「PCエンジンLT」の版間の差分

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'''PCエンジンLT'''とは、[[PCエンジンGT]]につづく「[[PCエンジン]]を携帯できるようにした」シリーズ第二弾である。
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== 基本情報 ==
 
発売元:NECホームエレクトロニクス
 
発売元:NECホームエレクトロニクス
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発売:1991年12月13日
 
発売:1991年12月13日
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価格:99800円
 
価格:99800円
  
ノートパソコンみたいなPCエンジン
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(硬派なPCエンジンFX広場様より)
 
 
 「LT」とは、「ラップトップ」の頭文字。机の上にあるからデスクトップ、ひざの上に乗るからラップトップ、手のひらに乗ればパームトップ、といった具合で、1990年代初頭当時「ラップトップ」といえばいわゆる「ノートパソコン」のことを指していた。液晶画面により薄型でキーボード・本体・ディスプレイが一体となった本当の意味で膝の上で作業できそうなノートパソコンが登場していたのがこの時期だ。実は「ノートパソコン」の名前の生みの親だったりするNEC(先に薄型PCを発売していた東芝が「ダイナブック」であったことに対抗して「ノート」と名づけたという)、PCエンジンでもラップトップ型を発売してしまったというわけ。携帯型PCエンジンとしては「PCエンジンGT」に続く第2弾となる。
 
 
 
 写真を見ればわかるように、ノートパソコン同様に折りたたみ式の形態で、ディスプレイ+本体+入力装置が一体化した構成となっている。折りたたんだ状態は「ノートパソコン」というより「お弁当箱」状態だったが…。カラーリングは半年先行して発売されていた「コアグラフィックスII」と同じグレーで、「LT」と同日発売の「スーパーCD-ROM2」とも一緒。
 
 ディスプレイ部分は4インチ・アクティブマトリクス方式カラー液晶画面で、GTに比べてもふたまわりほど大きい。やや先に発売されていた「DUOモニター」に比べればやや小さいのだが、十分に大きく綺麗に映る画面で、GTで難のあった文字の読み取りも十分にこなせる。
 
 GTではオプションだったTV試聴も最初から可能になっていて、後部にあるTVアンテナを伸ばせばVHF・UHFのTV放送を受信して大きな画面で見ることができた。チャンネル切り替えは十字キーで行うようになっている。
 
 音声はディスプレイ下にあるスピーカーから出る。ヘッドホン端子も本体手前にしっかり装備されており、スピーカーの音量・音質に不満の人はヘッドホンで聴くことができる。
 
 
 
 手前にはHuCARDスロットがあり、十字キーとRUN・SELECTおよびI・IIボタンや連射スイッチも装備されているので、「LT」単体でHuCARDゲームは問題なく遊べる。GT同様の欠点である操作のしにくさを解決するためパッド端子もついていて、そこにPCエンジンのゲームパッドを接続して遊ぶことも可能になっている。
 
  
 さらに初代PCエンジン以来の伝統である後部の大きな接続端子も健在なので、ここに「コア構想」に基づく各種機器を接続することも可能で、CD-ROM2システムやスーパーCD-ROM2(ただし専用の「スーパーロムロムアダプタ」必須)を接続してCD-ROMソフトを遊ぶこともできた。CD-ROM2と接続した場合はディスプレイを折りたたんで閉じても接続したCD-ROM2側から、あるいは「AV接続ケーブル」を利用したTVへの外部出力が可能で(閉じている間は液晶ディスプレイには何も映らないようになっている)、白PCやコアグラフィックスと同等の使い方もできた。この時期では「DUO」の登場によりほぼ放棄されていた「コア構想」なのだが、「LT」はその構想の最終形態の商品と言えるかもしれない。
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== 概要 ==
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従来の据え置き型のPCエンジンに類似した筐体に、開閉式の液晶モニター、スピーカー、TVチューナー、コントローラー等を内蔵し、なおかつ従来機同等の拡張性を持たせた、当時としては極めて特異な設計であった。しかしその仕様からも推測出来る通り、非常に高価な機種となった。
  
 こうしたいたれりつくせりの設計は、見事に価格に跳ね返り、そのお値段なんと99800円!十万円弱という、ゲーム機とはとても思えないお値段である。どれほどの人が買ったのだろう…と思ってしまうのだが、まだバブル末期ということもあり、そこそこ売れていたらしい。現在中古屋で見かけることもあるが、今なお取引価格は数万円レベルを維持している高値商品だ。
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まず[[白エンジン]]や[[コアグラ]]の後方にある拡張端子を持ったおかげで[[天の声2]]や[[CD-ROM2]]などが接続可能になった。ちなみに液晶のヒンジの関係で白エンジンやコアグラより若干後方が短く、そのためSUPER CD-ROM2が接続できないという致命的な設計ミスを抱えていた。後にこの問題を解決すべく[[SUPER ROM² ADAPTER]] ([[PI-AD18]]) が発売となった。
  
cd-romシステムとの接続 僕自身はこの商品は割と早い時期(といっても94年ごろ)に中古で入手、CD-ROM2システムおよびスーパーシステムカードやアーケードカードPROと組み合わせて、かなりの期間PCエンジンのメインマシンとして使わせてもらった(左図)。携帯型とはいえ、大きさがかなりある上に手に持って遊べるようなものではなく、机の上に据え置きにして使うのが普通だった。各種ボタンも最初から本体についているが、これでアクションゲームなどはかなり辛く、パッド端子にパッドをつないで操作するのがセオリーだろう。
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他にも、折り畳み式になったり、外部パットが使えたり、色々あるが、そのおかげで99800円と高くなってしまった。
 ただこうした操作系の構造のために、後期に発売された外部記録装置「メモリーベース128」「セーブくん」(いずれもパッドと本体パッド端子の間にはさんで使用する)は「LT」では使用不能となった。このためPCエンジン末期に出た光栄やアートディンクの大容量データセーブ必須のゲームは遊べない(セーブできないというだけでプレイそのものはできたが)という欠点はあった。それでもアーケードカードPROを使えばこの画面に「餓狼伝説SPECIAL」を映してコタツの上で遊べたりしたんだから、当時としてはかなり贅沢なゲーム環境であったと思う。
 
  
 バブル期の申し子とも言われるPCエンジンの中でも、最高値を誇る高価格ハード。その威容は、正面から見るとどこかスフィンクスに似ているような気がするんだけど、どうでしょう?
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[[category: PCエンジン]]

2020年2月4日 (火) 02:29時点における最新版

PCエンジンLTとは、PCエンジンGTにつづく「PCエンジンを携帯できるようにした」シリーズ第二弾である。

基本情報[編集 | ソースを編集]

発売元:NECホームエレクトロニクス

発売:1991年12月13日

価格:99800円

(硬派なPCエンジンFX広場様より)

概要[編集 | ソースを編集]

従来の据え置き型のPCエンジンに類似した筐体に、開閉式の液晶モニター、スピーカー、TVチューナー、コントローラー等を内蔵し、なおかつ従来機同等の拡張性を持たせた、当時としては極めて特異な設計であった。しかしその仕様からも推測出来る通り、非常に高価な機種となった。

まず白エンジンコアグラの後方にある拡張端子を持ったおかげで天の声2CD-ROM2などが接続可能になった。ちなみに液晶のヒンジの関係で白エンジンやコアグラより若干後方が短く、そのためSUPER CD-ROM2が接続できないという致命的な設計ミスを抱えていた。後にこの問題を解決すべくSUPER ROM² ADAPTER (PI-AD18) が発売となった。

他にも、折り畳み式になったり、外部パットが使えたり、色々あるが、そのおかげで99800円と高くなってしまった。