「RenderScript」の版間の差分

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'''RenderScript'''とは、[[Android]]が採用、搭載している[[CUDA]]に似た[[プログラマブルシェーダー]]である。
 
'''RenderScript'''とは、[[Android]]が採用、搭載している[[CUDA]]に似た[[プログラマブルシェーダー]]である。
  
RenderScriptはAndroid 3.0で登場した機能で、もともとはその名前のとおり3Dレンダリングするためのものであったが、いろいろと試行錯誤を繰り返したのち、Android 4.2でそれらは廃止され、現在はいわゆる[[OpenCL]]や[[CUDA]]などと類似する[[GPGPU]]向けの[[コンピュートシェーダー]]と2D画像処理向けの組み込み関数群というかたちに落ち着いている。
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RenderScriptはAndroid 3.0で登場した機能で、もともとはその名前のとおり3Dレンダリングするためのものであったが、いろいろと試行錯誤を繰り返したのち、Android 4.2でそれらは廃止され、現在ではいわゆる[[OpenCL]]や[[CUDA]]などと類似する[[GPGPU]]向けの[[コンピュートシェーダー]]と2D画像処理向けの組み込み関数群というかたちに落ち着いている。
  
このような歴史的背景から名前はRenderScriptだが実質的にはComputeScriptである。
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このような歴史的背景から名前は「RenderScript」だが実質的には「ComputeScript」である。
  
 
Androidには標準で[[CPU]][[ドライバ]]が含まれており、とりあえずAndroid 4.2以降であれば[[GPU]]がショボい端末でも動くという特徴がある。
 
Androidには標準で[[CPU]][[ドライバ]]が含まれており、とりあえずAndroid 4.2以降であれば[[GPU]]がショボい端末でも動くという特徴がある。
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Androidが採用している[[Java]]や[[Kotlin]]は[[ビットマップ]]を[[ピクセル]]単位で処理する、いわゆる「[[ポインタ]]を使ってぶん回す」系の処理には死ぬほど向いていない。それを補うのがRenderScriptであり、主に[[Java]]で書くと死ぬほど遅い[[2D]]の[[画像処理]]を書くのに使われる。[[スマホ]]のしょぼい[[GPU]]では「[[GPGPU]]だから速い」という利点はほぼなく、どちらかというと[[Java]]では記述の難しい部分を補う手法、かつ[[NDK]]([[C言語]])のように[[SoC]]に依存するものではない手法という意味合いが強い。
 
Androidが採用している[[Java]]や[[Kotlin]]は[[ビットマップ]]を[[ピクセル]]単位で処理する、いわゆる「[[ポインタ]]を使ってぶん回す」系の処理には死ぬほど向いていない。それを補うのがRenderScriptであり、主に[[Java]]で書くと死ぬほど遅い[[2D]]の[[画像処理]]を書くのに使われる。[[スマホ]]のしょぼい[[GPU]]では「[[GPGPU]]だから速い」という利点はほぼなく、どちらかというと[[Java]]では記述の難しい部分を補う手法、かつ[[NDK]]([[C言語]])のように[[SoC]]に依存するものではない手法という意味合いが強い。
  
== Xamarin.Android ==
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==Xamarin.Android==
ちなみに[[Xamarin.Android]]ではRenderScriptは一部しかサポートされておらずカスタムカーネル(独自プログラム)などは利用できない。ただXamarin.AndroidではC#がポインタをサポートしているのでポインタをぶん回す方法である程度は突破できる。
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ちなみに[[Xamarin.Android]]ではRenderScriptは一部しかサポートされておらずカスタムカーネル(独自プログラム)などは利用できない。ただXamarin.AndroidではC#がポインタをサポートしているのでRenderScriptを使わずともポインタをぶん回す方法である程度は突破できる。
  
 
==関連項目==
 
==関連項目==
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*https://developer.android.com/about/versions/android-4.2
 
*https://developer.android.com/about/versions/android-4.2
 
*https://developer.android.com/guide/topics/renderscript/compute
 
*https://developer.android.com/guide/topics/renderscript/compute
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[[カテゴリ:画像処理]]
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[[カテゴリ:シェーダー]]
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[[カテゴリ:Android]]

2019年5月16日 (木) 04:14時点における最新版

RenderScriptとは、Androidが採用、搭載しているCUDAに似たプログラマブルシェーダーである。

概要[編集 | ソースを編集]

RenderScriptはAndroid 3.0で登場した機能で、もともとはその名前のとおり3Dレンダリングするためのものであったが、いろいろと試行錯誤を繰り返したのち、Android 4.2でそれらは廃止され、現在ではいわゆるOpenCLCUDAなどと類似するGPGPU向けのコンピュートシェーダーと2D画像処理向けの組み込み関数群というかたちに落ち着いている。

このような歴史的背景から名前は「RenderScript」だが実質的には「ComputeScript」である。

Androidには標準でCPUドライバが含まれており、とりあえずAndroid 4.2以降であればGPUがショボい端末でも動くという特徴がある。

Androidが採用しているJavaKotlinビットマップピクセル単位で処理する、いわゆる「ポインタを使ってぶん回す」系の処理には死ぬほど向いていない。それを補うのがRenderScriptであり、主にJavaで書くと死ぬほど遅い2D画像処理を書くのに使われる。スマホのしょぼいGPUでは「GPGPUだから速い」という利点はほぼなく、どちらかというとJavaでは記述の難しい部分を補う手法、かつNDKC言語)のようにSoCに依存するものではない手法という意味合いが強い。

Xamarin.Android[編集 | ソースを編集]

ちなみにXamarin.AndroidではRenderScriptは一部しかサポートされておらずカスタムカーネル(独自プログラム)などは利用できない。ただXamarin.AndroidではC#がポインタをサポートしているのでRenderScriptを使わずともポインタをぶん回す方法である程度は突破できる。

関連項目[編集 | ソースを編集]

参考文献[編集 | ソースを編集]