マルチプルレンダーターゲット

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マルチプル・レンダー・ターゲット英語:Multiple Render Target、略称:MRT)とは、一回のシェーダー呼び出しで複数のレンダーターゲットに描画する機能である。

対応状況[編集 | ソースを編集]

  • DirectX 9から使えるが、DirectX 9.0cくらいまでは対応・非対応の製品が乱立していた。
    • ATI製品はほとんどいけた。
    • NVIDIA製品はGeForce 6x00シリーズくらいから対応だと思う。
    • 現行製品はすべて対応している。
  • MonoGameでは「HiDef」に設定すると使える(OpenGL系ではまともに動かない)。
  • OpenGL ESではOpenGL ES 3.0以降で使える。

概要[編集 | ソースを編集]

遅延レンダリングでは「」や「法線」、「深度」などを複数のレンダーターゲットに出力する。ならば出力先のレンダーターゲットを複数指定できるようにすれば1回のシェーダー呼び出しで完結できるじゃないか、という代物である。

遅延レンダリングが大流行しだした時期にXbox 360PS3が発売した。 これらには遅延レンダリングを高速化する目的でMRTが搭載された。

メリット[編集 | ソースを編集]

シェーダーの呼び出し、いわゆる「Drawコール」が減る。

デメリット[編集 | ソースを編集]

当然ながらMRT向けにシェーダーを書き直さなければならない。

COBOLJavaPHPを愛するIT土方的な考えであれば「既存のシェーダーを2回呼び出せばいいじゃん」となるところである。この世界では「車輪の再発明だ」と批判されることであろう。

一方、ゲーム業界はそこへ突撃して「このゲームのここがすごい!」と宣伝材料にしようとする。なおゲームの面白さには一切関係ない。

彼らは相見えない。「プログラマー」と一括にはできないほど根本的な思想に違いがある。

記述例[編集 | ソースを編集]

ピクセルシェーダーの戻り値を構造体にして一度に複数の色を返す感じになる。 HLSLの記述例。

// Rec. 709グレースケール変換定数
const float3 luma = float3(0.2126, 0.7152, 0.0722);

// ピクセルシェーダー出力
struct PS_OUTPUT 
{
    float4 rgba:COLOR0;  //RendarTargetの0番目に出力
    float4 gray:COLOR1;  //RendarTargetの1番目に出力
};

// ピクセルシェーダー本体
// 一般的なピクセルシェーダーの戻り値はRGBAを表す「float4」だが、
// マルチプルレンダーターゲットでは構造体で複数の色を返す。
PS_OUTPUT psMain( float2 texCoord:TEXCOORD ) 
{
    PS_OUTPUT psout;

    // そのまま出力
    float4 color = tex2D(ScreenTexSampler,texCoord);
    psout.rgba = color;

    // グレースケールに変換して出力
    float gray = dot(color.rgb, luma);
    psout.gray = float4(gray,gray,gray,1);

    return psout;
}

OpenGLOpenGL ESでも似たような感じである。通常はシステム予約の変数「gl_FragColor」に色を設定するが、MRTの場合は「gl_FragData」配列に各種の値を設定する。

    vec4 ps_c0 = vec4(0.0, 0.5, 1.0, 0.0);
    gl_FragData[0] = ps_c0.xxxx;
    gl_FragData[1] = ps_c0.yyyx;
    gl_FragData[2] = ps_c0.zzzz;

OpenGL ES 3.0(GLSL ES 3.0)では「gl_FragColor」も「gl_FragData」も廃止された。 代わりにlayoutを使う。これによりgl_FragDataは問答無用でvec4の配列であり無駄が多かったのが改善された。ただHLSLのstructの方がわかりやすいね。

    layout (location = 0) out vec3 position;
    layout (location = 1) out vec3 normal;
    layout (location = 2) out vec4 color;

関連項目[編集 | ソースを編集]