「Adobe Flash」の版間の差分

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'''Adobe Flash'''とは、[[マクロメディア]]が開発した[[オーサリングツール]]と、その作品を動かすための[[仮想マシン]]である。
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== 概要 ==
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もともとはマクロメディアが開発した「Shockwave Flash」という名称であった。その関係で実行ファイルの拡張子は「Shock Wave Flash」の頭文字をとった「.swf」となっている。
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アドビがマクロメディアを買収したため「Adobe Flash」と呼ばれるようになった。
  
アドビがマクロメディアを買収したので「Adobe Flash」と呼ばれている。
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Shockwave Flash時代は「CD付き雑誌」でよく使われていた。とくに「[[さるやまハゲの助アワー]]」の「[[ペリーのお願い]]」などは今でも[[YouTube]]などに転載され高い人気を誇っている。
  
== 概要 ==
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その後、[[インターネット]]が普及すると[[ウェブブラウザ]]に寄生し、当時のウェブブラウザでは出来ないことを実現できるとして「[[Flashゲーム]]」などを中心に爆発的に普及することとなった。
 
[[Windows]]では[[ActiveXコンポーネント]]として[[IE]]に寄生することで動作した。これによりIEにはない機能を次々と可能にした。
 
[[Windows]]では[[ActiveXコンポーネント]]として[[IE]]に寄生することで動作した。これによりIEにはない機能を次々と可能にした。
 
 
一方、[[Windows]]以外ではまともに動かなかった。
 
一方、[[Windows]]以外ではまともに動かなかった。
  
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== 滅亡 ==
 
ChromeとFirefoxのHTML5をめぐる覇権争いで[[JavaScript]]が高速化競争になっていた傍らで、Flashは動作速度が遅いという欠点を克服できずにいた。
 
ChromeとFirefoxのHTML5をめぐる覇権争いで[[JavaScript]]が高速化競争になっていた傍らで、Flashは動作速度が遅いという欠点を克服できずにいた。
  
[[アップル]][[スティーブ・ジョブズ]]がこのFlashの重さを理由に[[iPhone]]での非対応を表明したことで完全に終わった。同時期のAndroidではFlashに対応していたジョブズの言う通り完全に地雷だった。
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後に[[スマートフォン]]が登場するとFlashは[[Apple]]を中心とした[[HTML5]]陣営の激しい攻撃にあった。とくに[[スティーブ・ジョブズ]]が「[[Flash]]は[[iPhone]]の[[バッテリ]]を激減させる原因しかならない」などとバッシングを繰り返したことで一気にその勢いを失った。
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当初はFlashに友好な姿勢を示していた[[Google]]もFlashが勢いを失ったことをうけ[[Android]]や[[Chrome]]でのFlashサポートを終了することとなった。
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ちなみにFlashとほぼ同じ思想でありながら「高速動作」を売りにした[[Silverlight]]も[[マイクロソフト]]から登場したが、時既に遅しで爆死した。
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== その後 ==
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「Flashはクソ、HTML5は素晴らしい」と大体的に宣伝されFlashは滅びた。
  
ちなみにFlashとほぼ同じ思想で高速性を売りにした[[Silverlight]]も時既に遅しで爆死した。
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だが、HTML5は「Flashなら素人でもできること」を実現するのに「Googleの天才集団を投入」するくらいの人的リソースが必要であった。
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そもそも[[HTML5]][[はAdobe Flash Builder]]に近い存在であったためデザイナーとの相性が最悪であった。
  
== 現在 ==
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そのような状況なのに「まともなHTML5」の[[オーサリングツール]]は一切登場しなかった。
[[オーサリングツール]]としては「[[Adobe Animate CC]]」に[[リネーム]]し生き残っている。
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なぜか[[GUI]]でポチポチできるHTML5のオーサリングツールはGoogleやAppleやMicrosoftどころか、ベンチャー企業からすらも出てこなかった。
[[ビルド]]すると[[HTML5]]を吐くようになった。
 
  
HTML5に叩かれ、HTML5に滅ぼされたFlashであったが、
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結局のところ、HTML5を吐けるようになった[[Adobe Flash Professional]](後にサブスクリプションになり[[Adobe Animate]]と改名)の最新版を誰もが買い直させられることとなった。
[[GUI]]でポチポチできるHTML5のオーサリングツールが他社から出てこなかったため、結局のところAdobe Animateの一人勝ち状態となっている。
 
  
 
== 関連項目 ==
 
== 関連項目 ==

2020年6月22日 (月) 03:17時点における版

概要

もともとはマクロメディアが開発した「Shockwave Flash」という名称であった。その関係で実行ファイルの拡張子は「Shock Wave Flash」の頭文字をとった「.swf」となっている。 アドビがマクロメディアを買収したため「Adobe Flash」と呼ばれるようになった。

Shockwave Flash時代は「CD付き雑誌」でよく使われていた。とくに「さるやまハゲの助アワー」の「ペリーのお願い」などは今でもYouTubeなどに転載され高い人気を誇っている。

その後、インターネットが普及するとウェブブラウザに寄生し、当時のウェブブラウザでは出来ないことを実現できるとして「Flashゲーム」などを中心に爆発的に普及することとなった。 WindowsではActiveXコンポーネントとしてIEに寄生することで動作した。これによりIEにはない機能を次々と可能にした。 一方、Windows以外ではまともに動かなかった。

滅亡

ChromeとFirefoxのHTML5をめぐる覇権争いでJavaScriptが高速化競争になっていた傍らで、Flashは動作速度が遅いという欠点を克服できずにいた。

後にスマートフォンが登場するとFlashはAppleを中心としたHTML5陣営の激しい攻撃にあった。とくにスティーブ・ジョブズが「FlashiPhoneバッテリを激減させる原因しかならない」などとバッシングを繰り返したことで一気にその勢いを失った。

当初はFlashに友好な姿勢を示していたGoogleもFlashが勢いを失ったことをうけAndroidChromeでのFlashサポートを終了することとなった。

ちなみにFlashとほぼ同じ思想でありながら「高速動作」を売りにしたSilverlightマイクロソフトから登場したが、時既に遅しで爆死した。

その後

「Flashはクソ、HTML5は素晴らしい」と大体的に宣伝されFlashは滅びた。

だが、HTML5は「Flashなら素人でもできること」を実現するのに「Googleの天才集団を投入」するくらいの人的リソースが必要であった。 そもそもHTML5はAdobe Flash Builderに近い存在であったためデザイナーとの相性が最悪であった。

そのような状況なのに「まともなHTML5」のオーサリングツールは一切登場しなかった。 なぜかGUIでポチポチできるHTML5のオーサリングツールはGoogleやAppleやMicrosoftどころか、ベンチャー企業からすらも出てこなかった。

結局のところ、HTML5を吐けるようになったAdobe Flash Professional(後にサブスクリプションになりAdobe Animateと改名)の最新版を誰もが買い直させられることとなった。

関連項目

開発環境
ランタイム