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'''ワンチップマイコン'''とは、[[CPU]]をはじめ様々な[[電子回路]]をひとつの[[半導体]]に詰込んだ[[コンピューター]]のことである。
== 概要 ==
[[コンピューター]]を構成する上で必要なデバイスは以下の4点である。
*[[CPU]]
*[[RAM]]
*[[ROM]]
*[[IOポート]]
これらがひとつの半導体にまとまったものをワンチップマイコンという。
一方で単に[[CPU]]と[[GPU]]を合体させたものをワンチップマイコンと呼ぶことは稀である。
ワンチップマイコンは[[炊飯器]]や[[自動車]]の制御システムなど[[コンピューター]]を必要とする装置のあらゆる製品に組み込まれている。
最近では[[キーボード]]や[[マウス]]などにもワンチップマイコンが組み込まれていることが多い。[[PC-9801シリーズ]]などの古い[[パソコン]]や[[ファミコン]]などでは本体側に[[キーボード]]や[[マウス]]の[[コントローラー]]が搭載されており、[[キーボード]]や[[マウス]]の中身は[[センサー]]だけという事も多かった。だが昨今の[[USB]]製品などはひとつで完結しているものばかりである。
== 呼称 ==
ワンチップマイコンはその性能により呼び方が異なる。明確な区切りはないが、低スペックなものは[[マイクロコントローラー]]と呼ばれ、高スペックなものは[[マイクロコンピューター]]と呼ばれる。また、近年では特にスペックの高いものを指して[[SoC (System on a Chip)]]などと呼ばれる。
== メリットとデメリット ==
=== 設計コストの増大 ===
複数の[[半導体]]をひとつにまとめあげるワンチップ化は一番最初の回路設計の[[コスト]]が増大するというデメリットがある。
=== 小型化、省エネ化 ===
半導体内部で[[配線]]が完結するため、[[配線]]を極端に短くできることで[[小型化]]と[[省エネ]]を実現できる。
どちらも[[バッテリー]]で動く製品では極めて重要な要素となる。
たとえば最近では[[スマホ]]に搭載する[[ARM]]を巡り、[[モデム]]を内蔵した[[Snapdragon]]と、[[モデム]]を内蔵していない[[Tegra]]の戦いは、結果として前者が[[省電力]]を武器に圧倒的な勝利を得る事となった。
=== 量産効果 ===
ワンチップ化によって必要な部材の点数が減るため[[量産効果]]と[[微細化]]の影響を強く受けるようになる。
これにはメリットもデメリットもある。
[[半導体]]に限らず、物の値段は基本的に部材のパーツ数で決まる。
[[素材]]が[[貴金属]]でもない限り、部材の重量はあまり影響を与えない。
たとえば[[100円ショップ]]で売っているプラスチック製品を例にしてみよう。
[[本立て]]は切れ目のない1枚板なので原価はアホみたいに安い。逆に箱はフタや留め具など複数パーツで構成されるので原価は高い。といった感じである。
ただしワンチップ化はパーツ点数は減らせるが、ひとつの半導体にすることで巨大化するというデメリットもある。
大きいものを上手く作れない製造初期には[[歩留り]]の悪さに直結し、結果として[[不良品]]の山が出来上がり、逆にコストアップに繋がる事が多い。
将来の半導体製造技術の進化を見越し、それが的中すれば大幅なコストダウンを実現できるが、「いついつまでに微細化が進む」というのは一種の[[博打]]であり、長期的な販売が見込めない場合は非常に危険な挑戦であると言える。
この問題に対して、[[家庭用ゲーム機]]のように後々ワンチップ化した[[廉価版]]を発売するという手法が通用する分野もある。
ただし省エネを前提としている分野では後々もクソもなく難しい手法である。
=== その他 ===
== 主なワンチップマイコン ==
*[[1Chip MSX]]
*:[[MSXアソシエーション]]が開発した[[SoC]]版の[[MSX]]である。
*[[Sega 315-6123]]
*:[[セガ]]が開発した[[メガドライブ]]の最終形態である。[[日本]]では未発売であり一見すると中国製の[[パチモノ]]風の[[メガドライブ3]]などに搭載されている。
* [[ARM]]
*:かつて[[英国]]の[[国民機]]であった[[BBC Master]]の[[SoC]]版である。今や[[スマホ]]には欠かせない存在となっている。
* [[AVR]]
* [[PIC]]
== 関連項目 ==
* [[マイコン]]
== 参考文献 ==
{{reflist}}
{{stub}}
== 概要 ==
[[コンピューター]]を構成する上で必要なデバイスは以下の4点である。
*[[CPU]]
*[[RAM]]
*[[ROM]]
*[[IOポート]]
これらがひとつの半導体にまとまったものをワンチップマイコンという。
一方で単に[[CPU]]と[[GPU]]を合体させたものをワンチップマイコンと呼ぶことは稀である。
ワンチップマイコンは[[炊飯器]]や[[自動車]]の制御システムなど[[コンピューター]]を必要とする装置のあらゆる製品に組み込まれている。
最近では[[キーボード]]や[[マウス]]などにもワンチップマイコンが組み込まれていることが多い。[[PC-9801シリーズ]]などの古い[[パソコン]]や[[ファミコン]]などでは本体側に[[キーボード]]や[[マウス]]の[[コントローラー]]が搭載されており、[[キーボード]]や[[マウス]]の中身は[[センサー]]だけという事も多かった。だが昨今の[[USB]]製品などはひとつで完結しているものばかりである。
== 呼称 ==
ワンチップマイコンはその性能により呼び方が異なる。明確な区切りはないが、低スペックなものは[[マイクロコントローラー]]と呼ばれ、高スペックなものは[[マイクロコンピューター]]と呼ばれる。また、近年では特にスペックの高いものを指して[[SoC (System on a Chip)]]などと呼ばれる。
== メリットとデメリット ==
=== 設計コストの増大 ===
複数の[[半導体]]をひとつにまとめあげるワンチップ化は一番最初の回路設計の[[コスト]]が増大するというデメリットがある。
=== 小型化、省エネ化 ===
半導体内部で[[配線]]が完結するため、[[配線]]を極端に短くできることで[[小型化]]と[[省エネ]]を実現できる。
どちらも[[バッテリー]]で動く製品では極めて重要な要素となる。
たとえば最近では[[スマホ]]に搭載する[[ARM]]を巡り、[[モデム]]を内蔵した[[Snapdragon]]と、[[モデム]]を内蔵していない[[Tegra]]の戦いは、結果として前者が[[省電力]]を武器に圧倒的な勝利を得る事となった。
=== 量産効果 ===
ワンチップ化によって必要な部材の点数が減るため[[量産効果]]と[[微細化]]の影響を強く受けるようになる。
これにはメリットもデメリットもある。
[[半導体]]に限らず、物の値段は基本的に部材のパーツ数で決まる。
[[素材]]が[[貴金属]]でもない限り、部材の重量はあまり影響を与えない。
たとえば[[100円ショップ]]で売っているプラスチック製品を例にしてみよう。
[[本立て]]は切れ目のない1枚板なので原価はアホみたいに安い。逆に箱はフタや留め具など複数パーツで構成されるので原価は高い。といった感じである。
ただしワンチップ化はパーツ点数は減らせるが、ひとつの半導体にすることで巨大化するというデメリットもある。
大きいものを上手く作れない製造初期には[[歩留り]]の悪さに直結し、結果として[[不良品]]の山が出来上がり、逆にコストアップに繋がる事が多い。
将来の半導体製造技術の進化を見越し、それが的中すれば大幅なコストダウンを実現できるが、「いついつまでに微細化が進む」というのは一種の[[博打]]であり、長期的な販売が見込めない場合は非常に危険な挑戦であると言える。
この問題に対して、[[家庭用ゲーム機]]のように後々ワンチップ化した[[廉価版]]を発売するという手法が通用する分野もある。
ただし省エネを前提としている分野では後々もクソもなく難しい手法である。
=== その他 ===
== 主なワンチップマイコン ==
*[[1Chip MSX]]
*:[[MSXアソシエーション]]が開発した[[SoC]]版の[[MSX]]である。
*[[Sega 315-6123]]
*:[[セガ]]が開発した[[メガドライブ]]の最終形態である。[[日本]]では未発売であり一見すると中国製の[[パチモノ]]風の[[メガドライブ3]]などに搭載されている。
* [[ARM]]
*:かつて[[英国]]の[[国民機]]であった[[BBC Master]]の[[SoC]]版である。今や[[スマホ]]には欠かせない存在となっている。
* [[AVR]]
* [[PIC]]
== 関連項目 ==
* [[マイコン]]
== 参考文献 ==
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