マーチャントシリコン
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マーチャントシリコン(英語:merchant silicone)とは、半導体メーカーが市販する汎用部品という意味であり、従来はASICなどの専用設計の半導体が使われていた分野に、いわゆるx86やARMなどの一般的なCPUやFPGAなどの汎用的な半導体が侵出することを指す。
概要[編集 | ソースを編集]
かつて企業向けのサーバーやワークステーションは、メインフレームをはじめとしたベンダー各社が独自のアーキテクチャを備えたさまざまな種類のハードウェアが市場で競っていた。しかし1980年代に入るとパソコン向けのx86をベースにしたPCサーバーが登場した。これらを見た独自アーキテクチャを押すベンダーはx86を「オモチャ」と馬鹿にしていた。
だが、そのオモチャを扱う圧倒的人数のプログラマーによってハードウェアの弱点をもものともしないソフトウェアが次々と開発されたことにより、最終的にはほぼx86を搭載したPCサーバーが標準となる状況にたどり着いた。これもひとつのマーチャントシリコンである。
21世紀に入ると今度はこの現象がネットワーク機器の分野で発生した。Broadcomが誰でもネットワーク機器を作れるシリーズを発売したのを皮切りに一気に爆発、ジュニパーやIBM、HP、Force10(Dellの子会社)、そしてAristaなどに広く採用され、次々とCISCOなど旧来の大手を駆逐し始めた。そしてついにCISCOもマーチャントシリコンに舵を切った。
GoogleやFacebookはマーチャントシリコンをベースにした安価なネットワークスイッチを台湾メーカーに直接発注(ODM)し、自社のデータセンターに大規模導入していると言われている[1]。