「JPEG 2000」の版間の差分

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基本的なJPEG 2000の[[ファイル]]のフォーマットはJPEGとほぼ同じである。
 
基本的なJPEG 2000の[[ファイル]]のフォーマットはJPEGとほぼ同じである。
  
[[色空間]]から[[周波数]]への分解には、JPEGの[[離散コサイン変換]]に代わり、JPEG 2000では[[離散ウェーブレット変換]]を採用している。
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前処理となる[[色空間]]から[[周波数]]への分解には、JPEGの[[離散コサイン変換]]に代わり、JPEG 2000では[[離散ウェーブレット変換]]を採用している。
 
[[マザーウェブレット]]には[[9/7 wavelet]]を採用する[[非可逆圧縮]]に加え、[[5/3 wavelet]]を採用する[[可逆圧縮]]も使えるのも特徴のひとつとなっている。
 
[[マザーウェブレット]]には[[9/7 wavelet]]を採用する[[非可逆圧縮]]に加え、[[5/3 wavelet]]を採用する[[可逆圧縮]]も使えるのも特徴のひとつとなっている。
その後の[[量子化]]や[[エントロピー符号化]]はJPEGとほぼ同じである。
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後処理となる[[量子化]]や[[エントロピー符号化]]はJPEGとほぼ同じである。
  
 
[[アルゴリズム]]そのものはJPEGより遥かにシンプルであり画像圧縮アルゴリズムの入門には非常にオススメである。
 
[[アルゴリズム]]そのものはJPEGより遥かにシンプルであり画像圧縮アルゴリズムの入門には非常にオススメである。

2016年12月28日 (水) 05:09時点における最新版

JPEG 2000(じぇいぺぐにせん)とは、JPEGに似た画像フォーマットのことである。

概要[編集 | ソースを編集]

JPEGが「実用的な速度」を前提に開発されたのとは対象的に、JPEG 2000では画質と圧縮率に重点が置かれている。 また、JPEGと異なり各色8ビットという制限がないため、いわゆるディープカラーなども扱える。 基本的なJPEG 2000のファイルのフォーマットはJPEGとほぼ同じである。

アルゴリズム[編集 | ソースを編集]

前処理となる色空間から周波数への分解には、JPEGの離散コサイン変換に代わり、JPEG 2000では離散ウェーブレット変換を採用している。 マザーウェブレットには9/7 waveletを採用する非可逆圧縮に加え、5/3 waveletを採用する可逆圧縮も使えるのも特徴のひとつとなっている。

後処理となる量子化エントロピー符号化はJPEGとほぼ同じである。

アルゴリズムそのものはJPEGより遥かにシンプルであり画像圧縮アルゴリズムの入門には非常にオススメである。 C言語で書かれたOpenJPEGあたりのソースコードを見ながら別言語に移植するなどの車輪の再発明をして学習するには丁度いいサイズであると思う。

普及[編集 | ソースを編集]

はっきり言ってまったく普及しなかった。 WinMXWinnyといったファイル共有ソフト全盛の時代に登場したため、インターネット回線の高速化とハードディスクの大容量化という流れの中で「高い圧縮率」など誰も求めなかった。かつて持て囃されたMP3も320kbpsで圧縮する時代になっていたのであった。

一方で100MbpsのLANを数百台のPCで共有するような病院では、その細いLAN回線でレントゲン写真をやりとりするのに重宝された。 そのため医療業界ではDICOMに内包されるかたちで異常なほど高い普及率を誇っている。

関連項目[編集 | ソースを編集]

参考文献[編集 | ソースを編集]