「リンクアグリゲーション」の版間の差分

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'''リンクアグリゲーション'''(英語:link aggregation)とは、複数の物理的な[[ネットワーク回線]](LAN回線)を仮想的に束ね、あたかも1本の回線であるかのように扱う技術のことである。言うなれば[[ストレージ]]で用いられる[[RAID]]の[[ネットワーク]]版のようなものである。
 
'''リンクアグリゲーション'''(英語:link aggregation)とは、複数の物理的な[[ネットワーク回線]](LAN回線)を仮想的に束ね、あたかも1本の回線であるかのように扱う技術のことである。言うなれば[[ストレージ]]で用いられる[[RAID]]の[[ネットワーク]]版のようなものである。
 
[[TCP/IP]]を利用する[[プログラム]]側からは1個の[[ネットワークカード]](1個の[[IP]])に見えるため、[[ソフトウェア]]を作る時点での[[ソースコード]]レベルでの対応は不要である。
 
  
 
リンクアグリゲーションの仕様はIEEE P802.3adとして2000年3月に標準化されている。
 
リンクアグリゲーションの仕様はIEEE P802.3adとして2000年3月に標準化されている。
 
また、[[シスコ]]製品では[[EtherChannel]]という独自用語が用いられている。
 
また、[[シスコ]]製品では[[EtherChannel]]という独自用語が用いられている。
 
リンクアグリゲーションを利用することを[[トラッキング]]という。
 
 
似たような言葉として、[[KDDI]]が開発した無線通信用の「リンクアグリゲーション無線技術」という技術的にも名称的にも非常に似ているがまったくの別物もある。
 
  
 
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また、物理回線のうち1経路に不具合が生じたとしても、生き残っている他の回線で通信を継続でき、[[障害耐性]]を高めるためのネットワーク回線の[[冗長化]]手段として意味も大きい。たとえば[[VIA Technologies]]の[[キオスク端末]]などを想定した[[マザーボード]]ではこの[[冗長化]]を主目的として[[オンボード]]の[[GbE]]端子が2ポート搭載されていたりする。
 
また、物理回線のうち1経路に不具合が生じたとしても、生き残っている他の回線で通信を継続でき、[[障害耐性]]を高めるためのネットワーク回線の[[冗長化]]手段として意味も大きい。たとえば[[VIA Technologies]]の[[キオスク端末]]などを想定した[[マザーボード]]ではこの[[冗長化]]を主目的として[[オンボード]]の[[GbE]]端子が2ポート搭載されていたりする。
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ソフトウェアの開発を行う立場の視点から見た場合、例えば[[TCP/IP]]を利用する[[プログラム]]側からは1個の[[ネットワークカード]](1個の[[IP]])に見えるため、[[ソフトウェア]]を作る時点での[[ソースコード]]レベルでの対応は不要であり、それらの処理を個別に書く場合に比べ大幅に工数を減らすことができる。
  
 
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また、[[VIA Technologies]]のリンクアグリゲーション対応マザーボードが[[CPU]]なども全部付いて1枚2~3万円程度なので2~3枚ほど買って繋いでみるのも面白い。
 
また、[[VIA Technologies]]のリンクアグリゲーション対応マザーボードが[[CPU]]なども全部付いて1枚2~3万円程度なので2~3枚ほど買って繋いでみるのも面白い。
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リンクアグリゲーションを利用することを[[トラッキング]]という。
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似たような言葉として、[[KDDI]]が開発した無線通信用の「リンクアグリゲーション無線技術」という技術的にも名称的にも非常に似ているがまったくの別物もある。
  
 
== 関連項目 ==
 
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2012年11月4日 (日) 05:09時点における版

リンクアグリゲーション(英語:link aggregation)とは、複数の物理的なネットワーク回線(LAN回線)を仮想的に束ね、あたかも1本の回線であるかのように扱う技術のことである。言うなればストレージで用いられるRAIDネットワーク版のようなものである。

リンクアグリゲーションの仕様はIEEE P802.3adとして2000年3月に標準化されている。 また、シスコ製品ではEtherChannelという独自用語が用いられている。

利点

リンクアグリゲーションを用いると、物理的なネットワーク回線の仕様帯域を合計した量の帯域を使用できるようになる。例えば1GbpsのLANケーブルを4本束ねれば4Gbpsの回線となる。IEEE P802.3adの仕様上では最大8回線をまとめることができる。

また、物理回線のうち1経路に不具合が生じたとしても、生き残っている他の回線で通信を継続でき、障害耐性を高めるためのネットワーク回線の冗長化手段として意味も大きい。たとえばVIA Technologiesキオスク端末などを想定したマザーボードではこの冗長化を主目的としてオンボードGbE端子が2ポート搭載されていたりする。

ソフトウェアの開発を行う立場の視点から見た場合、例えばTCP/IPを利用するプログラム側からは1個のネットワークカード(1個のIP)に見えるため、ソフトウェアを作る時点でのソースコードレベルでの対応は不要であり、それらの処理を個別に書く場合に比べ大幅に工数を減らすことができる。

欠点

反面、リンクアグリゲーションを利用するにはネットワークカードとそのドライバ、通信経路中にあるハブルーターなども対応製品を用いる必要がある。もともとサーバー向けの技術であるため、当然のように家電量販店パソコンショップなどで売られている安物は非対応製品ばかりである。

あくまでLAN向けの技術であり、WANでは使えない。WANであってもLAN配線方式の光回線サービスであれば応用できそうではあるが、現状ではリンクアグリゲーションに対応した光回線業者もISPもない。それどころかLAN配線方式自体が下火だったりする。

また、一部のメーカーのLAN端子が複数付いたサーバーでは、リンクアグリゲーションにハードウェア的には対応しているが、ドライバにおいてソフトウェア的に利用制限を掛けている物もあり、それらでは別途ライセンスを購入しないと利用できないようになっている。

その他

リンクアグリゲーション対応製品は比較的高価であるが、リンクアグリゲーション対応のネットワークカードだけならば個人でも買えない価格帯ではないので2枚ほど買い、ハブなどを介さずにLANケーブルPCを直結することで楽しむこともできる。

また、VIA Technologiesのリンクアグリゲーション対応マザーボードがCPUなども全部付いて1枚2~3万円程度なので2~3枚ほど買って繋いでみるのも面白い。

リンクアグリゲーションを利用することをトラッキングという。

似たような言葉として、KDDIが開発した無線通信用の「リンクアグリゲーション無線技術」という技術的にも名称的にも非常に似ているがまったくの別物もある。

関連項目

参考文献