は建前上は見えないキャッシュファイルであることが多いが、現実的には全てのダウンロードが完了した時点で完全なファイルとして恒久的にアクセスできる状況にあるため問題となりつつある。

主なプロトコルと実装

プログレッシブダウンロードとストリーミングはその特性の違いにより、ストリーミングUDP/IPとの相性が良く、プログレッシブダウンロードはTCP/IPとの相性が良いと言われている。そのためTCP/IP上に構築されたHTTPを使うウェブの世界では、その構築の容易さや、一般市販されているルーターなどでは初期設定でHTTP通信が許可されておりファイアーウォールなど超えやすく、また圧倒的な勢力を誇るAdobeFlashが標準でプログレッシブダウンロードに対応したクライアントとしての機能を持っており簡単に実装できるという理由から、プログレッシブダウンロードが広く使われている。

ただし、ストリーミングと言えばUDP/IPというわけでもなく、あくまで限られた範囲において効率的かつ相性が良いだけなので、Flashなどを噛ますことでHTTPで強引にストリーミングを実現するという手法や、RTSPReal Time Streaming Protocol)のように強引にHTTP自体を拡張することで実現しているものもあるもある。これらはアダルトチャットを筆頭としたライブチャット界隈では広く使われており、とくにFlash Media Streaming Serverは圧倒的な勢力となっている。

なお、Silverlightで使われているSmooth Streamingという技術はその名称に「ストリーミング」とあるが実体はプログレッシブダウンロードである[1]

関連項目

参考文献

外部リンク