「USB Video Class」の版間の差分

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'''USB Video Class'''(通称:UVC)とは、[[USB]]接続の[[ウェブカメラ]]の規格である。
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'''USB Video Class'''(通称:UVC)とは、[[USB]]接続の[[ウェブカメラ]]の規格である。最近ではウェブカメラだけでなく、安価な[[HDMI]]などの[[ビデオキャプチャ]]機器などでも使われている。
  
== 概要 ==
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==概要==
大雑把にいえば「動画の圧縮」と「カメラの制御」の規格である。
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大雑把にいえば「映像信号を圧縮して[[PC]]に送信する仕様」と「PCからカメラを制御する仕様」を定めた規格である。
  
ウェブカメラだけでなくHDMIキャプチャ機器などでも使われている。
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映像信号は未圧縮だと非常にデータサイズが大きい。たとえば「[[フルHD]]以上かつ30fps以上」であれば2000Mbpsくらいの[[帯域]]が必要となる。[[USB 2.0]]の480Mbpsという狭い帯域では当然ながら扱えない。
  
== 圧縮 ==
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この問題を解決すべくUVCはビデオ信号をリアルタイムで圧縮することで[[USB 2.0]]の480Mbpsという狭い帯域でも送信可能にしたものである。[[非可逆圧縮]]なので画質は若干劣化する。
映像信号は未圧縮だと非常にデータサイズは大きい。たとえば「[[フルHD]]以上」かつ「30fps以上」であれば2000Mbpsくらいの帯域が必要となる。
 
  
一方、UVCの場合はUSBケーブルを流れる信号を圧縮するためUSB 2.0の480Mbpsという狭い帯域でも送信が可能となっている。
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UVCで使える[[圧縮アルゴリズム]]は複数が規定されている。ただし全部を実装している製品はまず存在しないと思われる。安物の定番は[[Motion JPEG]]、[[MPEG1]]、[[MPEG2]]である。だいたいこのどれか。
  
UVCで使える[[圧縮アルゴリズム]]は複数が規定されている。ただし全部を実装している製品はまず存在しないと思われる。
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なおUVCの規格上では[[H264]]や[[VP8]]などにも対応している。ただし、高級品はUVCではなく「[[Thunderbolt]]や[[USB 3.2]]を使って劣化なしの未圧縮データを力任せに垂れ流す」という方式が主流なため、あまり見かけることはない。
  
安物の定番は[[Motion JPEG]]である。規格上は[[H264]]や[[VP8]]などにも対応している。ただこの手の製品の高級品は「[[USB 3.0]]や[[Thunderbolt]]を使って劣化なしの未圧縮データ」として垂れ流すのが主流なため、UVCの規格上は存在しているがあまり見かけることはない。
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== 遅延 ==
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UVCでは、UVC機器で動画を即座に圧縮し、[[パソコン]]側で即座に伸張するという方式であるため、UVC機器と[[パソコン]]の双方の性能がいわゆる「遅延」に大きく影響する。
  
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==外部リンク==
  
== 外部リンク ==
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*https://usb.org/document-library/video-class-v15-document-set
 
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*https://usb.org/document-library/video-class-v11-document-set
* https://usb.org/document-library/video-class-v15-document-set
 
* https://usb.org/document-library/video-class-v11-document-set
 

2021年12月28日 (火) 01:53時点における最新版

USB Video Class(通称:UVC)とは、USB接続のウェブカメラの規格である。最近ではウェブカメラだけでなく、安価なHDMIなどのビデオキャプチャ機器などでも使われている。

概要[編集 | ソースを編集]

大雑把にいえば「映像信号を圧縮してPCに送信する仕様」と「PCからカメラを制御する仕様」を定めた規格である。

映像信号は未圧縮だと非常にデータサイズが大きい。たとえば「フルHD以上かつ30fps以上」であれば2000Mbpsくらいの帯域が必要となる。USB 2.0の480Mbpsという狭い帯域では当然ながら扱えない。

この問題を解決すべくUVCはビデオ信号をリアルタイムで圧縮することでUSB 2.0の480Mbpsという狭い帯域でも送信可能にしたものである。非可逆圧縮なので画質は若干劣化する。

UVCで使える圧縮アルゴリズムは複数が規定されている。ただし全部を実装している製品はまず存在しないと思われる。安物の定番はMotion JPEGMPEG1MPEG2である。だいたいこのどれか。

なおUVCの規格上ではH264VP8などにも対応している。ただし、高級品はUVCではなく「ThunderboltUSB 3.2を使って劣化なしの未圧縮データを力任せに垂れ流す」という方式が主流なため、あまり見かけることはない。

遅延[編集 | ソースを編集]

UVCでは、UVC機器で動画を即座に圧縮し、パソコン側で即座に伸張するという方式であるため、UVC機器とパソコンの双方の性能がいわゆる「遅延」に大きく影響する。

外部リンク[編集 | ソースを編集]