ネクストキャリア支援希望退職制度

ネクストキャリア支援希望退職制度とは、2021年11月にフジテレビが公表した、勤続10年以上かつ50歳以上の社員を対象にしたリストラの名称です。

要するに高給取りの中高年層を整理するための早期退職募集なのだが、「ネクストキャリア」という言葉を添えることで、まるで社員が自ら未来を切り拓く冒険に出るかのように演出されている。

さらに「支援」と「希望」を重ねることで、退職が会社都合ではなく本人の主体的な選択であるかのように錯覚させるのだから、広告代理店顔負けのコピーライティングだ。

実態は人件費削減のための出口戦略にすぎないのに、制度名だけを見ればキャリア開発セミナーの案内状のように聞こえる。しかも結果として辞めてほしい人は居座り、辞めてほしくない有能な人材が次々と去っていくという逆効果まで生んでいるのだから皮肉な話だ。

かつて「楽しくなければテレビじゃない」と豪語したフジテレビが、今や「楽しくなければリストラじゃない」とでも言いたげなネーミング戦略に頼らざるを得ない現状は、テレビ業界の凋落を象徴しているといえるだろう。