プログレッシブダウンロード
プログレッシブダウンロード(英: progressive download)とは、静止画や動画、音楽などのファイルをダウンロードしつつ、その一部を受信した時点で表示再生を行う手法のことである。
ストリーミングと非常に似ているため、疑似ストリーミングとも呼ばれるが、技術的にまったく異なるものである。
プログレッシブダウンロードは、YouTubeやニコニコ動画、FC2動画などの動画配信サイトが採用している方式である。なお、ニコニコ生放送やFC2ライブはプログレッシブダウンロードではなくストリーミングである。基本的に生放送系はストリーミング、録画系はプログレッシブダウンロードと思って間違いない。
なお、JPEGやPNG、GIFなどの画像データがモザイク状から徐々に完全体になるのもプログレッシブダウンロードである。JPEGの場合は保存時にプログレッシブJPEG形式で保存する必要がある。
目次
ストリーミングとプログレッシブダウンロード
「ストリーミングとプログレッシブダウンロード」のページを参照。
著作権問題
プログレッシブダウンロードの実態は通常のダウンロード処理であり、ダウンロードが完了した部分から追っかけ再生を行うことでストリーミングに近い感覚を実現しているものである。
プログレッシブダウンロードでは、一度ダウンロードした部分はローカル上のキャッシュを利用することで通信することなく利用することもできる。
そのことが原因で著作権の観点から見て、著作物をプログレッシブダウンロードした場合は建前上は見えないキャッシュファイルであることが多いが、現実的には全てのダウンロードが完了した時点で完全なファイルとして恒久的にアクセスできる状況にあるため問題となりつつある。
主なプロトコルと実装
プログレッシブダウンロードとストリーミングはその特性の違いにより、ストリーミングはUDP/IPとの相性が良く、プログレッシブダウンロードはTCP/IPとの相性が良いと言われている。そのためTCP/IP上に構築されたHTTPを使うウェブの世界では、その構築の容易さや、一般市販されているルーターなどでは初期設定でHTTP通信が許可されておりファイアーウォールなど超えやすく、また圧倒的な勢力を誇るAdobeのFlashが標準でプログレッシブダウンロードに対応したクライアントとしての機能を持っており簡単に実装できるという理由から、プログレッシブダウンロードが広く使われている。
ただし、ストリーミングと言えばUDP/IPというわけでもなく、あくまで限られた範囲において効率的かつ相性が良いだけなので、Flashなどを噛ますことでHTTPで強引にストリーミングを実現するという手法や、RTSP(Real Time Streaming Protocol)のように強引にHTTP自体を拡張することで実現しているものもあるもある。これらはアダルトチャットを筆頭としたライブチャット界隈では広く使われており、とくにFlash Media Streaming Serverは圧倒的な勢力となっている。
なお、Silverlightで使われているSmooth Streamingという技術はその名称に「ストリーミング」とあるが実体はプログレッシブダウンロードである[1]。