エルゴノミクスキーボード
エルゴノミクスキーボード(ergonomics keyboard)とは、人間工学(エルゴノミクス)にもとづいた人間の手の形状や姿勢、生理的な反応、さらには心理的な感情などを考慮したと言われるキーボードのことである。エルゴノミックキーボードと呼ばれることもある。マーケティング的な用語としての意味合いも強い。
価格
エルゴノミクスキーボードは、主に中間価格帯のキーボードに多く見受けられる。これは「普及価格帯に収まるほど安いパーツを使いつつも、できるかぎり疲れにくいキーボードを作ること」に主眼がおかれているためであると思われる。そのためスイッチにラバードームを採用したメンブレンキーボードが多く、本当に筐体形状だけで何とかなるものなの?と疑いたくなる製品が多いのも事実である。
概要
エルゴノミクスキーボードは、より自然な位置に手や腕を配置できる傾斜付きキーデザインを採用する長時間使用しても疲れにくいという名のもと、見た目の派手さ、斬新さがもっともたる特徴となっている。
とくにエルゴノミクスキーボードは手首のねじれや指の移動量が最小限になるようにデザインされていると言われている。手首のねじれ軽減による身体への負担の少なさはケガ人などを中心に高評価されることが多い。
手を休めるためのパームレストが付いている製品などもある。
問題点
人間の個体差
一方で人種や性別の違いによる手の大きさなどまで考慮されたエルゴノミクスキーボード製品は皆無といってよい状況であり、標準的な日本人の手のサイズでは明らかにエンターキーやシフトキーが遠かったりキーピッチが広すぎたりする誰の身体を基準に疲れにくいと言っているのか謎な製品が多い。
この問題を解決し、完璧なエルゴノミクスを追及すれば、義手や義足などのように特注生産の一品物という結論に達するであろうが、費用対効果を考えると現実的ではない。
筐体サイズ
また、エルゴノミクスキーボードは、その筐体サイズがかなり巨大な傾向があり、キーボードからマウスに握りかえる際の手の移動量が大きいという問題点を抱えていることも多々あり、トラックボールなんかを付けてくれと思う製品が多い。
その他
なお、Realforceの一部モデルが採用している変荷重キーを採用したキーボードや、Happy Hacking Keyboardなどの変態配列などを採用したキーボードをエルゴノミクスキーボードと呼ぶ人は見たことがないので、身体への負荷云々は二の次であり、まずは突拍子のないデザインでなければエルゴノミクスキーボードを名乗ることはできないものと思われる。
著明な製品
- Freestyle Keyboard
- Advantage Contoured Keyboard
- Natural Ergonomic Keyboard
- Comfort Curve Keyboard
- Natural MultiMedia Keyboard
- Computer Keyboard
- 株式会社ムラカミ、株式会社エルコム
- スケルトロン ST-2000 - TRON配列を採用したたのみこむのネタで作られたエルゴノミクスキーボード。
関連項目
参考文献