「チップレット」の版間の差分

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さらに[[GPU]]や[[モデム]]などのコアの搭載・非搭載を簡単に選択できるようになるため、これらを新型に交換した新製品をサクサク製造できるようになる。
 
さらに[[GPU]]や[[モデム]]などのコアの搭載・非搭載を簡単に選択できるようになるため、これらを新型に交換した新製品をサクサク製造できるようになる。
  
また発熱の少ないコアなどは三次元的に積み上げることで大きさを抑制することもできる。三次元的な接続は配線の長さを短くでき、かついわゆる[[等長配線]]なんかの設計も楽になる。
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また発熱の少ないコアなどは三次元的に積み上げることで大きさを抑制することもできる。三次元的な接続は配線の長さを極端に短くできるため消費電力を大幅に抑えることができる。さらにいわゆる[[等長配線]]なんかの設計も大幅に楽になる。
  
 
欠点としては大きい半導体を一発で製造しても不良品がほとんど出ないという状態と比べると組立工程のコストが増大する分だけ不利となる。ただ[[歩留まり]]が絶望的に悪いという状況下では利点になる。
 
欠点としては大きい半導体を一発で製造しても不良品がほとんど出ないという状態と比べると組立工程のコストが増大する分だけ不利となる。ただ[[歩留まり]]が絶望的に悪いという状況下では利点になる。

2019年1月25日 (金) 16:10時点における最新版

チップレット英語:Chiplet)とは、CPUGPUなどの半導体をコア単位で製造して、あとからレゴブロックのように合体させることでひとつの製品を作り出す方式である。

マザーボードなどに搭載されている「チップセット」と名前が似ているがまったくの別物である。

概要[編集 | ソースを編集]

半導体プロセスの微細化と比例して歩留まりの悪化による製造コストの増加が問題になった。

そこでシリコンウェーハの無駄を減らすべく、1個の大きい半導体を1回で生成するのではなく、複数の小さい半導体を製造して、レゴブロックの如く後から結合するという方法が考案された。

たとえば8コアのCPUであれば、一発で製造する従来方式だと1コアでも不良品があれば残り7コアが優良品でも捨てることになっていた(実際はコア数が少ない下位モデルとして販売されることが多い)。

一方でチップレットでは1コアごとに製造して、後から結合することで1個の製品を作り上げるので1コアが欠陥品でも優良7コアは無駄にならない。

また、各コアを繋げるクロスバースイッチなどを大きめのプロセスで作ることで、微細化するほど高電圧に弱くなる問題も解決でき、微細化のあまり必要のないI/Oなどのコアは安価に製造することができる。

さらにGPUモデムなどのコアの搭載・非搭載を簡単に選択できるようになるため、これらを新型に交換した新製品をサクサク製造できるようになる。

また発熱の少ないコアなどは三次元的に積み上げることで大きさを抑制することもできる。三次元的な接続は配線の長さを極端に短くできるため消費電力を大幅に抑えることができる。さらにいわゆる等長配線なんかの設計も大幅に楽になる。

欠点としては大きい半導体を一発で製造しても不良品がほとんど出ないという状態と比べると組立工程のコストが増大する分だけ不利となる。ただ歩留まりが絶望的に悪いという状況下では利点になる。

ようするに半導体のための半導体による半導体サイズのマザーボードだな。俗にいうワンチップマイコンの最新の姿であるとも言える。

関連項目[編集 | ソースを編集]