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2015年7月2日 (木) 02:14時点における最新版
Am386とは、AMDが製造および販売していたx86互換のCPUである。
概要[編集 | ソースを編集]
Am386はIntelの80386と高い互換性を持ったCPUである。 それまでのAMD製品はIntelのライセンス生産であったが、Am386からは独自開発による互換品となっている。
Am386は初期の80386に存在した仮想86モード(32ビットモード)のバグが修正されているなど完全互換ではなかった。これを知った大手メーカーの役員はAm386にソフトウェアの互換性問題があるものだと誤認識して採用を見送ることが多かったと元AMD社員が証言している[1]。実際のところ、80386のバグあり版は32ビットでまともに動かないので互換性問題以前であった。たとえばPC-98XL^2では「仮想86モードが必要な場合は別途拡張プロセッサをお買い求め下さい」として、バグのない80386をさらに数10万円でオプション販売していたくらいである。
また、IntelはAm386の「386」という名称は商標侵害だと裁判に訴えた。この訴訟に巻き込まれるのを恐れた大手メーカーが多く、いくらAm386が安価であっても自社のパソコンへの採用は見送られることが多かった。なお、この裁判は「事実上一般名詞となっている」としてAMDの勝訴であった。それでも大手メーカーへの採用は進まなかった。
一方でAm386が発売した時期はPC/AT互換機が一大ブームとなり始めた時期でもあった。このためIntelには相手にもされないような中小企業が製造販売するパソコンにはよく採用されていた。また、当時の主たるベンチマークでは同一周波数でほぼ性能差がなく、インテルの80386DXは33MHz止まりであったが、Am386は40MHz駆動品がリリースされたこともあり、廃スペックPCを求めるスペック厨に大人気であった。さらにスタティック動作版が用意されていたこともあり、組込での採用もすすんだ。