「末尾呼び出し最適化」の版間の差分
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末尾呼び出し最適化のなかでも、最強に威力を発揮するのは[[再帰]]であり、[[末尾再帰最適化]]という言葉まである。やってることは基本的に末尾呼び出し最適化と同じである。 | 末尾呼び出し最適化のなかでも、最強に威力を発揮するのは[[再帰]]であり、[[末尾再帰最適化]]という言葉まである。やってることは基本的に末尾呼び出し最適化と同じである。 | ||
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[[.NET Framework]]の[[CIL]]では末尾呼び出しを明示するtail命令があり、これを使うと現在の関数の[[フレームスタック]]を削除して(続く関数の引数は残す)、続く関数の呼び出しを行う。 | [[.NET Framework]]の[[CIL]]では末尾呼び出しを明示するtail命令があり、これを使うと現在の関数の[[フレームスタック]]を削除して(続く関数の引数は残す)、続く関数の呼び出しを行う。 | ||
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2014年10月27日 (月) 02:20時点における最新版
末尾呼び出し最適化(英語:Tail Call Optimization、略称:TCO)とは、ある関数の最後の処理が、別の関数呼び出しであれば、コストの大きい関数呼び出しを消し去り、インライン展開してしまうことが比較的容易にできるよ、というコンパイラの最適化手法のひとつである。
概要[編集 | ソースを編集]
たとえば、最後の処理なので、その処理中に使う引数以外の変数などは破棄できるため、x86のニーモニックや.NETのCILであればCALLとなっている部分をJMPなどに置き換えられる。
プログラマーが最適化と称してgoto文を使いまくり、main関数一本のプログラムを作った日には偉い人たちからボロクソ叩かれるが、その半分をコンパイラに任せると偉い人たちも怒らないので、コンパイラが容易に最適化ポイントを認識できるようにプログラムのソースコードを書くときに留意しておきましょうという話でもある。
末尾呼び出し最適化のなかでも、最強に威力を発揮するのは再帰であり、末尾再帰最適化という言葉まである。やってることは基本的に末尾呼び出し最適化と同じである。
.NET Framework[編集 | ソースを編集]
.NET FrameworkのCILでは末尾呼び出しを明示するtail命令があり、これを使うと現在の関数のフレームスタックを削除して(続く関数の引数は残す)、続く関数の呼び出しを行う。
tail命令の直後の関数呼び出し自体は消えないので、それに伴うコールスタックの消費は発生するため、パフォーマンス的なオーバーヘッドは残るが、そこへたどり着くまでのスタックフレームは消去されるため、スタックオーバーフローは容易に回避できるようになる。