DockPort
DockPort(読み:どっくぽーと)とは、VESAが策定するDisplayPortの公式拡張規格で、映像信号専用であったDisplayPortに、USB互換のデータ通信と電源供給を搭載したものである。 [1] [2]
概要[編集 | ソースを編集]
DockPortは、DisplayPortのインターフェースを利用して、USB互換のデータ通信と電源供給を搭載したものである。
DockPortはもともとAMDによって開発されていた開発コード「Lightning bolt」の名前で知られていたものである。2013年11月にAMDが開催したイベント「APU開発者会議」のなかで、その技術と権利をVESAに譲渡し標準規格化を行い、「DockPort」という名称にするとが発表された。
似たような規格としては、インテルとアップルがDisplayPortを非公式に拡張し、PCI Express互換のデータ通信を搭載したThunderboltが有名である。
利点[編集 | ソースを編集]
電源供給[編集 | ソースを編集]
2014年1月時点でのUSBは電源供給がとても強力(USB PD、最大[email protected])であり、たとえばUSB電源とUSBハブを兼ね備えた液晶ディスプレイにDockPortケーブル1本を接続するだけで、ディスプレイ出力も、データ転送も、電源供給もまとめて利用できる優れものである。
よく比較対象とされるThunderboltが通信速度と引き換えに電源供給をほぼ捨てているのとは対照的である。
ロイヤリティフリー[編集 | ソースを編集]
DockPortは、VESAおよびUSBの掟に従いロイヤリティフリーである。製品開発に際してライセンス契約などを個別に行う必要がなく、誰もが自由にDockPort関連製品の開発を行える。ロイヤリティフリーというUSBの掟は、USBがIEEE1394を圧倒した最大の理由であると言われている。
マルチディスプレイ[編集 | ソースを編集]
グラフィックボード側にDockPortが1端子しかなくとも、DockPortハブを利用することでAMDのEyefinity技術を応用したマルチディスプレイを実現できるという。
その他[編集 | ソースを編集]
DisplayPort下位互換であるため、DockPortディスプレイなどで映像出力だけであれば既存のDisplayPortでも利用できる。
欠点[編集 | ソースを編集]
通信速度[編集 | ソースを編集]
DockPortのデータ通信プロトコルはUSB 3.0であり、したがってデータ転送速度はUSB 3.0と同じである。Thunderboltと比べると約半分程度と遅いという欠点がある。
なお、映像信号はDisplayPort互換部分で送受信されるためこの制限を受けない。映像信号を除くと、現状のUSB 3.0でもHDDやSSDくらいしか拡張された通信速度の恩恵を受けておらず、あまり大きな問題になりそうにはない。
ブランド力[編集 | ソースを編集]
AMDである。