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OCuLink(おきゅりんく、語源:Optic Copper Link)とは、PCI-SIGが策定した「外付けPCI Express」の規格である。 VRで有名なOculusとは一切関係ない。
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'''OCuLink'''(おきゅりんく、語源:Optic Copper Link)とは、PCI-SIGが策定した「外付け[[PCI Express]]」の規格です。 正式名称は「SFF-8611」。
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[[VR]]で有名な[[Oculus]]とは一切関係ありません。
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OCuLinkは配線は「[[M.2]]」とまったく同じです。M.2はいちいちケースを開けてネジ止めが必要で面倒くさいのを解決すべくOCuLinkは[[USB]]風にサクッと挿せる端子形状にしたという感じです。
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OCuLinkに電源供給の配線を加えたのが「[[U.2]]」です。このため「外付けストレージを繋ぐ線」だけでなく「[[M.2]]と[[U.2]]を変換する内部配線」としても利用できるとしている。
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==OCuLinkとThunderboltの違い==
 
==OCuLinkとThunderboltの違い==
OCuLinkはThunderboltと非常によく似ている。
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OCuLinkの[[仕様]]は[[Thunderbolt]]と非常によく似ているおり比較されることが多い。
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===シンプル===
 
===シンプル===
大きな違いはThunderboltではケーブル両端に埋め込まれた半導体チップで信号変換処理を行っているのに対して、OcuLinkは「PCI Express x4の配線を単純に外付け端子型にしただけ」というシンプルさ。チップ類は一切なし。
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[[Thunderbolt]]ではケーブル両端に埋め込まれた半導体チップで信号変換処理を行っているのに対して、OcuLinkは「PCI Express x4の配線を単純に外付け端子型にしただけ」というシンプルさ。チップ類は一切なし。
  
 
シンプルであるがゆえに「PCI Expressの規格が新しくなればOCuLinkも新しくなる」という特徴がある。たとえばOCuLink発表当初はPCI Express 3.0が最新規格だったが、後にPCI Express 4.0が登場したことで単純に速度アップとなっている。
 
シンプルであるがゆえに「PCI Expressの規格が新しくなればOCuLinkも新しくなる」という特徴がある。たとえばOCuLink発表当初はPCI Express 3.0が最新規格だったが、後にPCI Express 4.0が登場したことで単純に速度アップとなっている。
  
また、初期のThunderboltでは信号変換処理チップがものすごい発熱をして端子が壊れる事例が多々あったが、OCuLinkはシンプルがゆえにそのような問題は起きにくいと思われる。
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初期のThunderboltでは信号変換処理チップがものすごい発熱をして端子が壊れる事例が多々あったが、OCuLinkはシンプルがゆえにそのような問題は起きにくいと思われる。
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=== プラグアンドプレイ非対応 ===
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なお、シンプルを追求しすぎてプラグアンドプレイには非対応となっています。
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OCuLink機器の取り付けや取り外しには[[パソコン]]の電源を切って行う必要があります。
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これがThunderboltと比較した際の唯一の欠点となります。
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===端子に抜け防止の爪がある===
 
===端子に抜け防止の爪がある===
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[[Thunderbolt 3]]の端子は[[USB Type-C]]そのものである。 スポスポ抜ける。
Thunderbolt 3の端子はUSB Type-Cそのものである。 一方、OCuLinkはDisplayPortに似た形状で「抜け防止の爪」を付けることができる。
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一方、OCuLinkは[[DisplayPort]]に似た形状で「抜け防止の爪」を付けることができる。
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==所見==
 
==所見==
一般向けには間違いなくThunderbolt 3が普及するだろうが、「壊れにくい」「事故りにくい」という特徴からサーバー用途ではOCuLinkが主流になると思われる。本当の競合はThunderbolt 3ではなくFibre Channelであろう。 FCの限界をすでに超えているオールフラッシュストレージを中心に置き換わっていくものと思われる。
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一般向けには間違いなく[[Thunderbolt 3]]が普及するだろうが、「壊れにくい」「事故りにくい」という特徴から[[サーバー]]用途ではOCuLinkが主流になると思われる。
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「OCuLinkは[[Thunderbolt]]と競合する」などと書かれているが、本当の競合はThunderboltではなく[[Fibre Channel]](通称FC)だと思われる。
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FCの限界を遥かに超えた製品が続出している[[オールフラッシュストレージ]]を中心にOCuLinkに置き換わっていくものと思われる。

2024年4月11日 (木) 02:37時点における最新版

OCuLink(おきゅりんく、語源:Optic Copper Link)とは、PCI-SIGが策定した「外付けPCI Express」の規格です。 正式名称は「SFF-8611」。

VRで有名なOculusとは一切関係ありません。

概要[編集 | ソースを編集]

OCuLinkは配線は「M.2」とまったく同じです。M.2はいちいちケースを開けてネジ止めが必要で面倒くさいのを解決すべくOCuLinkはUSB風にサクッと挿せる端子形状にしたという感じです。

OCuLinkに電源供給の配線を加えたのが「U.2」です。このため「外付けストレージを繋ぐ線」だけでなく「M.2U.2を変換する内部配線」としても利用できるとしている。

OCuLinkとThunderboltの違い[編集 | ソースを編集]

OCuLinkの仕様Thunderboltと非常によく似ているおり比較されることが多い。

シンプル[編集 | ソースを編集]

Thunderboltではケーブル両端に埋め込まれた半導体チップで信号変換処理を行っているのに対して、OcuLinkは「PCI Express x4の配線を単純に外付け端子型にしただけ」というシンプルさ。チップ類は一切なし。

シンプルであるがゆえに「PCI Expressの規格が新しくなればOCuLinkも新しくなる」という特徴がある。たとえばOCuLink発表当初はPCI Express 3.0が最新規格だったが、後にPCI Express 4.0が登場したことで単純に速度アップとなっている。

初期のThunderboltでは信号変換処理チップがものすごい発熱をして端子が壊れる事例が多々あったが、OCuLinkはシンプルがゆえにそのような問題は起きにくいと思われる。

プラグアンドプレイ非対応[編集 | ソースを編集]

なお、シンプルを追求しすぎてプラグアンドプレイには非対応となっています。 OCuLink機器の取り付けや取り外しにはパソコンの電源を切って行う必要があります。 これがThunderboltと比較した際の唯一の欠点となります。

端子に抜け防止の爪がある[編集 | ソースを編集]

Thunderbolt 3の端子はUSB Type-Cそのものである。 スポスポ抜ける。 一方、OCuLinkはDisplayPortに似た形状で「抜け防止の爪」を付けることができる。

JPC-OcuLink-internal-cable-assemblies.jpg

所見[編集 | ソースを編集]

一般向けには間違いなくThunderbolt 3が普及するだろうが、「壊れにくい」「事故りにくい」という特徴からサーバー用途ではOCuLinkが主流になると思われる。

「OCuLinkはThunderboltと競合する」などと書かれているが、本当の競合はThunderboltではなくFibre Channel(通称FC)だと思われる。

FCの限界を遥かに超えた製品が続出しているオールフラッシュストレージを中心にOCuLinkに置き換わっていくものと思われる。