インスタンス
インスタンス(英語:instance)とは、「実体」のことである。
目次
アプリケーション
ROMやHDDの中に格納されているアプリ(プログラム)がRAMに読み込まれ実行可能な状態になったものを「インスタンス」という。
現実的には、上記のようにプログラムがRAMに読み込まれ、実行が開始され、ある程度の初期化を済ませた状態を指すことが多い。
この初期化処理の際に「同名のアプリが起動しているか」をチェックして終了するものを「シングルインスタンス」、チェックしないものを「マルチインスタンス」などと呼ぶ。
Windows
Windowsはマルチインスタンスが基本となっている。スタートメニューやタスクバーのアイコンをクリックすると次々と同じアプリが立ち上がる。
このため多くのプログラマーが「多重起動防止する方法」を調べるのが定番となっている。
AndroidやiOS
AndroidやiOSはシングルインスタンスが基本となっている。スマホという特性上こちらのほうが使い勝手がいいからだ。
このため多くのゲーマーがチートするために「マルチインスタンス化する方法」を調べているようだ。
プログラミング
構造体やクラスの定義をもとに、メモリを確保し、初期化処理までを完了したものを「インスタンス」とをいう。
この挙動はObjective-Cがわかりやすい。
Objective-Cではメモリ確保(alloc)と初期化(init)の2挙動を明示的に行うようになっている。
Class* instance = [[Class alloc] init];
Objective-C以外の多くの言語では「new」とするだけで一発で行うことができる。
このような場合でも内部的にはメモリ確保(alloc)と初期化(init)は別々に実行されている。
Class instance = new Class();
ここで注意しなければならないのは「newであっても、内部は2挙動であり、その2挙動は連続実行されるとは限らない」という点である。
たとえばC#ではその2挙動は連続実行される。一方でJavaではnewすると即座にメモリ確保だけは行われるが、初期化はそのインスタンスの「最初の利用時」に実行される。
// newでメモリ確保が実行される
Class instance = new Class();
// 初回は初期化(コンストラクタ)が実行されたのちHelloメソッドが実行される。
instance.Hello();
// 2回目は普通にHelloメソッドだけ実行される。
instance.Hello();
この挙動によりJavaではダブルチェックロッキングが実装できない。