「ODM (Original Design Manufacturer)」の版間の差分

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ODMは大雑把にいえば「こんなパソコンが欲しい」と工場に仕様を送ると製品が届くという産地直送の特注[[コンピューター]]のことである。
 
ODMは大雑把にいえば「こんなパソコンが欲しい」と工場に仕様を送ると製品が届くという産地直送の特注[[コンピューター]]のことである。
主に[[サーバー]]で利用されている。
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普通の[[パソコン]]でもよく見かける[[自作PC]]を代行する[[BTO]]に近いが、コンピューター工場による直売なので単に組み立てるだけでなく、[[マザーボード]]形状や必要不要な各種端子などまで細かく注文できる。
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ODMの分野では小回りの効く[[台湾]]勢が圧倒的な勢力を持っており、[[クアンタコンピューター]]や[[ウィストロン]]、[[インベンテック]]、[[コンパルエレクトロニクス]]といった製造企業が、米[[グーグル]]や米[[アマゾン]]、米[[フェイスブック]]などのユーザー企業の要求に合わせて設計・製造した[[サーバー]]を納入している。大企業を中心にODMの割合が徐々に増加しており、2014年上期はこの形態が金額ベースで約7%を占めるまでになった。
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このような特性から主に大企業や[[データセンター]]での大規模な[[サーバー]]を運用する際に、目的の処理に不必要な無駄な部品をサーバーから省き、面積あたりの処理能力や[[ワッパ]]を極限まで向上させたい場合などに利用されている。
  
 
利益率の高い[[大企業]]や[[データセンター]]といった顧客がODMに食われ、頭数の多い[[零細企業]]・[[スタートアップ企業]]は[[産業スパイ]]や[[コンプライアンス]]など糞喰らえで[[イニシャルコスト]]の安い[[クラウドコンピューティング]]に食われ、昔ながらの既製品サーバーを利用するのは中途半端な[[中小企業]]ばかりとなった。[[チキンレース]]のような過激な[[価格競争]]が行われている分野でひとたび全体的な販売数の減少が発生すれば全滅である。
 
利益率の高い[[大企業]]や[[データセンター]]といった顧客がODMに食われ、頭数の多い[[零細企業]]・[[スタートアップ企業]]は[[産業スパイ]]や[[コンプライアンス]]など糞喰らえで[[イニシャルコスト]]の安い[[クラウドコンピューティング]]に食われ、昔ながらの既製品サーバーを利用するのは中途半端な[[中小企業]]ばかりとなった。[[チキンレース]]のような過激な[[価格競争]]が行われている分野でひとたび全体的な販売数の減少が発生すれば全滅である。
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<ref>[http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/14/346926/102000078/ HPは分割でIBMは事業譲渡、再編進むサーバー市場:ITpro]</ref>
 
<ref>[http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/14/346926/102000078/ HPは分割でIBMは事業譲渡、再編進むサーバー市場:ITpro]</ref>
 
<ref>[http://jp.wsj.com/articles/SB12669324362286583938704580225273914087914 IBM半導体事業、米グローバルファウンドリーズに譲渡で合意 - WSJ]</ref>。
 
<ref>[http://jp.wsj.com/articles/SB12669324362286583938704580225273914087914 IBM半導体事業、米グローバルファウンドリーズに譲渡で合意 - WSJ]</ref>。
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ODMの分野では小回りの効く[[台湾]]勢が圧倒的な勢力を持っており、[[クアンタコンピューター]]や[[ウィストロン]]、[[インベンテック]]、[[コンパルエレクトロニクス]]といった製造企業が、米[[グーグル]]や米[[アマゾン]]、米[[フェイスブック]]などのユーザー企業の要求に合わせて設計・製造した[[サーバー]]を納入している。大企業を中心にODMの割合が徐々に増加しており、2014年上期はこの形態が金額ベースで約7%を占めるまでになった。
  
 
==関連項目==
 
==関連項目==

2015年5月9日 (土) 07:17時点における版

ODM (語源:Original Design Manufacturer)とは、サーバーなどの機材をユーザー企業の要求に合わせて設計・製造し、直接納入する形態のことである。

概要

ODMは大雑把にいえば「こんなパソコンが欲しい」と工場に仕様を送ると製品が届くという産地直送の特注コンピューターのことである。 普通のパソコンでもよく見かける自作PCを代行するBTOに近いが、コンピューター工場による直売なので単に組み立てるだけでなく、マザーボード形状や必要不要な各種端子などまで細かく注文できる。

このような特性から主に大企業やデータセンターでの大規模なサーバーを運用する際に、目的の処理に不必要な無駄な部品をサーバーから省き、面積あたりの処理能力やワッパを極限まで向上させたい場合などに利用されている。

利益率の高い大企業データセンターといった顧客がODMに食われ、頭数の多い零細企業スタートアップ企業産業スパイコンプライアンスなど糞喰らえでイニシャルコストの安いクラウドコンピューティングに食われ、昔ながらの既製品サーバーを利用するのは中途半端な中小企業ばかりとなった。チキンレースのような過激な価格競争が行われている分野でひとたび全体的な販売数の減少が発生すれば全滅である。 そして2014年、IBMHPは死んだ [1] [2]

主なODMメーカー

ODMの分野では小回りの効く台湾勢が圧倒的な勢力を持っており、クアンタコンピューターウィストロンインベンテックコンパルエレクトロニクスといった製造企業が、米グーグルや米アマゾン、米フェイスブックなどのユーザー企業の要求に合わせて設計・製造したサーバーを納入している。大企業を中心にODMの割合が徐々に増加しており、2014年上期はこの形態が金額ベースで約7%を占めるまでになった。

関連項目

参考文献