差分

ナビゲーションに移動 検索に移動

スタッカブルスイッチ

5,272 バイト追加, 2014年2月1日 (土) 12:16
ページの作成:「'''スタッカブルスイッチ'''(英語:stackable switch)とは、イーサネットで使われるスイッチングハブ(以下スイッチ)の...」
'''スタッカブルスイッチ'''(英語:stackable switch)とは、[[イーサネット]]で使われる[[スイッチングハブ]](以下スイッチ)のうち、複数台を連結した際に仮想的に1台に見せかけることのできる製品のことである。

== 概要 ==
スタッカブルスイッチは、複数台の[[スイッチ]]を仮想的に1台として扱うことができる[[スイッチ]]である。「[[スタック]]」は[[日本語]]では「積み重ねる」という意味であり、複数台の[[スイッチ]]を積み重ねたものを、あたかも単一の[[スイッチ]]とみなすことができる。

[[スイッチ]]同士のスタック接続方式は[[メーカー]]ごとどころか、機種ごとに異なるので、基本的に異なる製品の混在はできない。稀に[[LAN端子]]のポート数だけが違う兄弟機種の場合に混在できることもあるが、絶対ではない。そもそもスタック接続に使う端子も、専用端子であったり、[[SPF端子]]に専用モジュールを付ける方式だったりと様々である。また、スタックできる台数の上限も機種により異なる。

購入に際してはメーカーによく確認する必要がある。

== メリットとデメリット ==
スタッカブルスイッチのメリットとデメリットを大雑把に言えば、
*管理が楽になり、
*障害耐性も強くなるが、
*価格が高い。

=== 管理 ===
[[家電量販店]]に売っているような家庭用の安物スイッチでは[[電源ケーブル]]と[[LANケーブル]]を指すだけで何も設定のない製品ばかりだが、企業向けの製品では[[スイッチ]]に[[IPアドレス]]を設定して、[[Webブラウザ]]で[[ログ]]を見たり、[[SNMP]]で[[データ]]を飛ばしたり、[[VLAN]]の設定をしたりなどの様々なリモート管理ができる。

このような[[スイッチ]]が複数台あると、それぞれ別の[[IPアドレス]]を利用して管理をしなければいけない。数台程度ならともかく、何十台にもなると、もう[[IPアドレス]]の把握だけで一苦労である。一方、スタッカブルスイッチであれば1つの管理用IPアドレスを利用して、スタックに含まれるすべてのスイッチの管理を行え、[[ネットワーク]]の管理作業をシンプルにできる。

=== 障害耐性 ===
小規模な[[LAN]]でよく使われる[[スイッチ]]と[[スイッチ]]を単純に繋ぐ「[[カスケード接続]]」では、ある[[スイッチ]]が[[故障]]するとそこを経由するエリア全域が壊滅するが、スタッカブルスイッチの場合は基本的にリング状に接続するため、[[障害点]]を自動的に迂回することができ、被害範囲を抑えることができる。

また、スタッカブルスイッチと[[リンクアグリゲーション]]を組み合わせることで、1つの[[スイッチ]]が[[故障]]しても[[リンクアグリゲーション]]側で「経路の断線」として扱い、別経路(別のスイッチ)でサービスを継続するという非常に強い[[冗長化]]を実現できる。

スタッカブルスイッチ単体では被害範囲を最小限にできるだけで被害が発生するという事実は残る。一方、[[リンクアグリゲーション]]単体では[[LANケーブル]]の[[断線]]のみを保護できるだけであり、単体では[[冗長化]]よりも[[高速化]]を目的として利用されることが多い。

スタッカブルスイッチと[[リンクアグリゲーション]]、さらにこれに加えて[[電源]]も[[冗長化]]されていれば、[[三人よれば文殊の知恵]]である。

=== 価格 ===
2014年2月時点では、下位製品でも[[定価]]10万円、[[実売]]6万円程度となっている。非スタッカブルな製品が[[実売]]3万円程度であることを考えると、[[障害耐性]]を上げようと2台購入すると4倍の差となる。加えて設定も必要となるため若干の[[人件費]]も必要となる。つまりスタッカブルスイッチを利用すると5〜6倍の[[イニシャルコスト]]は覚悟しておく必要がある。 

ただし、[[ネットワーク障害]]発生時の[[人件費]]や[[機会逸失]]などを[[ランニングコスト]]として加味しておくと、この程度はケチらない方が良い。

組織の規模が大きくなるとちょっとした[[工事]]ひとつでも、[[シミュレーション]]に[[シミュレーション]]を重ねての徹底的な計画をたて、非常に面倒な通達を出し続けての周知徹底が必要となるが、[[冗長化]]を徹底しておけば後々の手順が大幅に簡略化できるため、最終的には[[ランニングコスト]]を大幅に下げる結果となる。ただし現実問題として[[コスパ]]や[[ワッパ]]どころか、[[イニシャルコスト]]だけを気にする[[経営者]]が多いのも事実である。

== 関連項目 ==
*[[スイッチングハブ]]
*[[冗長性]]

== 参考文献 ==
{{reflist}}

{{stub}}
匿名利用者

案内メニュー