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'''PinePhone'''(読み:ぱいん・ふぉん)とは、[[Pine64]]が製造および販売する「[[Linux]]を搭載した[[スマートフォン]]」である。
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'''PinePhone'''(読み:ぱいん・ふぉん)とは、[[Pine64]]が製造および販売する「[[Linux]]を搭載した[[スマートフォン]](実質[[スマホ]]型[[パソコン]])」である。
  
== 概要 ==
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PinePhoneは2019年11月15日に発表、試作品は2020年1月に、完成品は2020年5月に出荷開始された。
 
PinePhoneは2019年11月15日に発表、試作品は2020年1月に、完成品は2020年5月に出荷開始された。
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下位モデルのPinePhone単品が149ドル、上位モデルで[[USB-C]]接続の[[有線LAN]]や[[DisplayPort]]、[[USB-A]]などの機能を備えたドック付きが199ドル。
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実のところ[[スマートフォン]]としてよりも「バッテリーとLTEモデムと各種センサーを積んだ激安[[IoT機器]]」として話題になった。
  
下位モデルのPinePhone単品が149ドル、上位モデルで[[USB-C]]接続の[[有線LAN]][[DisplayPort]][[USB-A]]などの機能を備えたドック付きが199ドル。
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[[カタログスペック]]だけみると[[スマートフォン]]として見れば高価だが色々付属した[[シングルボードコンピューター]]として見れば恐ろしいほど安価だ。
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たとえば[[Raspberry Pi]]だとLTEモデムだけで2〜3万円([[CANDY Pi Lite]]の価格を参考)くらいしている。これだけでもPinePhoneの方が安い。さらに[[Raspberry Pi]]だとその他にも液晶だバッテリーだセンサーだも別売りだ。
  
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また、[[Linux]]なので[[Android]]よりもセンサー類を手軽に扱いやすい。Androidでは[[root]]を取らないと細かい制御はできないLTEモデム(ppp)のオンオフなども簡単にアクセスできる。
  
実のところ[[スマートフォン]]としてよりも「バッテリーとLTEモデムと各種センサーを積んだ激安[[IoT機器]]」として話題になった。[[Raspberry Pi]]向けの[[CANDY Pi Lite]]などのLTEモデムが2〜3万円くらいしていることを考えると全部コミコミで199ドルは激安なのは確かだ。また、[[Linux]]なので[[Android]]よりもセンサー類を手軽に扱いやすいというのも大きい。
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PinePhoneはあくまで「[[スマートフォン]]型の[[パソコン]]」「各種センサーや液晶がセットになった[[ラズパイ]]」などと考えた方がいい。当然ながら素人にはおすすめできない。
  
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PinePhoneには複数の[[Linuxディストリビューション]]が用意されており、発注時に「プリインストールOS」を選択できるようになっている。選択されたOSの開発プロジェクトに10ドルが寄付される。
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<del>PinePhoneには複数の[[Linuxディストリビューション]]が用意されており、発注時に「プリインストールOS」を選択できるようになっており、選択されたOSの開発プロジェクトに10ドルが寄付される。</del>
  
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正式版から[[プリインストール]]される[[OS]]は「[[Manjaro]] + [[Plasma Mobile]]」になった。
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一般的に[[スマートフォン]]といえば1枚の基板にすべての部品がハンダ付けされているが、PinePhoneを分解すると2個の[[M.2端子]]があり、そこにLTEモデムカードとWiFi&Bluetoothカードが刺さっている。ユーザーが[[シングルボードコンピューター]]的な感じで改造して遊べるようにするための構造らしい。
 
一般的に[[スマートフォン]]といえば1枚の基板にすべての部品がハンダ付けされているが、PinePhoneを分解すると2個の[[M.2端子]]があり、そこにLTEモデムカードとWiFi&Bluetoothカードが刺さっている。ユーザーが[[シングルボードコンピューター]]的な感じで改造して遊べるようにするための構造らしい。
  
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バッテリも交換可能となっている。独自規格ではなく[[Samsung Galaxy J7]]互換となっており、オプションパーツとして5000mAhの大容量バッテリやワイヤレス充電アダプタも予告されている。またバッテリ端子は[[I2C端子]]を兼ねており物理キーボードを接続するなどの改造例も示されている。
 
バッテリも交換可能となっている。独自規格ではなく[[Samsung Galaxy J7]]互換となっており、オプションパーツとして5000mAhの大容量バッテリやワイヤレス充電アダプタも予告されている。またバッテリ端子は[[I2C端子]]を兼ねており物理キーボードを接続するなどの改造例も示されている。
  
== 技適 ==
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==技適==
 
PipePhoneは技適を取得している。
 
PipePhoneは技適を取得している。
 
より正確には「技適を取得したMini PCIeカード」を接続してある。
 
より正確には「技適を取得したMini PCIeカード」を接続してある。
 
よって日本でも使える。
 
よって日本でも使える。
* https://www.tele.soumu.go.jp/giteki/SearchServlet?pageID=jg01_01&PC=201&TC=N&PK=1&FN=190731N201&SN=%94F%8F%D8&LN=49&R1=*****&R2=*****
 
  
== 外部リンク ==
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*https://www.tele.soumu.go.jp/giteki/SearchServlet?pageID=jg01_01&PC=201&TC=N&PK=1&FN=190731N201&SN=%94F%8F%D8&LN=49&R1=*****&R2=*****
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==外部リンク==
  
* https://www.pine64.org/pinephone/
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*https://www.pine64.org/pinephone/

2021年8月26日 (木) 07:42時点における最新版

PinePhone(読み:ぱいん・ふぉん)とは、Pine64が製造および販売する「Linuxを搭載したスマートフォン(実質スマホパソコン)」である。

概要[編集 | ソースを編集]

PinePhoneは2019年11月15日に発表、試作品は2020年1月に、完成品は2020年5月に出荷開始された。

PinePhone.png

下位モデルのPinePhone単品が149ドル、上位モデルでUSB-C接続の有線LANDisplayPortUSB-Aなどの機能を備えたドック付きが199ドル。

PinePhone USB-C Dock.png

実のところスマートフォンとしてよりも「バッテリーとLTEモデムと各種センサーを積んだ激安IoT機器」として話題になった。

カタログスペックだけみるとスマートフォンとして見れば高価だが色々付属したシングルボードコンピューターとして見れば恐ろしいほど安価だ。

たとえばRaspberry PiだとLTEモデムだけで2〜3万円(CANDY Pi Liteの価格を参考)くらいしている。これだけでもPinePhoneの方が安い。さらにRaspberry Piだとその他にも液晶だバッテリーだセンサーだも別売りだ。

また、LinuxなのでAndroidよりもセンサー類を手軽に扱いやすい。Androidではrootを取らないと細かい制御はできないLTEモデム(ppp)のオンオフなども簡単にアクセスできる。

PinePhoneはあくまで「スマートフォン型のパソコン」「各種センサーや液晶がセットになったラズパイ」などと考えた方がいい。当然ながら素人にはおすすめできない。

主な仕様[編集 | ソースを編集]

CPU Allwinner A64 (Cortex-A53 x4, 1.2GHz)
GPU Mali-400 MP2
メモリ 2GB (149ドルモデル)

3GB (199ドルモデル)

内蔵ストレージ 16GB eMMC (149ドルモデル)

32GB eMMC (199ドルモデル)

外部ストレージ microSD (起動ディスクとして使用可能)
バッテリ 3000mAh(Samsung Galaxy J7互換、交換可能)
GPS GPSA-GPSGLONASS
センサー 加速度、ジャイロスコープ、周囲光、近接、方位磁針、バロメーター
ディスプレイ 720x1440, 5.95インチ, IPS液晶
背面カメラ 5MP, LEDフラッシュ、1/4インチ、OV6540
前面カメラ 2MP, 1/5インチ、GC2035
Wi-Fi 802.11 b/g/n、シングルバンド、ホットスポット対応
その他 Bluetooth 4, A2DB,

3.5mmヘッドフォンジャック(UARTシリアルポートとして利用可能)

USB-C (USB-PD対応、DisplayPort対応)

カメラ無効化スイッチあり

マイク無効化スイッチあり


OS[編集 | ソースを編集]

PinePhoneには複数のLinuxディストリビューションが用意されており、発注時に「プリインストールOS」を選択できるようになっており、選択されたOSの開発プロジェクトに10ドルが寄付される。

正式版からプリインストールされるOSは「Manjaro + Plasma Mobile」になった。

ハードウェア[編集 | ソースを編集]

一般的にスマートフォンといえば1枚の基板にすべての部品がハンダ付けされているが、PinePhoneを分解すると2個のM.2端子があり、そこにLTEモデムカードとWiFi&Bluetoothカードが刺さっている。ユーザーがシングルボードコンピューター的な感じで改造して遊べるようにするための構造らしい。

microSDカードからOSを起動できるのも特徴で、複数用意されているLinuxディストリビューションダウンロードしてきてそれぞれを簡単に試すことができる。

バッテリも交換可能となっている。独自規格ではなくSamsung Galaxy J7互換となっており、オプションパーツとして5000mAhの大容量バッテリやワイヤレス充電アダプタも予告されている。またバッテリ端子はI2C端子を兼ねており物理キーボードを接続するなどの改造例も示されている。

技適[編集 | ソースを編集]

PipePhoneは技適を取得している。 より正確には「技適を取得したMini PCIeカード」を接続してある。 よって日本でも使える。

外部リンク[編集 | ソースを編集]