「サービス品質保証契約」の版間の差分

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'''サービス品質保証契約'''(英語:service level agreement、略称:SLA)とは、サービス提供者([[プロバイダー]])とサービス委託者(顧客)との間で契約を行う際に、提供する[[サービス]]の内容と範囲、品質に対する要求(達成)水準を明確にして、それが達成できなかった場合のルールを含めて、あらかじめ合意しておくこと、あるいはそれを明文化した文書、契約書のことである。
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'''サービス品質保証契約'''(英語:[[service level agreement]]、略称:[[SLA]])とは、サービス提供者([[プロバイダー]])とサービス委託者(顧客)との間で契約を行う際に、提供する[[サービス]]の内容と範囲、品質に対する要求(達成)水準を明確にして、それが達成できなかった場合のルールを含めて、あらかじめ合意しておくこと、あるいはそれを明文化した文書、契約書のことである。
  
 
== 概要 ==
 
== 概要 ==
サービス業は実態のある「物(製品)」が存在しないため、内容や品質がわかりづらく、提供者と委託者の間で何がどの程度行われるのかに関する認識の食い違いが生じる可能性が高い。とくに中長期にわたって提供されるサービスの場合はいつ何がおこるかわからない。そこでサービスレベルを数値化して定義することで、役割と責任の所在について“あいまいさ”を排除し、ルールを定めておくことである。
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サービス業は実体のある「物(製品)」が存在しないため、内容や品質がわかりづらく、提供者と委託者の間で何がどの程度行われるのかに関する認識の食い違いが生じる可能性が高い。とくに中長期にわたって提供されるサービスの場合はいつ何がおこるかわからない。
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そこでサービスレベルを数値化して定義することで、役割と責任の所在について“あいまいさ”を排除し、ルールを定めておくことである。
  
 
主に[[インターネットサービスプロバイダー]]や[[レンタルサーバー]]、[[クラウドコンピューティング]]などで障害などが発生したときに「障害が何分を超えたら返金する」などという、保証の基準を明文化したものが多い。
 
主に[[インターネットサービスプロバイダー]]や[[レンタルサーバー]]、[[クラウドコンピューティング]]などで障害などが発生したときに「障害が何分を超えたら返金する」などという、保証の基準を明文化したものが多い。
  
 
== 試算 ==
 
== 試算 ==
[[コンピューター]]の世界におけるSLAでは可用性を数値の基準として試算するのが一般的である。可用性は月間や年間など様々は提示方法があるが、どれもパーセンテージで表されるのが一般的であり、たとえば「月間稼働率99.9%など」などと表記される。この場合は1ヶ月あたり0.01%は止まるという意味である。
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[[コンピューター]]の世界におけるSLAでは[[可用性]]を数値の基準として試算するのが一般的である。[[可用性]]は月間や年間など様々は提示方法があるが、どれもパーセンテージで表されるのが一般的であり、たとえば「月間稼働率99.9%など」などと表記される。この場合は1ヶ月あたり0.01%は止まるという意味である。
  
 
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上記を見てわかるように、小数点以下[[切り上げ]]と時間単位の組合せによっては3秒が1時間にもなる数字のマジックが発生する。SLAの内容には細心の注意を払うこと。
  
可用性を高めるための特別な工夫をしたシステムのことを「[[高可用性システム]](High Availability System)」と呼ぶ。明確な規定は知らないが世間一般では可用性が99.99%以上であることが多い。
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2014年2月19日 (水) 04:49時点における最新版

サービス品質保証契約(英語:service level agreement、略称:SLA)とは、サービス提供者(プロバイダー)とサービス委託者(顧客)との間で契約を行う際に、提供するサービスの内容と範囲、品質に対する要求(達成)水準を明確にして、それが達成できなかった場合のルールを含めて、あらかじめ合意しておくこと、あるいはそれを明文化した文書、契約書のことである。

概要[編集 | ソースを編集]

サービス業は実体のある「物(製品)」が存在しないため、内容や品質がわかりづらく、提供者と委託者の間で何がどの程度行われるのかに関する認識の食い違いが生じる可能性が高い。とくに中長期にわたって提供されるサービスの場合はいつ何がおこるかわからない。

そこでサービスレベルを数値化して定義することで、役割と責任の所在について“あいまいさ”を排除し、ルールを定めておくことである。

主にインターネットサービスプロバイダーレンタルサーバークラウドコンピューティングなどで障害などが発生したときに「障害が何分を超えたら返金する」などという、保証の基準を明文化したものが多い。

試算[編集 | ソースを編集]

コンピューターの世界におけるSLAでは可用性を数値の基準として試算するのが一般的である。可用性は月間や年間など様々は提示方法があるが、どれもパーセンテージで表されるのが一般的であり、たとえば「月間稼働率99.9%など」などと表記される。この場合は1ヶ月あたり0.01%は止まるという意味である。

可用性 停止時間概算(年間) 停止時間概算(月間)
99% 315,360秒 5,256分 88時 26,280秒 438分 8時
99.9% 31,536秒 526分 9時 2,628秒 44分 1時
99.99% 3,154秒 53分 1時 263秒 5分 1時
99.999% 316秒 6分 1時 27秒 1分 1時
99.9999% 32秒 1分 1時 3秒 1分 1時

上記を見てわかるように、小数点以下切り上げと時間単位の組合せによっては3秒が1時間にもなる数字のマジックが発生する。SLAの内容には細心の注意を払うこと。

可用性を高めるための特別な工夫をしたシステムのことを「高可用性システム(High Availability System)」と呼ぶ。明確な規定は知らないが世間一般では可用性が99.99%以上であることが多い。

関連項目[編集 | ソースを編集]

参考文献[編集 | ソースを編集]