MediaTek Helio G99
MediaTek Helio G99(型番:MT6789)とは、2022年5月にMediaTekが発表したSoCです。
Dimensity 1050、Dimensity 930、Dimensity 700などと同時発表になったSoCであり、大雑把にいえば「Dimensity 700から5Gを取り払ってLTEだけにした製品」です。
本来であればG99はHelio Gシリーズではなく後続のDimensityシリーズの最下位モデルです。そのためHelio Gシリーズを冠する製品で唯一「TSMC 6nm」で製造されている製品となっています。他のHelio GシリーズはTSMC 12nmで製造されているためHelio G95やHelio G96などと比較すると電力効率は30%程度向上しているそうです。
大雑把な性能はSnapdragon 480 5G(以下スナドラ480)とほぼ同等です。 CPUはスナドラ480より少し高性能です。GPUについてはAntutuではスナドラ480に負けますが、3DMarkではG99が勝ちます。原神(最低設定)のフレームレートでもG99が微妙に勝ちます。この点はシェーダーの叩き方(プログラムの組み方)に依存する部分が大きいのだと思われます。
性能的には「実用になる最低ラインは超えたな」くらいの代物であり、PC向けCPUでいうIntel Processor N100みたい位置づけです。
主なスペック[編集 | ソースを編集]
製造[編集 | ソースを編集]
- TSMC N6
CPU[編集 | ソースを編集]
- ARM Cortex-A76, 2.2GHz, x2
- ARM Cortex-A55, 2.0GHz, x6
- ヘテロジニアス・マルチプロセッシング対応
なお、公式にはCortex-A76のクロック周波数は規定されておらず、冷却次第では(メーカーが)オーバークロックできる仕様となっています。
GPU[編集 | ソースを編集]
- ARM Mali-G57 MC2, 1100MHz
GPUは2コアです。
なお、Mali-G57の1コアあたりのシェーダーユニットは64個となっておりNVIDIAのGeForceと同じ仕様になっています。一方で競合するスナドラ480のAdreno 619はシェーダーユニットが128個と単純に2倍もあり理論上は2倍の性能を誇ります。ただ世の中のゲームは世界標準のGeForceを想定した「64個前提」で作られたものばかりなので実際は差がほとんど出ません。
ビデオエンコーダー[編集 | ソースを編集]
- H.264, H.265/HEVC
- 2K 30fps, FHD 60fps, HD 120fps
フルHD以上は非現実的でしょう。
ビデオデコーダー[編集 | ソースを編集]
- H.264, H.265/HEVC, VP-9
- 2K 30fps, FHD 60fps, HD 120fps
フルHD以上は非現実的でしょう。
メモリ[編集 | ソースを編集]
- LPDDR4X, 2133MHz, 2x 16bit
- 最大サイズ 12GB
ストレージ[編集 | ソースを編集]
- UFS 2.2
ディスプレイ[編集 | ソースを編集]
- 最大解像度 2520 x 1080
- 最大リフレッシュレート 120Hz
モデム[編集 | ソースを編集]
- 4G Carrier Aggregation (CA), CDMA2000 1x/EVDO Rev. A (SRLTE), 4G FDD / TDD, HSPA +
- 4X4 MIMO, 2CC CA, 256QAM, TAS 2.0, HPUE, IMS (VoLTE\ViLTE\WoWi-Fi), eMBMS, Dual 4G VoLTE (DSDS), Band 71
- Cat-13 DL
LTEモデムのハードウェア的には「日本のプラチナバンド」に対応しているのが特徴です。
なお、G99を搭載した一部の中華Androidタブレットなどでは日本のプラチナバンドが封印されているものも確認されているので注意する必要があります。カタログに明記がなかったり技適のないものはほぼ封印されています。
Wi-Fi[編集 | ソースを編集]
- Wi-Fi 5 (a/b/g/n/ac)
Bluetooth[編集 | ソースを編集]
- Bluetooth 5.2
GNSS[編集 | ソースを編集]
- GPS / QZSS L1+ L5 / Galileo E1 + E5a / BeiDou B1C + B2a / NAVIC