「USBスピーカー」の版間の差分
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− | [[音声信号]]自体は[[映像信号]]などに比べて[[データ量]] | + | まず[[音声信号]]自体は[[映像信号]]などに比べて[[データ量]]は極めて小さいです。 |
− | [[ピュアオーディオ]]界では[[USB]]は僅か数メガバイトのデータ転送で[[バッファーアンダーラン]] | + | 以下のように一般的な音声データの転送量は[[USB]]の初版である[[USB 1.0]](1.5MB/秒)の[[理論値]]よりも遥かに小さいものであり、[[ピュアオーディオ]]などで用いられる無駄に高い周波数の[[データ]]であっても[[USB 2.0]](60.0MB/秒)で余裕で処理できます。[[CD]]と同程度の音質であれば[[チェックサム]]などでノイズによるデータ破損を検出をして再送しまくっても楽勝なレベルです。 |
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2023年7月4日 (火) 02:00時点における最新版
USBスピーカー (読み:ゆーえすびーすぴーかー、英語:USB Speaker)とは、USB接続のスピーカーのことです。
概要[編集 | ソースを編集]
USBスピーカーとは、USB接続のデジタルアナログコンバーター(通称DAC)とスピーカーが一体化した製品のことです。
音声信号はUSB端子からスピーカー本体までデジタル信号として伝送され、内蔵のDACにてデジタル信号からアナログ信号に変換されたものがスピーカーから発せられます。
なんでも繋げる夢の端子「USB」が登場したものの、そこへ接続するものと言えば、キーボードやマウス、スキャナー、プリンターなど、古くから他のデジタルなインターフェイスで繋がっていたありきたりな周辺機器ばかりの中、颯爽と現れたのがUSBスピーカーであり、USBスピーカーに世界中が熱狂し、USB登場初期にはUSBキワモノグッズの代表格として君臨していました。そのためキワモノグッズ、いわゆる安物、という風潮が長らく根付いていました。
データ量[編集 | ソースを編集]
まず音声信号自体は映像信号などに比べてデータ量は極めて小さいです。
以下のように一般的な音声データの転送量はUSBの初版であるUSB 1.0(1.5MB/秒)の理論値よりも遥かに小さいものであり、ピュアオーディオなどで用いられる無駄に高い周波数のデータであってもUSB 2.0(60.0MB/秒)で余裕で処理できます。CDと同程度の音質であればチェックサムなどでノイズによるデータ破損を検出をして再送しまくっても楽勝なレベルです。
ピュアオーディオ界ではUSBは僅か数メガバイトのデータ転送でバッファーアンダーランが発生するかのように言われることがありますが、そのような技術レベルではUSB 3.0以降の高速通信技術は実用化していません。
- 参考
- 16ビット/44.1kHz/ステレオ = 2バイト * 44,100Hz * 2ch(ステレオ) = 176,400byte/秒(約0.2MB/秒)
- 24ビット/96.0kHz/ステレオ = 3バイト * 96,000Hz * 2ch(ステレオ) = 576,000byte/秒(約0.6MB/秒)
- 32ビット/384.0kHz/ステレオ = 4バイト * 384,000Hz * 2ch(ステレオ) = 3,072,000byte/秒(約3.1MB/秒)
特徴[編集 | ソースを編集]
USBスピーカーはDACを内蔵したスピーカーであり、PCとDACまではノイズに強いデジタル信号で伝送され、さらにDACとスピーカーまでのアナログ信号である期間が極めて短く、ノイズが乗る暇もないという特徴があります。
かつて主流であったパソコンの本体に内蔵するタイプのサウンドカードとは異なり、PCケース内のような強烈なノイズ発生源から距離を離してDACを設置することが容易にできるという利点があります。
つまりUSBスピーカーはその構造上、「ノイズが乗る可能性がある配線」を極限まで短くできるので音質は極めて良くできます。
なお、「比較的簡単に良くできる」のであって「常に良い」という訳ではありません。USBが登場した初期の頃のUSBスピーカーはキワモノグッズであったため、ショボいDACに、ショボいスピーカー、おもしろデザインというのがほとんどでした。そのためUSBスピーカーは「低品質の安物」というイメージが根強く残っているというのが実情です。
このイメージから基本的によくわかっていないオーオタはUSBスピーカーを問答無用で否定することが多いです。